2人が初めて言葉を交わす重要場面の舞台裏が明らかに
香取慎吾が主演を務め、赤楚衛二が共演する『連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」』(WOWOW/全4話)より、香取と赤楚の初共演シーンの撮影レポートに加え、メインキャスト陣のインタビューを収めたSPメイキング映像が解禁された。
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本作は、先日逝去した国民的作家・東野圭吾が2014年に発表し、累計発行部数約76万部を誇るベストセラー小説を原作とする社会派サスペンス。「少年法」の矛盾に鋭く切り込んだ「さまよう刃」から10年を経て、東野が「死刑制度」という普遍的な社会テーマに真正面から挑んだ作品だ。WOWOWと東野のタッグは、2004年の『ドラマW 宿命』から数えて本作で10作目となる。
WOWOW連続ドラマ、そして東野圭吾作品で初主演を務める香取慎吾が演じるのは、11年前に愛する娘を身勝手な犯人に殺され、孤独と虚しさを抱えながら生きる主人公・中原道正。そんな中原と“加害者家族”として対峙するキーパーソン・仁科史也を、本作で香取と初共演を果たす赤楚衛二が演じる。
娘の死から11年後、今度は離婚した妻・小夜子(鈴木杏)が何者かに殺されてしまう。小夜子の不可解な死の真相を追う中原は、彼女を殺した男・町村作造(ピエール瀧)の娘・花恵(蓮佛美沙子)の夫である史也の存在を知り、小夜子の死と何らかの関わりがあるのではないかと疑い始める。
第3話では、義父・町村のことで小夜子の家族に直接会って謝罪したいと史也が申し出たことから、ついに中原と史也が対面。その出会いをきっかけに、史也が隠してきた衝撃的な過去が明らかになっていく。これまで静かに進んできた物語が大きく動き出し、怒涛の展開を迎える。
そんな注目の第3話から、2026年6月に行われた香取と赤楚の初共演シーンの撮影レポートが到着。中原と史也が初めて言葉を交わす、物語の重要な場面の舞台裏が明らかになった。
撮影が行われたのは6月中旬。朝からどんよりとした空模様が続き、最愛の娘を強盗殺人で失い、11年後には元妻・浜岡小夜子(鈴木)まで何者かに殺された中原道正(香取)と、小夜子を殺害した犯人・町村作造(瀧)の義理の息子である仁科史也(赤楚)の心情を映し出すかのような天候となった。この日は、そんな2人が初めて顔を合わせる第3話の重要シーンが撮影された。
最初に現場入りしたのは赤楚。まずは、小夜子の母・里江(原日出子)らが集う「被殺害者遺族の会」の会場を史也が訪れるシーンに臨んだ。加害者側の親族という立場もあり、リハーサル前から赤楚の表情には思い詰めたような感情がにじむ。
カメラ位置が決まると、瀬々敬久監督と廊下を歩く速度や鞄の持ち方など、細部まで確認。中でも会場の扉を開ける場面では、ドアの前で逡巡する様子から、ドアノブに手を置き、意を決して扉を開けるまでのわずか数秒の動きを丁寧に作り込み、テイクを重ねた。史也が抱える緊張や不安、葛藤が伝わるシーンに仕上がっている。
赤楚一人での撮影が終わると、原、弁護士・山部役の田中要次、そして香取らが続々と「被殺害者遺族の会」の会場に姿を見せた。

本作でテーマとなっているのは、“本当の償いとは何か”という問いだ。加害者に代わって謝罪する親族と、それを受けても消えることのない被害者遺族の傷——。刑罰や法律だけでは解決できない、両者が抱える心の痛みを原作者・東野圭吾は繊細に描いている。
そのため、演者たちも現場ではあまり言葉を交わさず、それぞれが役に集中する時間を大切にしていた。香取は自分の席に座り、じっと目を閉じて自身の心と向き合う。一方、赤楚は会場の中を静かに歩き回りながら気持ちを作っていく。それぞれの芝居への向き合い方が垣間見える瞬間だった。
なお、香取と赤楚はこの日が初対面。いきなり重いシーンからの撮影となったが、互いを気遣うような距離感がそのまま芝居にも反映され、カメラが回っていない時間でさえ、まるで中原と史也がその場にいるかのような空気が漂っていた。
終始張り詰めていた現場が和んだのは、昼の休憩時。香取からキャスト・スタッフ全員分の弁当が差し入れられ、午後の撮影を前に一同からお礼の拍手が送られた。香取は照れながら両手を広げて応え、ようやく素の笑みを見せるなど、現場には穏やかな空気が流れた。しかし、それも束の間。ここからは、それまで以上に緊迫したシーンの撮影が続く。
まず撮影されたのは、「遺族会」の後、史也が里江に直接謝罪し、衝動的に“土下座”して周囲を驚かせる場面。その様子を少し離れた場所から、中原が黙って見続けている。香取は自身が映らないアングルの撮影でもその場を離れず、史也の様子をつぶさに見つめる。どこか違和感のある彼の言動をいぶかしんだり、動揺をにじませたりと、セリフのないリアクションだけで中原の心情を表現していった。
本番でOKが出た後も、香取はしばらくその場に立ち尽くしており、役に深く入り込み、高い集中力で撮影に臨んでいることがうかがえた。
続いて撮影されたのは、遺族たちに断罪され、会場から去る史也を中原が走って追う場面。香取は追いかけるタイミングや走るスピードを瀬々監督と確認していく。一挙手一投足が中原の心情につながるため、細かなやり取りを重ねながらシーンを作り上げていった。
そして、ついに2人が初めて言葉を交わす重要なシーンの撮影へ。中原からの“ある追及”を受け、史也の表情に大きな動揺が走る。瀬々監督はここで、中原と史也の距離感について伝える一方、表情など心理面の表現については香取に委ねているようだった。
真実だけを知りたい者と、何かを秘めている者——。2人の会話は淡々と進みながらも、その内側では、静かな炎のような激しい感情がぶつかり合う。
2人だけのやり取りは、台本では2ページにも満たない短いシーン。しかし、並行して描かれてきた複数の物語がやがて交錯していく、その伏線の一つにもなっている。この先に待ち受ける思いもよらない展開を予感させる不穏な空気を、香取と赤楚が見事に体現した、重く深みのあるシーンとなった。
『連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」』はWOWOWにて放送・配信中(全4話)。
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