「完全に崩壊する家族を描いた」鬼才監督がヴェネチア国際映画祭で公式会見

左から、でんでん、黒沢あすか、園子温監督、吹越満
(C) Kazuko Wakayam
左から、でんでん、黒沢あすか、園子温監督、吹越満
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左から、でんでん、黒沢あすか、園子温監督、吹越満
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会見中の園子温監督
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会見中のでんでん(左)、黒沢あすか(中央)、吹越満(右)
園子温監督

現在開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品されている『冷たい熱帯魚』の公式会見が現地時間9月8日に行われ、園子温監督とキャストの吹越満、でんでん、黒沢あすか、プロデューサーの千葉善紀が出席した。

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『愛のむきだし』や『紀子の食卓』『自殺サークル』など衝撃的な作品を数多く手がけている鬼才・園監督。その最新作『冷たい熱帯魚』は連続猟奇殺人事件をモチーフにした作品で、会見の前夜には公式上映も行われ6分間に及ぶスタンディングオベーションを受けるなど評判も上々。

会見で衝撃作のテーマについて聞かれた園監督は「ある有名な事件を詳しく調査して、比較的、忠実に再現しながらも、そこに本来の自分のテーマをブレンドしました。実のところ、この映画は基本ファンタジー作品です」と回答。さらに「この作品では『家族』もテーマにしました。通常ですと家族の崩壊→解体→そしてもう一度家族が再生していくという作り方なのですが、今回は完全に崩壊していく家族というものを描きました」とも語っていた。

また、前夜の上映について千葉プロデューサーは「この映画の残虐性からもっと途中退場が多いのかなと思っていましたが、それもほとんど無く、逆に多くの方に笑っていただき、最後には拍手も頂き感謝感激です」と喜びを語った。

主演の吹越は役作りについて聞かれ、「脚本をいただいたときは、(自らの役が)強烈過ぎるので、周りのスタッフはかなり困惑していましたが、自分は直感的にやりたいと思い、お引き受けしました」と告白。さらに「村田役がでんでんさんだと聞いたとき、すごくセンスがいいキャスティングだなと思い、直感が確信に変わり、これは絶対、すごくて面白い作品になると思っていました」と感慨深げだった。

一方、殺人鬼の妻を演じた黒沢は「私の役は極妻の役で、いろいろな男を虜にしていくのですが、実生活では3人の子どもの母親でボディラインもかなりひどいことになっていた」と説明。「ビリーズブートキャンプ」を見ながら体を絞ったそうで、「全身全霊でこの役に挑みました」と断言していた。

オリゾンティ部門は新しい才能を発掘するために設けられた部門で、長編のみならず短編も出品される。また今年から賞が設けられ、本作が栄えある第1回受賞作となるかに期待が高まっている。受賞結果は11日に発表される。

『冷たい熱帯魚』は2011年正月第2弾、テアトル新宿ほかにて全国順次公開される。

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