倍賞千恵子×木村拓哉、“ハウルコンビ”が横浜の街で寄り添う瞬間 『TOKYOタクシー』心揺さぶる新映像
孤独を抱えたマダムと優しい運転手が交差する余韻のドラマ
倍賞千恵子と木村拓哉が共演する山田洋次監督91本目の映画『TOKYOタクシー』より、ジブリ映画『ハウルの動く城』で共演経験のある倍賞&木村の親密な関係性を伺わせる本編映像が解禁された。
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山田洋次監督の91作目となる本作は、フランス映画『パリタクシー』(22年)を基に、新たな視点と温もりを加えたヒューマンドラマ。昭和・平成・令和を通じて日本人の生き方を見つめてきた山田監督が、いまなお変貌を続ける大都市・東京を舞台に、人生の喜びと希望をやさしく描き出す。
ある日タクシー運転手が乗せたのは、人生の終活に向かうマダム。東京から葉山へと向かいながら、彼女の思い出の地をめぐるうち、その壮絶な人生が明らかになっていく。他人同士だった2人の人生が交差し、やがて想像もしなかった“奇跡”が訪れる──。
キャストには、山田監督作品には欠かせない倍賞千恵子、そして『武士の一分』(06年)以来19年ぶりの山田組参加となる木村拓哉。さらに蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、イ・ジュニョン、笹野高史など多彩な顔ぶれが集結した。
今回紹介する映像では、最初はギクシャクしていたすみれと浩二の関係が、“たった1日の旅”の終盤で、特別な絆へと変わっていく瞬間を映し出している。華やかな横浜の繁華街を歩く中、すみれが「ねえ、浩二さん。腕を組んでもいいかしら、あなたと」と嬉しそうに声をかけると、「どうぞ」と腕を差し出す浩二とのやりとりは、壮絶な人生を歩んできたすみれの孤独と、それを受け止める浩二のやさしさが交差。穏やかな表情で歩く2人の姿からは、あたたかい余韻が感じられる。浩二と出会えたことへの感謝と、旅の終わりが近づく切なさがにじみ、長年にわたり人々の機微を描き続けてきた山田監督ならではの繊細で心温まる人間ドラマが凝縮された場面だ。
倍賞と木村は実写作品では初共演となるが、2004年公開のスタジオジブリ映画『ハウルの動く城』でソフィー役とハウル役として共演経験がある。倍賞は当時を振り返り、「あの時はひとりずつアフレコする予定で、木村さんとは色々なお話ができなかったです。鈴木敏夫プロデューサーにお願いして、1日だけ一緒の場面でアフレコしました」、木村と顔を合わせてコミュニケーションを取るためにスケジュールの調整をプロデューサーに直談判したことを明かした。
倍賞の粋な計らいにより“たった1日”の倍賞と木村の同日収録が実現したが、このことを事前に知らされていなかった木村は、「目の前にエプロンをしている宮崎駿監督がいて、下駄を履いた鈴木敏夫さんというプロデューサーがいて、ついに現れた倍賞千恵子さんとなったら、そりゃ話せないですよね」と語る。
どんな重圧のかかる現場でも、木村はつねに冷静で真摯。まるで“緊張とは無縁”と思わせる佇まいだ。セリフはすべて暗記し、台本を持ち込まず収録に臨むなど、初の声優挑戦でジブリ作品の主人公を演じるという重責さえ力に変えてしまう完璧さを見せる。だが、そんな木村でさえ、 大女優・倍賞千恵子、巨匠・宮崎駿、そしてヒットメーカー・鈴木敏夫という錚々たる面々が居並ぶ現場では、思わず緊張で頭が真っ白になったという。
さらに、本作が第55回ロッテルダム国際映画祭「Limelight」部門(現地時間2026年1月29日〜2月8日)に正式出品されることも決定した。同映画祭は1972年の創設以来、カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアと並ぶ重要な国際映画祭として知られている。「Limelight」部門には、『海よりもまだ深く』(16年/是枝裕和監督)、『ドライブ・マイ・カー』(21年/濱口竜介監督)、昨年は『海の沈黙』(25年/若松節朗監督)など、日本映画の話題作が選出。同部門は観客賞およびNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)の対象となり、その年の映画界を象徴する“ハイライト作品”が並ぶ特別枠として位置づけられている。
本作の選考理由について、ディレクターのVanja Kaludjercicは、「東京の街を縫うように走る1台のタクシー。その車内で交わされる、他愛もない、けれどどこか胸に残る会話が、運転手と乗客それぞれの人生をそっと記録していく──本作は、そんな“移動する時間の箱”のような映画です。窓の外に流れる光景には、東京の今と、変わりゆく日本の気配が淡く重なります。 そして何より、この小さな物語を豊かに立ち上げているのは、山田洋次監督の静かな語り口と、倍賞千恵子、木村拓哉という2人の俳優の確かな存在感です。山田作品に受け継がれる、日常に宿る可笑しさと儚さ。その“日本的なやわらかさ”が、ふとした仕草や間合いの中に息づいています。物語が静かに幕を下ろしたあとも、どこか心の奥にやわらかい温度が残り続ける作品。 その余韻は、観客一人ひとりの“TOKYO”の記憶と静かに重なっていくはずです」とコメントを寄せた。
『TOKYOタクシー』は2025年11月21日より全国公開。
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