コロナ禍で制作増加する「リモートドラマ」課題と可能性を探る

#大泉洋

リモートドラマ『2020年 5月の夜』の模様
画像はWOWOW公式YouTubeチャンネルより
リモートドラマ『2020年 5月の夜』の模様
画像はWOWOW公式YouTubeチャンネルより

新型コロナウイルス(以下、コロナ)の流行に伴い、ドラマの制作中止や映画の公開延期が相次いでいる。そうした最中、人同士の接触を極力避けた「リモードドラマ」の制作が増えつつある。

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にわかに脚光を浴びているリモートドラマ。5月28日には、吉田羊と大泉洋によるリモートドラマ『2020年 5月の夜』(第一夜)が、WOWOWの公式YouTubeチャンネルで公開された。独身のバツイチ女性のユキコ、同じく独身バツイチ男性のモトオの軽妙なやり取りが描かれる。「素敵な小品」「いきなり泣いちゃいました」と本作を見た視聴者の評価も上々だ。

他方、船越英一郎と藤田朋子、石井正則と馬渕英里何、木村了と佐津川愛美など様々な俳優・女優の組み合わせによるリモートドラマ『ただいまオンライン喧嘩中』もYouTubeで公開されている。石井と馬渕の回では、ネット上で映像共有ツールを使って会話する2人が、家事分担表のデータを共有して(視聴者にもこの表を見せて)、ストーリーを展開する。

船越は撮影後に「初挑戦のリモートドラマ、無事、何とかですけども、完走することができました。このような時期だからこそ、僕たちも経験することができた新しいドラマの形なのだと思います」とコメント。馬渕は「こういう環境で、まさかドラマを撮影する、お芝居を撮影するっていうことが実現できるとは、ちょっと前だったら思わなかったなと思います」とリモート撮影の苦労を語った。

現段階では、複数のカメラを使って演者を多角的に撮影する努力を行っている。それでもなお、室内かつ少数のスタッフで制作するという面から、演者の身体的動き(移動・アクションなど)が制限され、会話劇になりがちだ。舞台が変わらないという点も含め、演劇的な印象がやや強い。

とはいえ、工夫次第で面白い作品が生まれる可能性も秘めている。かつて話題を呼んだホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99年)も、自撮りを活用した当時画期的なカメラワークで世界的ヒットを生み出した。

コロナ禍で生まれたリモートドラマ。制限を逆手に取った話題作が生まれるのか、はたまた期間限定の制作手法に終わるのか。今後の動きに注目だ。

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