『きっと、星のせいじゃない。』シャイリーン・ウッドリー インタビュー

胸キュン恋愛映画で涙と笑いと感動を巻き起こしたハリウッドの注目女優を直撃!

#Shailene Woodley

良い方に人生観がすっかり変わるような感覚を覚える作品は滅多にない

酸素ボンベが手放せない末期ガン患者で17歳のヘイゼルと、片足と引き替えに骨肉腫を克服したフットボール部の元スター選手で18歳のガス。限られた時間の大切さを知る2人の男女の、悲しいけれど、とびきり明るくて楽しくて胸キュンなラブストーリー。それが『きっと、星のせいじゃない。』だ。

SNSを中心に全米で大ヒットを記録し、社会現象を巻き起こした本作は、『(500)日のサマー』スタッフが製作し、若手注目株のシャイリーン・ウッドリーとアンセル・エルゴートの共演でも話題を振りまく。

今やポスト・ジェニファー・ローレンスと評され、ハリウッドの未来を担う若手女優でもあるウッドリーに、本作の見どころなどを語ってもらった。

『きっと、星のせいじゃない。』
(C)2014 TWENTIETH CENTURY FOX

──原作は、作家ジョン・グリーンが16歳で亡くなった友人をモデルに書いた小説「さよならを待つふたりのために」です。原作はお読みになりましたか?

ウッドリー:ええ。原作を読んで、どうしても本作に関わりたくなったわ。あの普遍的なメッセージはとても重要で、現代の世界に住む人類にとって不可欠なメッセージよ。原作に書かれてある美しい教訓を、世界中に向けて視覚的なメディアなど芸術的な形で届けることができるなら素晴らしいと思ったの。映画を見終わった時に、より良い方に人生観がすっかり変わるような感覚を覚える作品はそう滅多にないと思うわ。

──原作者のグリーンさんにはお会いしましたか?

ウッドリー:ええ。撮影現場で会ったんだけど、思わず抱き付いて「全てをありがとう」と伝えたの。すると、ジョンも「ありがとう」と返してきたの。私は「何に対して?」とビックリしたのだけど、彼は「ヘイゼル役を演じてくれてありがとう」と答えてくれたわ。とにかくジョンはセットを毎日楽しんでいたようね。彼は全員のことを心から応援してくれていたわ。1つのシーンが上手くいかなかったと思って、ジョンの方を見ると、彼は笑顔で拍手してくれているのよね。ジョンは満足していただけじゃなくて、本作に関わる全ての人たちに対して強く感謝していることが伝わってきたわ。彼の存在は関係者全員にとって大きなもので、毎日、何かいいものを作りたいという原動力となってくれるような人だった。私やアンセルが、それぞれの役柄について質問がある時はジョンに「原作ではこの場面は具体的に表現されていたけど、その理由は?」とアドバイスを求めた。彼は、自分たち自身では見えてこなかった真実を探り出す手助けをしてくれる影の仲間として私たちを助けてくれたわ。
 ヘイゼルとガスが共有する感情は、特殊な感情・特殊なテーマでも、強烈な筋書きでも、誰も発見できなかったような真実でも決してないのよね。ジョンは普通の事実を、言葉を巧みに使って主人公の2人と共感し、同じような怒りや苦しみや興奮を受け手に感じさせることができるの。とにかく物書きとして美しい才能を持ち合わせている人だと思うわ。

──皮肉屋だけど優しくて、自分のことより両親のことを心配してしまう少女ヘイゼルを演じていますが、彼女の魅力は?

ウッドリー:彼女は肺ガンを患っていて、ガンは肺だけではなくて他にも転移してしまっているため、息をすることができないの。酸素タンクに繋がれたカニューレ(排管)を通して息をしていて、どこへ行くにも持ち歩かなければならない。物語が進むにつれ、彼女のサポート・グループに属するオーガスタス・ウォーターズという青年と恋に落ちる。彼との恋愛を通じて、人生において何が大事で、何が取るに足らないものかが見えてくるの。
 ヘイゼルの素晴らしいところは、四六時中、自分の悲運について嘆いたりせず、どんなに嫌でも今を大切にしようという姿勢を持っているところね。ゆくゆく訪れる悲運は残念ながら必ずやってくるものだから……。彼女はいたって普通の女の子で、初恋のこと、ヘアスタイルのこと、口臭のことなど、普通の女の子が気にするようなことが気になったりするの。それに加えて、大学進学や大学の授業のことや、両親との関係についてまで悩んだりもするわ。ヘイゼルはそろそろ思春期を脱する時期なんだけど、両親に対して反抗的だったりして、まだ少し思春期の女の子の影があるわね。

実生活で、アンセル・エルゴートは私にとって姉弟のような存在

──ヘイゼルとガスとの関係についてどう思いますか?

ウッドリー:ヘイゼルは、サポート・グループで初めてガスに会うのだけど、彼女は元々サポート・グループを敬遠していたの。初顔合わせのとき、ガスはグループの会合で立ち上がって、自分の存在の忘却に対する不安を並べ立てる。ヘイゼルにとって忘れ去られることは避けられないことで、誰であってもいつしか消えて忘れ去られてしまうことを受け入れる他ないと考えているのよね。彼女がガスに初めて出会ったときから惹かれたのはきっと、ガスはルックスが良くて、同時にウィットに富んだ性格に魅力を感じたのだと思う。16、17歳ぐらいの知的な女性にとっては、ガスのような男性との出会いはそう多くはないと思うわ。

──ガス役を、『ダイバージェント』でも共演したアンセル・エルゴートが演じていますね。

ウッドリー:アンセルは大好き。『ダイバージェント』でお互いをよく知っていたからラッキーだったわ。だからお互いに自然な化学反応ができたの、本作ではヘイゼルとガスとしてとても自然に居心地よく楽しみながらできたわ。作品中の彼らの関係もとても自然な関係なので、以前から気心知れた仲の人とやれたのは本当にありがたかった。実生活でもアンセルは私にとって姉弟のような存在よ。彼は好奇心旺盛な人で、全てに対してエキサイトするような人なの。物事の大小に関わらず、何かを発見する度に大きな笑顔を浮かべるわ。

──ヘイゼルが憧れている作家を、名優ウィレム・デフォーが演じていますね。

ウッドリー:彼は数日しかセットにいなかったけど、共演できてすごく楽しかった。彼は3日程しかセットにいなくて、最初の共演シーンの前に短い打ち合わせをしただけだったの。本当に短いリハーサルだったわ。ウィレムとの初日はとても強烈なシーンで、私たちを罵倒するようなシーンだった。だから実際にまだよく知らない人でかえってよかったと思う。お互いにまだよく打ち解けていない状態だったから、お互いに本気で言い合うようなシーンが出来上がったの。彼との仕事はとても充実していたわね。もちろん、毎日同じメンバーで居心地よく仕事ができるのも楽しいけど、新たな息吹を持ち込んでくれるような人物がセットに登場することはよかったわ。ウィレムは正真正銘のプロフェッショナルね。彼は5ページに及ぶモノローグのシーンがあったのだけど、一言ももらさず完璧に暗記していたわ。どのテイクも少しスタイルを変えて新鮮さを保っていて、それを見ていてとにかく圧倒されたわ。

──本作は、他のラブストーリーとはちょっと違いますね。

ウッドリー:ええ。非常に強い意志を持ち、賢明な若い2人が多くの人が見落としがちなことに対して同じ気持ちを共有しているのよ。
 見終わったとき、とにかく何か感じるものを残してくれるような後味のいい作品だと思うわ。現代人の多くは自分の奥底に眠る感情について普段は意識することは少ないと思うけど、本作は観る人自身の内面に気付かせてくれるような作品なの。

Shailene Woodley
Shailene Woodley
シャイリーン・ウッドリー

1991年11月15日生まれ。5歳の頃からキャリアをスタート。CMなどを経てテレビ映画『Replacing Dad』(99年)で女優デビュー。テレビドラマ『The O.C.』(03年〜04年)、『アメリカン・ガール/フェリシティの冒険』(05年)などを経て、『アメリカン・ティーンエイジャー 〜エイミーの秘密〜』に主演しブレイク。『ファミリー・ツリー』(11年)でナショナル・ボード・オブ・レビュー助演女優賞を受賞。『ダイバージェント』(14年)で本格的アクションに挑戦し新境地を切り拓いた。

Shailene Woodley
きっと、星のせいじゃない。
2015年2月20日より公開
[監督]ピエール・コフィン、カイル・バルダ
[原作]ジョン・グリーン
[脚本]スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
[出演]シャイリーン・ウッドリー、アンセル・エルゴート、ナット・ウルフ、ローラ・ダーン、ウィレム・デフォー
[原題]THE FAULT IN OUR STARS
[DATA]2014年/126分/20世紀フォックス映画

(C) 2014 TWENTIETH CENTURY FOX