レオス・カラックス監督「桜の季節に来るのは初めて」9年ぶり来日を堪能

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レオス・カラックス
9年ぶりに来日したレオス・カラックス監督
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4月1日、都内で実施されたアダム・ドライバーとマリオン・コティヤールのW主演映画『アネット』の公開初日舞台挨拶にレオス・カラックス監督が登壇。本作や9年ぶりの来日について語った。

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レオス・カラックス監督「東京はエレガントな部分と、ちょっと下品で猥雑な部分が同居している」

『アネット』が日本での初日を迎えたことについてカラックス監督は「4月1日は冗談言ったりする日なので、これもその一環かなと思うよ(笑)」とジョークを飛ばすなど和やかな雰囲気の中、事前に集められた観客の質問に答える形で、9年ぶりの舞台挨拶がスタートした。

カラックス監督は今回、イベント数日前に来日。「東京でお気に入りの場所は見つけられましたか?」という質問に対して「実は、桜の季節に来るのは初めてなんだ。これまでいつも秋だったからね」と言い、さらに「東京はエレガントな部分と、ちょっと下品で猥雑な部分が同居していると思う。だから自分にとっては面白い街だと感じる」と語った。

人気コメディアンであると同時に闇をもつキャラクター・ヘンリーを演じたアダム・ドライバーに関しては「テレビシリーズで『GIRLS』と言うのがあって、そこで初めて彼を見た」と明かし、「この人は絶対いつかカメラで撮りたいと思わせてくれた人なんです」と起用の理由を告白した。

その後、本作でオペラ歌手を演じたマリオン・コティヤールに関しても触れて「アダムも、マリオンも本業は役者ですよね? 歌うことは彼らにとっては得意な分野ではない」と言い、「僕は身体的な表現が上手い役者が好きなんですが、例えば、ダンサーが演技してるような役者が好きなんです。演技よりも歌うということに挑戦させられてるというのが見てて美しいな、と思いました」と、通常の役者業でない状況だからこそ生まれる映像の美しさを大事にしていると述べた。

イベント後半には、劇中でヘンリーとアンの娘・アネットを病院で取り上げる医者を演じた古舘寛治がサプライズで登壇。本作の撮影以来カラックス監督と会うのが初めてという古舘は、最初は「歌を歌う役なんだ、採用されないだろうなと思っていた」と当時をふり返りながら話したが、それを聞いていたカラックス監督が「ちょっとここで秘密を暴かせていただくと、古舘さんを起用した理由は一番歌が下手だったからです」と笑う。「やっぱり、そうなんですね!?」と数年ぶりに明かされる事実に、古舘が驚く一幕も。最後は、カラックス監督が「今日は来てくれてありがとう」と来場者に感謝を伝えた。