『ウォーム・ボディーズ』テリーサ・パーマー インタビュー

日本食が大好きなハリウッドの注目女優

#テリーサ・パーマー

母が、シーンを練習するときのパートナーだった

若い世代から圧倒的に支持されて、全米でNo.1ヒットを記録した『ウォーム・ボディーズ』。優しく純粋なゾンビ男子とちょっと気の強い人間の女の子のロマンティックなラブコメディだ。

ゾンビにとっては「食物」である人間と、人間にとっては命を脅かす存在であるゾンビ。出会ってはいけなかった“2人”が繰り広げるゾンビ版「ロミオ&ジュリエット」とも言うべき本作は、禁断の2人のキュートでシュールな恋模様で、見る者の心をキュン!とさせてくれる。

ゾンビに一目惚れされてしまった人間女子・ジュリーを演じたテリーサ・パーマーに本作の見どころについて語ってもらった。

──本作に出演した理由は?

パーマー:脚本がすごく良かったの。コンセプトがとてもユニークで、これまでやったことがないものだったからよ。これまでに作られたことがない作品だったわ。それですぐにエージェントに電話をして、この映画にどうすれば出演できるか聞いたの。そして、長いオーディションが始まったのよ。

──若手女優として多くの作品で活躍しているあなたが、そんなに大変なオーディションを受けたんですか?

パーマー:そうよ。私がジュリーを演じられるって証明しないといけなかったの。ジュリーはストーリーにとってすごく重要だからよ。それから、ジュリーを演じる女優と(主演の)ニコラス・ホルトの相性がいいことを確認したかったんだと思うわ。とにかく私はこのプロジェクトが大好きだったの。ジョナサン・レヴィン監督はすごく才能があるから、本当にこの作品に関わりたかったの。

──オーディションはニコラス・ホルトと一緒だったんですか?

パーマー:ええ。一度、私1人でやったこともあったけど。何度かオーディションがあったのですごく緊張したわ。
 私はこのプロジェクトをとても信じていたし、ジュリーにすごくつながりを感じたの。彼女を演じることができると感じた。だから、私は全力を尽くしたわ。母が、シーンを練習するときのパートナーだったのよ。オーディションに行く前、彼女とリハーサルをしたの。母は、ゾンビのうめき方を完璧にできるようになったわ。とてもスウィートなのよ。

ニコラス・ホルトは目を通して感情を表現することができる
テリーサ・パーマー

──ジュリーのキャラクターについて教えてください。

パーマー:性格からいうと、ジュリーと私はとてもよく似ているの。彼女は元気いっぱいで、威勢がいいの。かなりアクティブな役どころだから、私はたくさん肉体的なトレーニングをしないといけなかった。彼女はちょっとした戦士なの。彼女は、幼い頃から戦いの世界に放り込まれたのよ。だから、こういう陰惨で悲惨な生活しか知らなくて、立ち上がってゾンビと闘わないといけないの。それで、スタントのトレーニングとか、どのように銃を撃つべきかとか、たくさんトレーニングをしたわ。とてもエキサイティングだった。映画のなかでショットガンを撃たないといけなかったから。射撃場に行って、ショットガンを撃ってみたりしたのよ。とても楽しくてわくわくしたわ。女優として、そういう技術を学ぶことができて、仕事に使えるなんて素晴らしいわ。毎回、すべての仕事は違うものなの。いろんな仕事で新しい技術を身につけることができるのって、本当に素敵だわ。

──撮影はどれくらいの期間だったんですか?

パーマー:モントリオールで3ヵ月撮影したわ。とても寒かったわ。私はオーストラリア出身だから、そんなに寒い気候のところには慣れていないの(笑)。でも、とても楽しかった。食べ物が美味しいし、言葉は美しいしね。あの街にはとても素敵な文化があるのよ。

テリーサ・パーマー

──今、最も注目を集めている若手俳優であるニコラス・ホルトと共演した感想は?

パーマー:ニックと私の間には絶対に良い相性がないといけなかったの。なぜなら、ストーリーの要は2人の関係で、そこには強い絆があるからよ。ニックと良い相性を持つのはとても簡単だったわ。彼は本当に素晴らしい人なの。もちろん、ルックスもそうだけど、内面的にもね。彼はとても親切で謙虚な人で、とても優しいのよ。そして素晴らしいユーモアのセンスがあるの。それから、彼はとても才能ある役者だから、目を通して感情を表現することができるの。

日本料理は私の1番のお気に入り
来日イベントの模様

──あなたのお気に入りのゾンビ映画は?

パーマー:『ゾンビランド』(09年)が大好き。『ウォーム・ボディーズ』のように、『ゾンビランド』はある意味、そんなに自分たちをシリアスにとらえていない部分があるの。とても楽しい映画で、ローラーコースターみたいなのよ。映画には素晴らしいキャラクターが出てくるし、ゾンビの恐さや暴力だけが描かれているんじゃないの。それから1番好きなのは、ダニー・ボイルの『28日後…』(02年)よ。すごく美しい映画なの。映像がすごいし、おそろしいほどリアルに感じるわ。あの映画を見ていると、ダニー・ボイルがどれほど才能あるフィルムメーカーかということがよくわかるわ。

──清水崇監督の『呪怨 パンデミック』(06年)にも出演されていますが、日本についての印象は?

パーマー:私は日本が大好きよ。「すきやばし次郎」(銀座にある寿司屋)に行ったの。母と行ったんだけど、彼女はどうやってお箸を使っていいか知らなくて、二郎さんの目の前で、トロを床に落っことしちゃったのよ。 トロ一貫で100ドルくらいはするわよね(笑)。日本料理は私の1番のお気に入りなの。お刺身も大好き!

来日イベントの模様
テリーサ・パーマー(中央)

──どんなお刺身が好きなんですか?

パーマー:トロね。ウナギも好き。ハマチ、マグロ……なんでも好きだけど、ウニは苦手。

──この映画にはロマンティックな要素があり、とてもファニーです。観客にはどんなところを楽しんでもらいたいですか?

パーマー:きっとみんな、この映画がすごく楽しくて驚くことになると思うわ。なぜなら、すごくたくさんいろんな要素が詰まっているから、幅広い観客に楽しんでもらえると思うの。私のように、ロマンティックな映画が大好きな人たちにはロマンスがあるし、素晴らしいアクションもあるし、コメディもある。誰もが楽しめるはずよ。そしてとてもエキサイティングなの。観客は「(この先)どうなるんだろう」ってずっと考えることになるんだけど、それは新鮮よ。これまでにこういう映画は作られたことがないわ。だから、観客にとってとても興味深い経験になると思うわ。

テリーサ・パーマー
テリーサ・パーマー
Teresa Palmer

1986年2月26日生まれ、オーストラリアのアデレード出身。高校卒業後に『明日、君がいない』(07年)で映画デビュー。カンヌ国際映画祭で高い評価を得た。06年に『呪怨 パンデミック』でハリウッドデビュー。主な出演作は『ベッドタイム・ストーリー』(08年)、『魔法使いの弟子』(10年)、『アイ・アム・ナンバー4』(11年)など。

テリーサ・パーマー
ウォーム・ボディーズ
2013年9月21日より公開
[監督・脚本]ジョナサン・レヴィン
[原作]アイザック・マリオン
[出演]ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、ジョン・マルコヴィッチ
[原題]WARM BODIES
[DATA]2012年/アスミック・エース

(C) 2013 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved