芦田愛菜と岡田将生がヴェネチア映画祭の会見で『果てしなきスカーレット』への思いを激白!

#岡田将生#果てしなきスカーレット#細田守#芦田愛菜

(C)KAZUKO WAKAYAMA
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(C)2025 スタジオ地図

細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』が、第82回ヴェネチア国際映画祭【アウト・オブ・コンペティション部門】に参加。細田監督とカーレットの声を演じる芦田愛菜。そしてスカーレットと共に旅をする現代の日本人看護師・聖役の岡田将生が、プレスカンファレンス(公式記者会見)とフォトコールに登場した。

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自分自身で道を切り開いていくようなプリンセス像

現地時間9月4日、公式上映を前にして行われたプレスカンファレンスでは、海外メディアの記者や報道関係者が100名以上詰めかけた。

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記者からこの作品を作るきっかけについて尋ねられると、細田監督は「“復讐劇”の映画を作りたいと思いました。世界中の人が“復讐劇”(が描かれた作品)が好きだと思ったので、皆が見たいと思ってもらえる作品を作ろうと思ったんです。ただ“復讐”だけではなく、もう一つの要素として“赦し”という部分を同時に含めて、今までにない映画を作ろうと思いました」と答えた。

また、本作を制作するにあたり、特に難しかった点を聞かれると「主人公のスカーレットと聖をどんな風に設定し、魅力的な人物にしていくのかという部分が難しかったです。“対比”ということに重きを置いて考えました。一人は王女、一人は看護師。その立場の違いを描くことによって、どちらも魅力的(な人物)に見えるように作っていきました」と回答。

『果てしなきスカーレット』(C)2025 スタジオ地図

なお「これまでのプリンセス像のような、王子様に守られるプリンセスではなく、もっと新しい、自分自身で道を切り開いていくようなプリンセス像をこの映画では表現しました」と今回の主人公像についての思いをコメント。

さらに、今の世界情勢を踏まえ「今、この瞬間でも苦しい思いをしている子どもが世界中にたくさんいると思います。そういう子どもたちに、この世界に絶望しないでいてもらいたい。この世界が希望に満ちた世界であってほしいという願いが、一人の親として、一人の社会を構成する大人としてあります。子どもたちを勇気づけるような世界になってほしいという願いを込めました」と、この作品に切実な想いと願いが込めたことを述べた。

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また芦田は本作の役作りについて「スカーレットは中世の王女という役なので、王女として生きる使命感だったり、心構えをどう表現するか悩みました。中世の動乱の時代を生きたジャンヌダルクやエリザベス1世などの作品や映像を見て、イメージを膨らませていきました」と回答。

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岡田は「(過去に)演劇でシェイクスピアをやったり、看護師の役を演じていたので、“聖”という役に関しては、自分の体に染み込んでいる状態でした。スカーレットに対する気持ちであったり、時間であったり、そういう部分を大切にしようと演じました」と話した。

芦田は「スカーレットは、混沌とした世界を一生懸命生き抜こうとし、そして、自分の想いを遂げようとする女の子なので、その一生懸命さが現代を生きる(この作品を見た)皆さんの生きる活力になっていただければいいなと思います」とこの作品で観客に伝えたいメッセージについて語った。

その後に行われたフォトコールでは、多くの海外メディアのフラッシュに答えるかのように笑顔を見せた3人。

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プレスカンファレンスについて細田監督は「(会見に集まってくださった)プレスの皆さんがこの映画を気に入ってくださって、すごくいい質問を情熱的にたくさん投げかけてもらえて、この映画についてたくさん話すことが出来ましたし、芦田さんと岡田さんが、スカーレットとして、聖として、いい回答をしてくれているのを横で聞いていて、とても感激しました。」と、手ごたえを感じた様子。

一緒に登壇した芦田も「少し緊張しましたが、監督の素敵なお話を横で聞かせていただき、『そうだったんだ!』という気付きがあり、楽しい時間を過ごせました」と述べ、岡田も「映画を気に入ってくださったからこその愛のある質問が多かったと思いましたし、監督のお話を聞けて僕も嬉しかったです。とてもいい時間だったと思います」と海外メディアの熱量の高さに興奮した様子だった。

『果てしなきスカーレット』は2025年11月21日より全国公開。