『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』中山咲月&植村颯太インタビュー

伝説的学園BL小説の新シリーズ、出演のプレッシャーは大きかった

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前シリーズ高林役の細貝圭さんから「新しく塗り替えて」と言われ緊張ほぐれた/中山

発売から31年経ち、シリーズ累計500万部を超える大人気BL小説を映画化した『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』が先月より公開された。

2007年に初めて映画化されて熱狂的なファンを生み出した学園BL小説の金字塔の劇場版・新シリーズとなる。名門の全寮制男子校、祠堂学院に通うタクミとギイの恋愛を中心に、彼らを取り巻く個性豊な登場人物たちが描かれる。

『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』

『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』2023年5月27日より全国順次公開中
(C)2023 ごとうしのぶ/KADOKAWA・「タクミくんシリーズ」製作委員会

本作でギイを慕う高林泉を演じた中山咲月と、高林に思いを寄せる吉沢道雄役の植村颯太に作品への思いや演じた苦労を語ってもらった。

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──出演が決まったときにどう思われましたか?

植村:めっちゃ嬉しかったっす! もともと作品を知ってましたし、歴史ある作品なので、携われて光栄で、撮影も楽しみでした。

中山:自分は実はプレッシャーのほうが大きかったんです。何度も映画化されているシリーズで、ファンの方が大勢いますし。今回、前シリーズで高林役を演じた細貝(圭)さんに連絡して、同じ高林役をやらせてもらいますって報告すると「僕のやった高林を新しく塗り替えてください」って言ってくれて、そこでやっと緊張がほぐれました。

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中山咲月

──まさしく受け継いだという感じですね。

中山:演じやすくなりました。感謝してます。

──前シリーズから踏襲されている水色の制服を着るのも感慨深かったんじゃないでしょうか?

植村:もう、これ、僕は貴族みたいだなって思いました。限られたメインキャストしか着ていなくて、とても特別感ありますよね。

植村颯太

中山:みんなが知る「タクミくんシリーズ」のアイコンでもある制服を着られるっていうのが嬉しいですね。

──それぞれ演じた役はどんなキャラクターと捉えましたか?

植村:吉沢は静かで大人しくて、自分とは真逆です。僕はうるさいんで(笑)。でも、高林のことが好きで尽くすタイプなところは自分自身と共通しています。

中山:自分は高泉とは違って、自分から好きな相手にグイグイとアプローチしていくことはないから、正直言って演じるのが難しかったです。

全員が魅力的、ぜひたくさんキュンキュンして/植村颯太

──高林はタクミとギイをかき回す役どころですよね。ともすれば憎まれ役にもなるので、さじ加減が難しそうです。

中山:ただ、これまで敵役とかやってきたので、そういう意味では難しくはなかったです。意外と、得意かもしれません(笑)。かわいく見せる点で、自分は声が低いので高く意識して出したり、自分が客観的に見て“かわいい”と思える部分を出してみました。

中山咲月&植村颯太

──一番苦労したことはなんですか?

植村:落ち着きのある役柄をあまり演じたことがなかったので、どんな性格なのか掴みづらく、監督からアドバイスをもらいました。

中山:自分はとにかく撮影現場がすごく寒かったことが印象に残ってます。クライマックスのシーンではみんな震えながら演じていて、なかなか過酷でした。

──思い出に残っているエピソードはありますか?

植村:星が綺麗でした!

中山:出た! 言ってたよね。

植村:空を見上げると素晴らしくて、吸い込まれるような感覚になりました。
中山:自分は現場で1人でいたいタイプでひっそりしていたんだけど、みんなはワチャワチャしていて学校みたいだなって思いました。

中山:自分は現場で1人でいたいタイプでひっそりしていたんだけど、みんなはワチャワチャしていて学校みたいだなって思いました。

植村:みんな温かくて、気を使い過ぎずに新しい刺激を受けることができて、改めて役者って素敵な仕事だなって思いました。

──共演を経てお互いの印象はいかがですか?

中山:植村くんはいつも一所懸命で芯があるんですよね。現場ではみんなを明るくしてくれる存在なんです。

植村:中山さんは最初会ったときオーラ感じて、役者さんだなって感じて、大先輩なんですけど、撮影ではアクションシーンについてアドバイスをくれて、それがすごく参考になりました。クライマックスのアクションシーンはセリフも動きもあって難しかったんですが、姿勢や見せ方を教えてもらっていいシーンになったと思ってます。

中山咲月&植村颯太

中山:そう言ってくれると嬉しい。

植村:すごく勉強になりました。

──生徒としての植村さんはいかがでしたか?

中山:飲み込みが早くて、動きもスムーズでした。自分もあのシーンは印象に残っていて、高林として感情が昂ぶる場面で思いを込めることができました。

──では最後に、この作品のどんなところをどんな方に見てほしいか教えてください。

植村:1人1人登場人物に魅力があって、それぞれの良い物語も描かれているから、ぜひたくさんキュンキュンして欲しいです。

中山:発表されて30年以上経つ原作で、すでに多くのファンの方がいて、ファンの方にももちろん見て頂きたいですが、新しい世代の方々にも楽しんでもらえると思います。現代に合っていると思うので、年齢も性別も関係なくたくさんの方に見て欲しいです。

(text:牧島史佳/photo:泉山美代子)

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中山咲月
中山咲月
なかやま・さつき

1998年9月17日生まれ。東京都出身。モデルとしてデビューし、俳優としても活躍。主な出演作に『映画 刀剣乱舞-黎明-』、テレビシリーズ『仮面ライダーゼロワン』、『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』、舞台「アナザー・カントリー」「なんだコイツ」などがある。2021年フォトエッセイ「無性愛」発売。

植村颯太
植村颯太
うえむら・そうた

2002年11月26日生まれ。大阪府出身。2019年、AbemaTVで放送された青恋愛リアリティショー『今日、好きになりました。』の韓国ソウル編に参加をきっかけにテレビドラマ『顔だけ先生』『スタンドUPスタート』などやTVCM「Google Pixel」に出演し話題に。