ミッキー・ローク&キム・ベイシンガーの魅力が全開『ナインハーフ』
時代を経てなお語り継がれる「あのエロい映画」。一体何がそんなにすごいのか。一体どのくらいエロイのか。女性目線で紐解いてみるのも一興だろう。今回取り上げるのは、「官能的なシーンが印象的な映画」といったランキングの常連ともいえる大ヒット作『ナインハーフ』だ。
・取調室でのスカートの奥に目が釘付け! 激しい騎乗位も必見の伝説的スリラーがエロすぎる
この映画が公開されたのは1986年4月。公開から40年近く経って改めてこの作品を見直してみると、ともかくミッキー・ロークのエロさに驚愕する。「色気がダダ洩れ」という陳腐な常套句があるが、まさにそこにいるだけで色気の垂れ流し状態だ。もちろん、アンニュイなまなざしと肉感的な唇が魅力のキム・ベイシンガーの色気もなかなかのものだが、やはりここはミッキー・ロークに軍配が上がるだろう。この作品のエロさには、主演の2人の天性のキャラクターが大きく寄与しているのは間違いない。作中の2人があまりに魅力的であるがゆえに、いまや整形によって別人のようになってしまった2人の姿を思い浮かべると少々複雑な気分になる。もっともミッキー・ロークの場合、若さへの執着心ではなくボクシングの怪我が整形の理由ではあるが。
目隠しで想像力をMAXまで高める官能的な遊戯も
『ナインハーフ』が興味深いのは、セックスという行為そのものではなくそれ以外のシーンのエロさが際立っている点だろう。ミッキー・ローク演じるジョンには、目隠しや指図で女性の視覚を奪うことを好む性癖がある。
情事の後、ジョンが上半身裸でキッチンに立って料理をしていると、そこにキム・ベイシンガー演じるエリザベスがバスローブ姿で現れる。愛し合った直後の2人が交わす視線は、どこまでも甘くやさしい。が、次の瞬間、ジョンはエリザベスに床に座って目を閉じるよう命じる。卵を割る音、缶詰を開ける音…視覚を奪われたエリザベスはジョンの立てる物音に耳を澄ませ、あれこれ想像を巡らせる。「私のためにどんな美味しい食事を作ってくれるのかしら?」とばかりに幸せいっぱいの表情を浮かべている。
そんな視覚ゼロのエリザベスに供されたのは、床に座った状態で目を開けることを禁じられたままでの食事だった。ジョンはまるで親鳥が雛に餌を与えるように、次々とエリザベスの口に食べ物を運びこんでいく。まずオリーブが運ばれ、シロップ漬けのチェリーが運ばれ、トマト、イチゴ、真っ赤な咳止めシロップ、ぷるぷるのゼリーなどが次々と「給餌」されていく。じらすように食べ物で唇をなぞるジョン。舌でいやらしく食べ物を絡め取るエリザベス。時には真っ赤なシロップや牛乳が口の外にこぼれて、顔がベチャベチャになる。口元に寄ったカメラが映し出すそれらの光景は、どれも性的行為を連想させてなんともエロい。一体この悪趣味な遊技はいつまで続くのか。炭酸水で全身がびしょ濡れになり、突き出した舌の上には延々とハチミツが垂らされる。ハチミツまみれになった太ももをジョンが撫でまわしたかと思うと、興奮が絶頂に達した2人はむさぼるようにキスを始めるのだった。
どんなプレイよりもエロいのは…
エリザベスは当初からジョンにベタ惚れで、気付いたら「言われるがまま」「されるがまま」に飼いならされてしまっていた。
出会った瞬間からジョンのフェロモンに一撃でやられてしまったのである。思えば最初のベッドインから目隠しプレイだった。目隠しされてベッドに横たわり、氷で乳首や腹や下着のラインをチロチロといやらしくなぞられて興奮してしまった時点で、ジョンの手中に落ちたのだ。
後半には土砂降りの中路地裏で激しく絡み合うセックスシーンもあるのだが、かなり過激なシーンであるにもかかわらず氷や食べ物を使ったプレイの方が数段エロく感じるのはなぜだろうか。それでもやはり、この映画で一番エロいのはなんといってもミッキー・ロークその人である。(文:春蘭/ライター)
・大人の色気あふれるミッキーとキム! その他の場面写真はこちら
『ナインハーフ』
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