『ニッポニアニッポン~フクシマ狂詩曲』

日本を代表する名優とアニメーションが散りばめられたスラップティック原発オペレッタ

福島原発事故をテーマにした、異色の原発ミュージカル・オペレッタ映画『ニッポニアニッポン~フクシマ狂詩曲』が、3月17日まで東京・阿佐ヶ谷のミニシアター Morc(モーク)阿佐ヶ谷にて再上映される。

原発最前線の町・フクシマ県楢穂町。出向で赴任してきた真面目な男が目にする異様な現実とは……?

原発最前線であるフクシマ県楢穂町役場に楠穀平(隆大介)は出向を命じられる。

配属先は特別震災広報課。同僚となったのは個性的な面々(柳沢なな、関口晴雄、伊嵜充則、飯田孝男)だった。

穀平は上司となる役場の助役・村井(寺田農)に連れられ、フクシマの各所を訪ねる。

津波で押し流された地区、未だ復旧しない鉄道、終わらない除染、セシウムが降り積もった帰宅困難地域の村……。フクシマの現状とそこで生活する住民や作業員たちの現実を目の当たりにする穀平。

ある日、穀平は村井から、近々開催される「原子力研究所副所長就任を祝う会」を円滑に楽しく進められるよう言い渡される。会に臨んだ穀平。彼が目にしたのは、過激に陽気に盛り上がる異様な大宴会だった……。

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名優の演技のみならず挑戦的な映像表現にも注目

原発最前線の町で戸惑う主人公・楠穀平を演じるのは、クロサワ映画やNHK大河ドラマで脚光を浴びた燻し銀の演技派・隆大介。

凄惨な実状を笑顔で案内する町役場の助役・村井を怪演するのは映画、舞台、声の仕事など幅広く活躍する寺田農。穀平のふたりの娘、姉ハルカにデコウトミリ、妹ウミに慶徳優菜。

このほか穀平が配属される特別震災広報課の面々に、柳沢なな、関口春雄、伊嵜充則、飯田孝男。

また、原知佐子、田村奈巳、桜井浩子、宝田明など豪華な俳優陣が集結した。

監督は、映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」や出版社「ふゅーじょんぷろだくと」を経営する才谷遼。商業映画初監督作『セシウムと少女』(15年)で海外の25の賞にノミネート、 10の受賞を果たした。作品を陽気に彩る音楽はアーティストへの楽曲提供・ライブサポートなど多数のプロジェクトに携わる江口貴勅。

さらに本編中に散りばめられる多彩なアニメーション表現にも注目だ。

『北斎大蛸は福島原発を愛でる』は人形アニメーターの眞賀里文子が担当。『愉快なガイコツ3人組』パートは「ニャッキ!」で知られる伊藤有壱。このほか挑戦的な映像表現の作家たちが、競うようにユニークな映像を提供した。

異色の原発ミュージカル・オペレッタ映画『ニッポニアニッポン~フクシマ狂詩曲』は、3月11日から17日まで 東京・阿佐ヶ谷のミニシアター Morc(モーク)阿佐ヶ谷で上映される。