イラン攻撃に揺れるハリウッド 反戦が主流もイラン系セレブは賛否二極化

#イラン#セレブ#戦争

マーク・ラファロのXより(@MarkRuffalo)
マーク・ラファロのXより(@MarkRuffalo)
マーク・ラファロのXより(@MarkRuffalo)
サム・アスガリのInstagramより(@samasghari)
ゴルシフテ・ファラハニのInstagramより(@golfarahani)

ジェーン・フォンダらが抗議 広がる反戦と人道的訴え

2月28日に始まった米国・イスラエルによるイランへの大規模軍事攻撃は、4月8日から2週間の停戦が発効。16日からイスラエルとレバノン(ヒズボラ)間の10日間停戦が開始され、情勢は一時的な小康状態となっているが、民間人被害や地域全体のインフラ破壊が深刻だ。

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こうした危機的状況に対し、ハリウッドのスターやセレブたちはSNSやインタビューで活発に反応している。全体として反戦・人道的視点が強く、トランプ政権やネタニヤフ首相の行動を非難する声が主流を占める一方で、イラン系(またはペルシャ系)の反応は二極化しており、ハリウッド全体の「反戦一辺倒」に対し、独自の視点を提供している。

彼らは1979年イスラム革命後の抑圧(女性権利弾圧、LGBTQ迫害、処刑など)を直接知る立場から、「政権こそ問題の本質」「民間人を守りつつ体制を変えるべき」と声をあげている。

長期化するガザの紛争とイランへの攻撃の終結を訴えて声をあげたセレブの1人はジェーン・フォンダだ。88歳という高齢ながら、2月28日の攻撃開始直後の緊急デモに参加し、攻撃について国際法違反の「狂気の戦争」と非難し、トランプ政権に「我々の同意を得ているわけではない!」と抗議。かつて反戦運動に従事したベトナム戦争との類似を指摘し、民間人の犠牲を強調し「体制変更を国内から始めましょう」と訴えた。

またハビエル・バルデムは3月に開催された第98回アカデミー賞にプレゼンターを務めた際、「No a la guerra(戦争反対)」とスペイン語で書かれたピンとパレスチナ支援を示すピンを付けて登壇。受賞者の発表前に「戦争反対。そしてパレスチナに自由を」とコメントした。

バルデムやティルダ・スウィントンらとともに、2月開催のベルリン国際映画祭に対して、ガザ問題への沈黙を非難する声明に署名したマーク・ラファロはXでイランへの攻撃について、「「これは私がずっと心配していたことだ。私たちは精神病質者たちがこの戦争を仕掛けているのを見ている」「世界市民として、私たちはこれを止めなければならない」と投稿した。

他に、ロバート・デ・ニーロ、ジョン・キューザックらも反戦を表明している。

2023年10月から続くガザ侵攻は2025年10月の停戦合意後も完全解決に至らず、イスラエル軍の支配地域や人道危機が続いているが、パレスチナ系アメリカ人のモデル、ジジ・ハディッドとベラ・ハディッド姉妹は一貫して声をあげている。

父がパレスチナ人である姉妹は以前からガザ支援に積極的で、2024年以降、総額100万ドルの寄付実績があるジジは「イスラエル政府のパレスチナ人への扱いはユダヤ的ではない」とコメント。

ベラはイラン攻撃直後にもインスタグラムで「私の心はイランの人々、そして政府の決定や軍事エスカレーションの渦中にいるすべての民間人と共にあります」と投稿し、民間人保護を呼びかけた。脅迫を受けながらも沈黙を拒否する姿勢は、ハリウッドにおけるパレスチナ支援の象徴となっている。

反戦が主流のハリウッドにおいて、イラン系セレブは今回の攻撃について支持・歓迎派と慎重・人道的懸念派に分かれた。在米イラン人コミュニティでは、ロサンゼルスなどで攻撃後「ありがとう、トランプ/ビビ(ネタニヤフ首相の愛称)」「イランを再び偉大に(Make Iran Great Again)」と、47年続いた政権からの解放と受けとめる層もあり、ブリトニー・スピアーズの元夫でイラン出身のサム・アスガリはFOXニュースの番組に出演し、「イラン国民とイラン政府には巨大なギャップがあります。イラン国民は、ここに暮らす私たちと同様にアメリカを愛しています」と発言、CNNなどにも出演し、体制変更に希望を寄せている。

サム・アスガリのInstagramより(@samasghari)
サム・アスガリのInstagramより(@samasghari)

『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』やアダム・ドライヴァーの妻を演じた『パターソン』などで知られるイラン出身の俳優ゴルシフテ・ファラハニは居住地であるフランスで、イラン攻撃の2日前(2月26日)に開催されたセザール賞授賞式にプレゼンターを務めた際に「最近、政権は数万人を最も残忍な方法で殺害しました。さらに多くの人々が負傷し、逮捕され、拷問を受けています。これは何年も繰り返されてきたサイクルですが、今回はその数が想像を絶するほどです。国全体が悲しみに暮れています。何千もの罪のない命が奪われました」と言及。

「子どもたち、ティ若者たち、親たち、恋人たち、友だち。彼らが埋葬されるとき、残された人々の心も共に消えていきます。生き残った人々は立ち続けていますが、彼らの心の中の何かも闇に沈んでいくのです。イラン国民は何十年にもわたり自由のために闘ってきました。国際社会からの支援は限られているものの、最終的には勝利を収めるでしょう。自由への希求はすべての人間の心に宿っているから」と語った。

一方で、現地メディアでは外国の介入はイラクやアフガニスタン、リビアのような混沌を引き起こす、と攻撃に対して慎重な姿勢を見せていた。

そして4月にトランプ大統領が「1つの文明が今夜消えるだろう」とコメントした際は、自身のInstagramで「ドナルド・トランプがイランを攻撃するなら、それはイラン国民のためではなく、彼自身の利益のためであることは明白でした。そして今、彼は一つの文明の終焉について語っています。 彼がまだ理解していないのは、我々の古代イラン文明には終わりがないということです」とコメントしている。

ゴルシフテ・ファラハニのInstagramより(@golfarahani)
ゴルシフテ・ファラハニのInstagramより(@golfarahani)

戦争と平和をめぐり、ハリウッドのセレブたちはそれぞれの立場と背景から声をあげ続けている。その声が一枚岩でないことこそ、問題の複雑さを映し出している。