社会の偏見をぶっ飛ばして恋に落ちる! 周りに“No”と言われ続けた女子の物語、唯一無二の面白さ

#アダム・レーマイヤー#ディナー・イン・アメリカ#パンクロック

ディナー・イン・アメリカ
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サイモンのキャラクターを思いついたのは2006年

孤独な少女が家に匿ったのは覆面バンドの推しメンだった!? パンクロックとユーモア満載の映画『ディナー・イン・アメリカ』が9月24日より公開中。ムビコレではアダム・レーマイヤー監督のインタビューを掲載中だ。

『ディナー・イン・アメリカ』アダム・レーマイヤー監督インタビュー

本作の主人公は、孤独な少女パティと警察に追われる“覆面のパンクロッカー”サイモン。出会うはずのない2人が、社会の偏見をぶっ飛ばして恋に落ちる姿を描くアナーキック・ラブストーリー。俳優のベン・スティラーが惚れ込んでプロデュースを手掛け、2020年のサンダンス映画祭オフィシャルセレクションでの上映をはじめ、各国の映画祭を賑わせた話題作だ。

本作の脚本も手掛けたレーマイヤー監督は、このオリジナリティ溢れるストーリーのアイデアが浮かんだときのことをこう振り返る。「サイモンのキャラクターを思いついたのは、2006年の雪が降っていた日のこと。雪かきのトラックが走ったあとの道を散歩していて、コンクリートの上を歩く自分の靴音を聞いていたら、サイモンというキャラクターの造形や身のこなしが音のリズムに乗ってパッと浮かんできたんです。そのときに脚本の10ページ分を思いつくままに書き上げました」。

それ以降、何も思い浮かばなかった監督は、数年間その書きかけの脚本を寝かせることに。だが再び素晴らしいアイデアを思いつく。「実は、サイモンのことを書く前から『ディナー・イン・アメリカ』というタイトルで、パティとその家族を描いたストーリーを書いていました。そこで、“サイモンとこの作品を合体させたらおもしろいかも”と思いつき、2つの企画を一緒にしてみたんです」。

「サイモンと合体させる前の『ディナー・イン・アメリカ』の段階では、パティは皮肉屋で反抗的なキャラクターだったので、どちらかというとサイモンに近いところがありました。ただ、攻撃性の高い2人を並べてしまうとつまらなくなってしまうので、サイモンを登場させたことで、パティの性格を引き算して受け身の要素を増やしていくことに。そうやってお互いを補い合うようなキャラクターを作り上げました。生まれたときから周りに“No”と言われ続けた女の子からサイモンが何を引き出すことができるのか。そういう2人の関係性を描くほうがおもしろいと思ったのです」。

数年をかけてようやく形になった脚本だが、サイモン役のカイル・ガルナーをキャスティングするまでに、さらに3年もかかったのだとか!『ディナー・イン・アメリカ』完成までの長い道のりを明かすアダム・レーマイヤー監督のインタビュー全文はこちらから。

INTERVIEW