行きずりの関係と我が子への愛…熟年女性の揺れ動く思いとは? 大人の女性を唸らせる名作に絶賛コメント
#ヴェロニク・メルムー#ジャンヌ・バリバール#トマス・サーバッハー#ピエール=アントワーヌ・デュベ#マキシム・ラッパズ#坂井真紀#小池真理子#山逢いのホテルで#映画#桜木紫乃
心の結び目がほどけていく…切なさが胸を打つラブストーリー
フランスの名優ジャンヌ・バリバールが主演する大人のラブストーリー『山逢いのホテルで』。本作の日本劇場公開を記念し、小池真理子(作家)、桜木紫乃(小説家)、坂井真紀(俳優)、西田尚美(俳優)ほか10名の絶賛のコメントが到着。あわせて、タイアップと入場者プレゼントが発表された。
・障害児を育てる母、その場限りのアバンチュールで孤独を癒やす彼女が選んだ道とは
本作は、2023年の第76回カンヌ国際映画祭ACID部門のオープニングを飾り、その後も各国の映画祭で評価を得た大人のラブストーリー。スイスの壮大な山々と湖畔に囲まれた、世界最大級のグランド・ディクサンス・ダムの麓に実在するホテルを舞台に、息子への献身的な愛と現実逃避の夢の間で揺れる女性を描き出す。
スイスアルプスをのぞむ小さな町で、障がいのある息子をひとり育てる仕立て屋のクローディーヌ。毎週火曜日、彼女は山間のリゾートホテルで一人旅の男性客を選んでは、その場限りのアヴァンチュールを楽しむ、もう一つの顔を持っている。そんな中現れたある男性との出逢いが、彼女の日常を大きく揺さぶることになる。もう恋を追いかけることなど想像もしなかったクローディーヌは、再び女として目覚めようとしていた…。
主演は、マチュー・アマルリック監督『バルバラ セーヌの黒いバラ』(17年)でセザール賞主演女優賞に輝き、現在大ヒット上映中のアンヌ・フォンテーヌ監督『ボレロ 永遠の旋律』(24年)では圧巻のダンスを披露した、フランスの名優ジャンヌ・バリバール。熟年を迎えた女性の孤独から、息子に無償の愛を捧げる母としての優しさ、情熱的な恋に落ちる女性の可憐さまでを見事に表現する。
監督・脚本を手掛けたのは、ファッションデザイナーとして活躍したのちに本作で長編監督デビューを果たした、スイスの新鋭マキシム・ラッパズ。撮影監督は『その手に触れるまで』(19年)『トリとロキタ』(22年)などダルデンヌ兄弟の作品で知られるブノワ・デルヴォーが務めた。
今回、本作の日本劇場公開を記念し、各界著名人によるコメントが到着した。代表作「恋」で3人の男女が織りなす愛と憎しみを描いた作家の小池真理子は、「熟年の彼女が抱えているものは重たく、過ぎてきた人生の哀しみは深まるばかり。そんな中、ふと予期せぬ扉が開かれる。生き直せるかもしれない、と思う。フランス映画ならではのクールな描写に痺れる」と称賛。
「ホテルローヤル」で湿原に絶つラブホテルに訪れる人々の生と性をみずみずしいタッチで描いた桜木紫乃は、「クローディーヌの恋は、献身的な母親の役を降りるために用意された、美しい罠じゃなかったろうか。ラストシーンの慟哭で、この物語は自分の身に起こったことではと錯覚した。あの日あったかもしれない恋を思った」とコメント。
現在放送中の『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』など様々な作品で母親役を演じ、フランス映画にも造詣が深い坂井真紀は、「ジャンヌ・バリバールの表現の一つ一つが驚異的。研ぎ澄まされた愛の物語に心の奥をぐちゃぐちゃに掻き乱された。放心状態。目を閉じて、この物語の続きをかみしめた。この結末に希望を見い出した時、また涙が止まらなかった」と余韻を語った。
同じく『海のはじまり』などの母親役が記憶に新しい西田尚美からは、「あぁ私、この映画が見たかった! クローディーヌが山へ向かうときの美しさにときめき、山を降りたときのリアルな姿に目が離せない。ラストシーンに狂おしいほど胸が締め付けられる」と想いを寄せた。
また、本作と本作の舞台であるスイスのナチュラルコスメ/ウェルネスブランドナリンとのスペシャルコラボレーションが決定した。劇中で印象的に描かれる山の上のホテルへの逃避行にインスパイアされた、旅にピッタリサイズのアイテムと、本作のシーンを切り取ったオリジナルポーチ、オリジナルポストカードが入ったスペシャルトラベルキット。映画の公開に先行してナリン公式サイトで販売中だ(https://www.nahrin.jp/shop/products/NA-yamaai)。11月29日以降は、一部上映劇場にて販売される。
さらに、本作を映画館で鑑賞した方に先着で、ポスタービジュアルのオリジナルポストカードの配布も決定した。シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺、テアトル梅田、アップリンク京都、シネ・リーブル神戸の5劇場では、ポストカードに加えて、ナリンのバスエッセンス エキナセア サシェもプレゼントされる。
■小池真理子(作家)
熟年の彼女が抱えているものは重たく、過ぎてきた人生の哀しみは深まるばかり。そんな中、ふと予期せぬ扉が開かれる。生き直せるかもしれない、と思う。フランス映画ならではのクールな描写に痺れる。
■鴻巣友季子(翻訳家・文芸評論家)
はじめはクローディーヌの孤独や心の虚ろさを寡黙に描きだし、運命の出会いの後はそこに葛藤や焦心が滲みだす。たゆたい、決意、さらにためらい、翻意……。彼女の中には寄せ返す波のような時間が流れているのだろう。行間を読む映画だ。
■坂井真紀(俳優)
ジャンヌ・バリバールの表現の一つ一つが驚異的。研ぎ澄まされた愛の物語に心の奥をぐちゃぐちゃに掻き乱された。放心状態。目を閉じて、この物語の続きをかみしめた。この結末に希望を見い出した時、また涙が止まらなかった。
■桜木紫乃(小説家)
クローディーヌの恋は、献身的な母親の役を降りるために用意された、美しい罠じゃなかったろうか。ラストシーンの慟哭で、この物語は自分の身に起こったことではと錯覚した。あの日あったかもしれない恋を思った。
■田中史織(laceflowersocks)
いくつになっても自分の人生であり、自分の想いがある。その想いが、思い通りにいかないときもある。自分の大切な人と過ごせる時間を、大切にしたいと思った。
■中田クルミ(俳優)
大人になってから人生を変えるのは、本当に難しい。
一人のなかに存在する、母として生きる自分と、女として生きる自分。揺れ動くという表現より、引き裂かれそうになる感情と孤独な葛藤が、現実に目を向け誠実に描かれています。スイスアルプスの壮観な景色と、巨大で無機質なダムとの対比。クローディーヌが情事の中で殺していた声と、ラストの心からの叫び。対比される大きな感情は、誰もが心の中に持っているはずだ。
■西田尚美(俳優)
あぁ私、この映画が見たかった! クローディーヌが山へ向かうときの美しさにときめき、山を降りたときのリアルな姿に目が離せない。ラストシーンに狂おしいほど胸が締め付けられる。
■萩原雅紀(ダムライター/インフラ見学系YouTuber)
舞台は欧州最大のダムと、そのダムの建設時に作業員の宿舎だった建物を改装したホテルだ。私も訪れたことがあるが、圧倒的な存在感の巨大建造物を前にすると、すべてを忘れ、理性が解き放たれるのを感じた。きっと彼女がこの場所を選んだ理由も同じなのだと思う。
■深井晃子(服飾研究家)
行きずりのセックス、我が子への無償の愛、ようやく出逢った恋人との別れ、自立。クローディーヌの行動は不可解だ。背景の切ないまでに美しい山間の村と人工のダム。人間の根源的な欲求と作り出された窮屈な社会の狭間で、彼女は「私を放っておいてLaissez-moi」と、自分の道へと歩き出す。心に居座りつづける映画だ。
■宮代大嗣(映画批評)
圧倒的なジャンヌ・バリバール! 演技のニュアンスの豊かさに瞳が吸い込まれる。誘惑と哀傷、情熱と挑発。ジャンヌ・バリバールが衣装を着替えるたびに、私たちは新しいヒロインを発見する。
『山逢いのホテルで』は11月29日より全国順次公開。
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