『ヴィレッジ』

かやぶき民家が現存する京都「美山かやぶきの里」他で1ヵ月のオールロケを敢行

横浜流星主演、藤井道人が監督を務め、スターサンズの河村光庸プロデュースで贈る映画『ヴィレッジ』。本作より、撮影秘話とメイキング写真を紹介する。

・横浜流星が映画『ヴィレッジ』に注いだ熱き思い「挑戦的で今までみたことのない作品」

本作は、“村”という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出す異色のサスペンス・エンタテインメント。

大ヒット作『余命10年』(22年)など多くの話題作を手掛ける藤井道人監督と、日本映画の変革者として絶えず注目作を世に贈り出してきた故・河村光庸プロデューサーの遺志と遺伝子を受け継いだスタジオ・スターサンズの制作チームが結集。人々のリアルに迫る、いま語るべき私たちの物語を作り上げる。主人公・優を演じるのは、人気・実力を兼ね備えた俳優・横浜流星。

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主演の横浜をはじめ、黒木華、中村獅童、古田新太ら豪華俳優陣が結集した本作の撮影は、なんと1ヵ月にも及ぶ京都でのオールロケ。幻想的な夜霧が漂い伝統的な薪能が受け継がれる霞門村の舞台となったのは、京都府にある「美山かやぶきの里」だ。美しい自然の中に数多くのかやぶき民家が現存しており、季節によっては実際に薪能のイベントも開かれるという、まさに本作にうってつけのロケ地となった。

本作にとって欠かせない、重要な役割を担ったこの「美山かやぶきの里」は、実際に観光地として人気があり、かやぶき屋根の民家に宿泊することもできるそう。その他にも、ポスターに映し出されている能舞台はロケ地の一つである兵庫県の平之荘神社の野外能楽堂と、2022年の4月〜5月の約1ヶ月間、京都を中心に撮影を行っている。

横浜は、脚本づくりはもちろん、京都でのロケハンにも同行するなど、本作に深くコミットした。「藤井監督は脚本の執筆中から何度も僕に感想を求めて意見を反映してくれました。その脚本が完成したとき『優は藤井道人と横浜流星の分身にしたい』と言ってくれたんです。優の誕生日も僕自身のもの(9月16日)だし、幼少期に空手を習っていたり、好きなアーティストがamazarashiという設定も僕と同じ。自分の要素が濃く入っていたからこそ優として生きやすかったし、もし自分が優みたいな状況になったら、同じ行動をとるだろうなと感じられました」と想いを明かす。

また、劇中の優の髪型は、藤井監督のヘアスタイルを真似てはどうかと横浜自身が提案したもの。「僕も優の中に藤井監督のイメージを感じていたので、それが似合うかなと思ったんです。実際にやってみたらちょっとお洒落すぎたので(笑)、襟足を伸ばしたりして、村でくすぶっている青年らしくもさっとした雰囲気に仕上げていきました」と語っている。

藤井監督も「優という人物には流星自身が俳優として感じている迷いや怖れも反映されています。今は祭り上げるだけ祭り上げられて、何か一つ間違えると、積み上げてきたものが一発で崩れてしまう時代。僕も『新聞記者』(19年)以降、個人的には変わっていないのに、周りがどんどん変わっていく恐怖があった。僕らの抱くそうした負荷をいかに負わせるか、僕と流星がたくさん時間をかけて話し合った結果、優が生まれたと思います」と解説する。

『ヴィレッジ』は4月21日より全国公開。

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