草川拓弥、『死ねばいいのに』で新境地 金井純一監督が絶賛「ここまでやってくれるんだ」と感動
『みなと商事コインランドリー』以来4年ぶりタッグで舞台挨拶
映画『死ねばいいのに』の公開を記念した舞台挨拶が7月13日に開催され、亜佐美の生前の恋人・佐久間役を演じた草川拓弥(超特急)と金井純一監督が登壇。ドラマ『みなと商事コインランドリー』以来、4年ぶり2度目のタッグとなる2人は、撮影時のエピソードなどを披露し、会場を大いに沸かせた。
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本作は、京極夏彦氏による同名ミステリー小説を映画化した作品。何者かに殺害された鹿島亜佐美(伊東蒼)について知るため、謎めいた主人公・渡来映子(奈緒)が、生前の亜佐美と関わりのあった人々を訪ね歩く。草川は、亜佐美の恋人だった佐久間を演じた。
金井監督と草川は、ドラマ『みなと商事コインランドリー』以来のタッグ。金井監督は冒頭、「ついに草川くんと舞台に立つことができました。記念日として、今日はいろいろなことを話せたらと思っています」と笑顔を見せた。
草川に佐久間役をオファーした理由について、金井監督は「『みなと商事コインランドリー』で、草川くんがキャラクターの葛藤や気持ちを込めて演じてくれたんです。気持ちを作って演じてくれる役者だと、そのときからずっと思っていました」と回顧。同作を撮影していた約4年前から、より感情を爆発させる役にも挑戦できるのではないかと感じていたという。その上で、「佐久間はなかなかひどい役ではありますが、草川くんが演じることで、ある意味、魅力的なキャラクターになるのではないかと思い、オファーしました」と起用の経緯を明かした。

一方、オファーを受けた草川は、本作が『みなと商事コインランドリー』とは大きく趣を異にすることに驚いたという。「金井さんが作る作品のイメージとは真逆で、すごく衝撃を受けました。タイトルもものすごいですし」と振り返った。
続けて、原作については「どこか共感してしまう部分を感じながら、楽しく読ませていただきました」と話し、「この年齢(31歳)になって役の幅を広げたいと思っていましたし、いい意味で視聴者の皆さんのイメージを覆せるような役柄もやっていきたいと思っていたタイミングだったので、お声がけいただいて本当に光栄でした」と感謝を伝えた。
プライベートでも親交があるという2人。草川が「多くはないですが、飲みにも行くんですよ。でも、ステージに一緒に立つと、ちょっとそわそわしちゃう」と打ち明けると、金井監督は「草川くんは基本的に人見知りなんです。でも、そこを乗り越えるとすごく打ち解けてくれる。さっきも裏で『逆に緊張できなくて…』と言っていました」と暴露した。
草川も「舞台挨拶は毎回緊張するんですが、金井さんと立つと、良くも悪くもラフすぎるなって」と苦笑い。金井監督が草川のライブや現在開催中のツアーにも足を運んだことを明かし、「ステージに立つことには慣れているから、いろいろ任せようと思っていた」と話すと、草川は「それはそれ、これはこれなんですよ(笑)」と返し、会場を和ませた。
本作では、同じ場面を現実と草原で描く独自の撮影手法が用いられている。草川は「今までの役者人生で初めての撮影手法でした。同じシーンを2回やるという演出のもと、どう作っていこうかと悩むときもありました」と告白。一方で、「金井さんがスナックのシーンでも草原のシーンでも、そのときの気持ちを大事にしてくださったので、思い切りやろうという気持ちしかなかった。本当に気持ちよかったです」と充実感をにじませた。

草原での撮影については、「場所が変わるだけで、気持ち的に解放感がありました。いい感じに風も吹いていて、すごくリアルに『生きているな』と感じながらやらせてもらいました」と振り返った。
撮影前には奈緒と本読みを行ったものの、草川がどのように役を作り込んでくるのかは実際の撮影までわからなかったという金井監督。しかし、その心配は最初の演技を見て杞憂に終わった。「一発目から、すごく役に入って作ってきてくれました。それによって奈緒さんの演技も上がっていきましたね。最初の芝居を見たときに、『ここまでやってくれるんだ』と感動しました」と称賛した。
さらに、奈緒から本読み後に「草川さんが一番十字架を背負っている」とLINEが届いたことも紹介された。金井監督は「佐久間はひどいやつですが、必死であらがおうとしている。純粋にゆがんでいたけれど、亜佐美を大切にしようと思っていたところを見せられないと、変な人で終わってしまう」と、役柄の難しさを説明した。
この日は、奈緒との芝居について語る場面もあった。草川は「投げて受けてをひたすら繰り返していたイメージでした。映子を演じた奈緒さんの表情にメラメラ燃えたり、気持ちが動揺したり、感情を動かされましたね」と打ち明け、佐久間という役が完成した理由について、「奈緒さんがいてくださったおかげです。佐久間は映子にすごく救われたんだろうなと、対峙していて感じました。それが全てだと思います」と口にした。

金井監督は、俳優としての草川の魅力にも言及。「映像で見てもかっこいいし、実際に見てもかっこいい。そこにギャップがないのは、なかなかいない」と語り、「いい意味で明るすぎず、感情を持っているタイプ。アイドルをやっているけれど、草川くんの世界があると感じたので、一人の俳優としてとても魅力的に思いました」と熱弁。続けて「いろいろな草川拓弥を、いろいろな役で見ていきたい」と期待を寄せ、「僕もファンか(笑)。僕も8号車になります」と“超特急ファン”入りを宣言し、会場を沸かせた。
この言葉を受け、草川は「たじたじになっている金井さんがかわいいなって(笑)」と照れ笑いを浮かべた後、「俳優・草川拓弥としては、かわいらしい後輩というイメージが強いんですよね。それを求めてくださっている方がいることをありがたく思いつつ、それだけではなく、表現の幅を広げたいと思っています」と吐露。「これからも、いろいろな役に正面から挑めるような役者になれたら」と今後の目標を掲げた。
また、作品の見どころについては「正解はこれです、というものを突きつけられる作品ではない」と表現。「人によって価値観や考え方が違うので、この映画というフィルターを通して、自分なりに考えられるきっかけになると思います。僕以外のキャストの方々も素敵な方ばかりで、完成した作品を見て、僕も考えさせられました」と話し、「一つの答えを導かなくてもいいと思います。皆さんの中で自分なりにかみ砕いて、受け取ってくれたら」と呼びかけた。
最後に、草川は「金井さんと2人で舞台挨拶ができると思っていなかったので、夢のような時間でした。こんなにラフで大丈夫だったかなという不安もあるんですが、少しでも楽しんでくださっていたらうれしいです」とにっこり。「ぜひ何度でも劇場で観ていただいて、たくさんの方に広めていただけたらと思います」と締めくくった。
『死ねばいいのに』は現在公開中。
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