『アウトレイジ』初日舞台挨拶で、北野武監督がトラウマを告白！

2010.06.12

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左から塚本高史、杉本哲太、國村隼、三浦友和、北野武、椎名桔平、加瀬亮、小日向文世、石橋蓮司、中野英雄

北野武監督が久々に手がけたバイオレンス映画『アウトレイジ』。極悪非道の悪い男ばかりが登場するこの作品が6月12日に封切られ、新宿ミラノでキャストたちが舞台挨拶を行った。

『アウトレイジ』作品紹介
 ［動画］『アウトレイジ』予告編

登壇したのは、俳優も兼務した北野監督をはじめ、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世の10名。上映後の舞台挨拶ということで、椎名が「どうでしたか？」と客席に問いかけると、大きな拍手が返ってきた。

主役級の実力派が顔を連ねるが、「全員、主役で、全員、脇役と思って作った」と北野監督。撮影しながら、セリフや出番などのバランスをとっていったそうだが、気が付くと、北野監督自身の出番が少なくなっていたため、「元々、椎名さんがやるはずだったサウナのシーンをオレが取った」と、椎名の見せ場を奪取したことを告白。椎名は「格好いいシーンだと思っていましたが、そうなんですか」と素直に驚いていた。

撮影はスピーディで、基本的に撮り直しはナシ。俳優陣の誰もが、監督からの具体的な指示も特になかったと証言。その理由を問われた北野監督が「楽屋にマリファナを焚いておくと、みんな勝手にやってくれる（笑）」と演出の“極意”を明かすと、場内は大きな笑いに包まれた。

また、椎名はベッドシーンの撮影現場についても言及。「6時間かけて刺青を描いて現場に行ったら、監督から『普通にやって』とだけ言われて……」と戸惑ったことを告白。司会が「普通」の意味をたずねると、北野監督は、崔洋一監督作品『血と骨』の撮影でのトラウマについて語り出した。同作品では北野と鈴木京香の濡れ場があるのだが、撮影前に、太めの崔監督と、これまた太めのスタッフが組んずほぐれつの濡れ場を実演して演出してくれたそうで、「地獄絵図でした。見ていて、この業界をやめようかと思った」と苦笑い。それゆえ、自作での濡れ場演出はアッサリしたものになったようだ。

映画については「暴力を抜きにすると、日本の社会構造はこの映画のようにできているのでは」と話していた北野監督。「これを2回見ると、ガンが治ったとか階段が上れるようになったとか、家出していた息子が帰ってきたとか、いろんなイイことがありますので（笑）」と話し、再度の鑑賞を呼びかけていた。