山﨑努、俳優人生70年も「やめる気はない」 渡辺謙がサプライズ登場で感動の再会

#山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-#山﨑努#渡辺謙#犬童一心

『山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-』
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『山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-』
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山﨑努が初ドキュメンタリーで見せた素顔と俳優としての覚悟

名優・山﨑努を追った初のドキュメンタリー映画『山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-』が、第39回東京国際映画祭「Nippon Cinema Now」部門の特別上映作品としてワールドプレミアを迎えた。11月2日に行われた上映後のQ&Aには、山﨑努と犬童一心監督が登壇。さらに、サプライズゲストとして渡辺謙も駆けつけた。

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『山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-』

映画上映後、大きな拍手で迎えられた山﨑努は、観客に向けて「ありがとう」と感謝の言葉を述べると、「僕は無心でカメラの前にいること。それを目的にしていました。病気で死にかけた直後だったんで、皆さんへのお別れのメッセージだと考えていました。そのメッセージがこの映画になればいいなという思いでしたし、その気持ちは今も残っています」と挨拶した。

さらに、犬童監督をはじめとするスタッフへの感謝を述べると、「今日見てくださった皆さん、どうもありがとう!」と呼びかけた。

本作には「自分をさらけ出す」という思いで出演を決めたという山﨑。「もともと、僕は恥ずかしがりやで、コンプレックスの塊。若い頃からどうにも人前に出ること、カメラの前で何かをすることがすごく苦手だったんです。だから大変なエネルギーがないと、人前に出たり、カメラの前で何かするということが無理だった。だんだん歳をとって、場慣れをしてきて、ずうずうしくなりましたが、それでも羞恥心は残っています」と自身の内面について率直に語った。

さらに、「劣等感や羞恥心をなるべくとっ払ってなくして。すっぽんぽんの状態でカメラの前に立ちたい。犬童さんにはありのままを撮っていただきたいと思いました。多分、皆さんのおかげでそういう映画になったんじゃないかと思っています」と、自身初となるドキュメンタリー作品に臨んだ思いを明かした。

質疑応答では、観客からの切実な悩みに山﨑が真摯(しんし)に答えるひと幕もあった。人に弱いところを見せられず、「自分をさらけ出す」ことに悩んでいると打ち明けた観客に対し、山﨑は「僕はいろんな俳優さんを見てきたが、内向的で人前に出て何かをするのが苦手な人の方が、実はカメラの前や、舞台にいるときに力があるんです。なぜかというと、外と自分の中の壁が厚い分、めいっぱい当たらないと突き抜けないわけです。だからそれを突き破ったときのエネルギーというのは、なんでも軽くできてしまう人よりも力強い。だから内向的な人の方が俳優や表現者に向いているような気がします」と返答した。

その言葉に質問者も「昔から大好きだった山﨑さんにそう言っていただいて、すごくうれしいです。その言葉を生かして進んでいきたい」と、深く感銘を受けた様子だった。

『山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-』

また、俳優として芽が出ず、一度は夢を諦めたものの、別の仕事と両立しながら再び俳優を目指すべきか悩む観客に対しては、「逆に俳優ってどういう資格があるのか考えたらいいと思います。自分に才能があるのか、ないのかも分からないのに、なぜ観客の皆さまより一段上に立っているのか。それは僕にとって大問題でした。自分のどこによりどころがあって職業とするのか、胸をはって働けるのかと思っていました」と、自身も抱えてきた葛藤を明かした。

さらに、「ある先輩は芸を磨けばお金がとれるんだと言いました。でも僕よりも芸がある人や、才能がある人は何人もいると思います」と続けると、「ではなぜ僕が俳優としてやっていられるのかというと、内面をさらけ出しているからです。これは恥ずかしくて、みっともなくて普通の人にはなかなかできません。それこそ“見る価値がある恥”をかかなきゃいけないわけですが、その覚悟がなければできないと思います。僕は皆さんの代わりに身を切り開いて、その代わりにお金をいただいてきた。そうやって職業として成立すると思うんです」と、俳優という職業への覚悟を語った。

その「見る価値のある恥をかく」という言葉に、隣で聞いていた犬童監督も感銘を受けた様子で、「この名言は映画の中で言ってほしかった」とコメントし、会場を沸かせた。

するとここで、舞台や映画『タンポポ』(85年)など数々の作品で共演を重ねてきた後輩の渡辺謙が、花束を手にサプライズ登場した。

本作の撮影直前に山﨑と会う機会があったという渡辺は、山﨑から「生身の自分をさらけ出す取材を受けようと思っている」と打ち明けられていたという。

続けて、「役を深掘りしていくタイプの山﨑さんがご自身をさらけ出すのは、ものすごい体力と根気がいること。病み上がりということや年齢のこともあって、体を壊さないか心配でした」と率直な思いを吐露した。

しかし、完成した作品を見て、その不安は杞憂(きゆう)に終わったという。「犬童監督が上手にすくい上げてくれたシーンの積み重ねだと思うんですけど、山﨑さんがどう生きてきたのか、どうやって俳優という仕事をしてきたのが、宝石のようにちりばめられた映画でした。山﨑さんの門下生の僕としては、今まで一緒にやらせてもらったことや、いろんなことが呼び起こされてきて。近い関係でありながらも感動させていただきました」と、感銘を受けた様子だった。

最後に、改めて70年にわたる俳優人生を振り返った山﨑は、「70年といえばそうなんだろうけど、全然実感もないし、やめる気もない。30周年とか40周年なんて時もまったく意識がなかったですね。毎日がよく言えば新鮮で、楽しくて、不安で。夢中になっているうちにこうなった。だから俳優70年なんて、とんでもない話で、僕はまだ7年ぐらいのつもりでいます」とコメントした。

俳優業を続ける意欲を示した山﨑の言葉に会場が沸く中、犬童監督が「7年だとまだ25くらいですよ」とツッコミを入れ、会場は大きな笑いに包まれた。

『山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-』は2027年公開予定。

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