二宮和也が語った映画界への願いとは? 玉森裕太、水原希子らも参加した華やかな交流イベント
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ケリング主催イベントに映画界の多彩な顔ぶれが集結
ケリング「ウーマン・イン・モーション」トークが10月27日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催され、エイミー・ホンマ、二宮和也、村田千恵子が登壇した。また、同日夜には「ウーマン・イン・モーション」ディナーも都内で開催され、玉森裕太、水原希子、三吉彩花、磯村勇斗、木村多江ら豪華な顔ぶれが出席。世代や職種を超えた映画関係者が一堂に会し、交流を深めた。
・玉森裕太、水原希子、磯村勇斗、UTAら「ウーマン・イン・モーション」ディナー参加者の写真を見る
・高畑充希、中島健人、二宮和也、玄理ら参加 映画人が集う「ウーマン・イン・モーション」10周年ディナー

トークセッションに先立ち、本プログラムの意義に賛同する是枝裕和監督が、昨年に引き続きオープニングスピーチに登壇した。
「この数年だと思いますが、“日本映画って面白いよね”という声を、海外の映画祭や、自分の映画のキャンペーンでよく耳にするようになりました」と、日本映画に対する海外の関心の高まりを実感しているという是枝監督。
「濱口(竜介)監督や深田(晃司)監督のような、30~40代の若い監督たちが自分の作品を(映画祭へ)持っていく。その積み重ねにより、日本映画に対する注目度が上がっている気がします」と分析し、「どういう風に継続して次世代に渡して広げていくかというのかが、僕ら世代にとっても課題ですし、映画ファンの方々にとっても大事なことだと思います」とコメント。
さらに、近年のアートハウスやミニシアターの減少にも触れ、「作り手にとっては危機感も感じているので、どういうふうに映画文化を守っていくべきかについても考える必要があると思っています」と語った。
会場が盛大な拍手に包まれる中、トークセッションがスタート。実写邦画歴代興行収入1位の歴史的ヒットを記録した『国宝』(25年)の企画・プロデュースを手がけた映画プロデューサーの村田千恵子、国内外で高い評価を得る歌手・俳優の二宮和也、そしてアカデミー・ミュージアム・オブ・モーション・ピクチャーズ(Academy Museum of Motion Pictures、以下「アカデミー・ミュージアム」)の館長兼プレジデントで、アカデミー・コレクション統括責任者を務めるエイミー・ホンマが登壇した。
歴史的ヒット作『国宝』の企画・プロデュースを手がけ、制作会社ミリアゴンスタジオの執行役員も務める村田。男性社会といわれてきた映画界で、数少ない女性リーダーの一人として活躍する村田は、「ケリングさんの『ウーマン・イン・モーション』をカンヌ映画祭でも実施されているのを拝見して、私も色々教えていただきたいなと思い、参加させていただきました」と、トークセッションへの意欲を見せた。

続いて挨拶したのは、歌手としてはもちろん、映画『硫黄島からの手紙』(07年)から『8番出口』(25年)まで、俳優としても目覚ましい活躍を続ける二宮。映画界における女性の活躍を支えるため、二宮は「(作品に)出演している側としての視点からもお話しできればと思います」と挨拶し、笑顔を見せた。
ホンマは、映画と観客が出会う場であり、映画人同士の交流の場でもあるアカデミー・ミュージアムを紹介。同館は、世界最大級の映画ミュージアムとして2021年にロサンゼルスに開館。展示や上映、教育プログラムを通して映画の歴史や作り手の仕事に触れることができるほか、各種イベントを通じて世界の映画人たちの交流の場としても存在感を発揮している。
話題は「世界から見た日本映画と日本らしさ」へ。昨年、『国宝』がカンヌ国際映画祭の「監督週間」でワールドプレミア上映され、アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表にも選出されたことを受け、ロサンゼルスをはじめ各地でプロモーション活動を行う中で、どのように“日本らしさ”を届けようとしたのか、村田に質問が投げかけられた。
村田は「是枝さんがスピーチで仰っていたように、日本映画に対する期待感、去年はすごく感じました。二宮さんがご出演された『8番出口』もカンヌ映画祭も大きな話題になっていましたし、みなさん日本映画を見てくださっているなと」と回顧。
“日本らしさ”については、「(『国宝』で)アカデミーキャンペーンをさせていただいている時に、アカデミー会員の方たちに見てもらい、フィードバックをもらうと、職人技術の高さをすごく評価していただいたんですね」と振り返り、「(アカデミー賞では)メイクアップ&ヘアスタイリング部門でノミネートしていただきましたが、衣装や美術、俳優部門など、同業者の方に技術の高さを評価していただけて、それが日本らしさにつながるのかなと。緻密なものを作る、手先が器用みたいなところなのかなと思っています」と分析した。

この発言に、ホンマは「全く同感ですね」とうなずきながら、「職人技を含め、そういったものを通して日本の芸術から感銘を受けていましたので、歌舞伎もそうですが、ヘアメイクの技術など、『国宝』を通してすごく日本の伝統を感じることができました」と熱弁した。
『国宝』について、二宮も「俳優側はもちろんみんな(『国宝』を)見ていましたし、あれだけ作品に参加したかったと思える作品は久しぶりだったんじゃないかな」と、俳優の視点から当時の心境を明かした。
一方、二宮はクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』(06年)でベルリン国際映画祭に参加。昨年は『8番出口』でカンヌ国際映画祭への参加も果たした。二宮は「(『8番出口』を見た現地の映画ファンからは)本当にありがたいな、と思う反応をいただきました。カンヌ映画祭は、映画が大好きな人たちが集まる映画祭の一つですし、作品がその人の肌に合わないと途中退席も多々あると事前に聞いていたので」としみじみ語り、「映画に賛同していただけたというか、面白いと思ってもらえる方に最後まで見ていただけたのは嬉しいことだと思います。日本から(映画祭に)来ている俳優さんたちにも“良かった”と言っていただけて、ホッとしました」と笑顔を見せた。
『8番出口』は日本やアジア、北米でも興行的な成功を収めたが、二宮は20年前に映画祭へ参加した経験と比較しながら、「是枝さんも仰っていましたが、日本映画が注目されている感じはあります」と変化を明かした。さらに、「『浅田家!』(20年)という映画に出演した際、『浅田家!』がフランスの方にたくさん見ていただいたという話は聞いていたものの、実際に体感はなくて。(映画祭の)現場で“面白かったね”という言葉をいただいた時に、“あの話は本当だったんだ”と初めて感じました」と、自身の肌で感じたエピソードを披露。また、“日本映画らしさ”や“日本らしさ”について問われると、「日本らしさというのは、ミニマムな空間や展開がすごく得意なところなのかな、と思っています。抽象的な表現の手数が多い国なのかなと」と、日本映画の魅力を語った。
続いて、話題は作品づくりのプロセスへ。企画・製作のどの段階から海外の観客を意識しているのかという問いに、「考えますね」と即答したのは村田。特に映画製作の際に意識することが多いという村田は、「最近は配信ドラマも同時期に海外で見られることがあるので、考えています」と説明。「アメリカ人は、アメリカ人のために映画を作っていないんです。世界中で見られることがデフォルト」と語り、「映画は後に形となって残るもの。50年後の日本人が面白いと思えるものを作らなきゃいけないというマインドがあるので、海外の方のことを想像することは難しいのですが、“これはわからないかな”と感じるものは省くようにしています」と、作品づくりの舞台裏を明かした。
さらに、当事者ではない人が当事者に寄り添い、支援する「アライシップ」についても話題が及んだ。「ウーマン・イン・モーション」のトークセッションでは、アライシップの観点も踏まえ、3年連続で男性ゲストが登壇している。

女性がより力を発揮できる環境づくりについて質問が投げかけられると、二宮は「とにかく、女性の方々のコミュニケーション能力が高いなと。この業界だからというより、生きている生活圏内の中でもすごく感じます」と振り返り、「人と向き合うことが男性はそんなに得意ではないと思うので、女性の方々がコミュニケーションの場で引っ張ってくれるのはすごくありがたいです。 安心して働ける環境が作られているなと実感します」と、女性たちが活躍することの意義を強調した。
二宮と村田の言葉に続き、ミュージアムを率いる立場にあるホンマも、「私自身、いろんな決断をする立場として、皆を率いる立場として、力を持たせていただいているわけですから、思いを分かち合いたいですし、他の女性たちのことにも目を配りながら仕事をしていきたいと思っています」と、女性たちが誰もが力を発揮できる環境づくりへの意欲を示した。
作品づくりや異文化との出会い、互いに与える影響や女性たちの働き方など、多岐にわたる話が飛び交う中、トークはアジア映画の話題へ。ホンマは『パラサイト 半地下の家族』(19年)を挙げながら、「(『パラサイト』をきっかけに)アメリカでは字幕で作品を見ることが慣れてきた、という効果もありました。さらにコロナ禍を経て、自宅で多様な作品を見るという習慣もついたと思います」と変化を明かした。
さらに、「アカデミー・ミュージアムでは50~60年前の作品の上映も行っています。黒澤明監督の特集もしましたが、なるべくフィルムで上映したいと考えているので、10本ほどフィルムもお借りしました。上映の何時間も前から並んでいるお客さんもいたほどで、若い観客にとっては素晴らしい体験になったと思います」とコメントし、国籍や時代を超えて名作を次世代へとつないでいく取り組みを紹介した。この話に、二宮も「性別や年齢、生きている時間や職種も違う中で、映画という共通言語の中で通じ合えるのは、エンタメ以外で考えにくいものだと思いますし、劇場体験をするというのは重要ですよね」と共感を示した。
本イベントでは、ホンマが“女性”をテーマに、自身に影響を与えた映画6作品をセレクト。その中から、トークセッション後にはルル・ワン監督がメガホンをとった『フェアウェル』(19年)が上映された。
『フェアウェル』について、「この作品が大好きです」と作品への愛情をにじませるホンマは、「自分が大人になる中で、家族とのつながりがどれほど大事なことか、それを教えてくれる作品で、非常に胸に響きました。(ルル・ワン監督は)とても才能のある監督だと思いますが、アジア系アメリカ人のストーリーテラーとして独特の観点で物語を紡いでいます」と語り、これから作品を鑑賞する観客に向けてその魅力をアピールした。

最後のトークテーマは“次世代と日本映画の未来”。まず、映画文化を次世代へと継承し、未来の創作へどのようにつなげていきたいかという質問がホンマに投げかけられた。
ホンマは「アカデミー・ミュージアムでは、映画の裏側をお見せすることができます。映画を見るだけでは普通の映画体験にすぎませんが、その舞台裏ではどのような方達が映画に貢献したのか、そのストーリーを見ることができます。それが、未来の作り手たちのインビテーションになっているのではないかと考えています」と語り、ミュージアムの存在が次世代の作り手たちの創作意欲を刺激するきっかけになると期待を寄せた。
そして、日本の映画業界で活躍する村田と二宮には、10年後の日本映画界で一つだけ変わってほしいことについて質問が投げかけられた。
村田は「子育てをしながら働いている女性の方の中には、子どもが熱を出して仕事を休まなければならないような場面に直面することもあると思います。そういった時に、産休や育休だけではない、もう少しゆとりを持って働けるような制度や環境が整ったらいいなと」と語り、未来への期待を込めた。
一方、二宮は「いろんな角度から、さまざまな意見をいただく時代になってきていると思いますが、その分、面白いと思える作品を作ることが難しい時代になってしまうのは、良くないとも思います」と複雑な胸の内を吐露。
さらに、「とにかく、良い作品で良いお芝居をして、“あの作品を見て映画業界に入りたいと思ったんです”と言ってもらえるような環境を作っていきたいなと思います」と語り、決意をにじませた。
世界的な注目を集める日本映画の現在地と未来、そして映画文化を支える多様性や創造性について、それぞれの視点から考えや思いが語られた本イベント。会場からは盛大な拍手が湧き起こり、大盛況のうちに幕を閉じた。
同日夜には、都内で「ウーマン・イン・モーション」ディナーも開催された。トーク登壇者に加え、映画監督の是枝裕和、石川慶、永田琴、呉美保、奥山由之、天野千尋、奥山大史、山中瑤子、団塚唯我、枝優花、寺田ともか、プロデューサーの福間美由紀、岡野真紀子、脚本家の奥寺佐渡子、俳優の木村多江、霧島れいか、板谷由夏、磯村勇斗、竜星涼、アーティスト・俳優の玉森裕太、女優・アーティスト・クリエイティブディレクターの水原希子、俳優・モデルの三吉彩花、UTA、吉田美月喜、クリエイター・俳優のkemio、文筆家・無言館共同館主の内田也哉子、アーティストの小川紗良、歌舞伎俳優の片岡千之助らが出席。世代や職種を超えた映画関係者が一堂に会し、交流を深めた。
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