2大アメコミ出版社の映画戦略(その2):DCコミック/スーパーマン、バットマンに続くヒーローは?

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『マン・オブ・スティール』
(C) 2012 Warner Bros. All Rights Reserved.
『マン・オブ・スティール』
(C) 2012 Warner Bros. All Rights Reserved.

2大アメコミ出版社の映画戦略を2回に分けて解説する、2回目はDCコミックです。DCコミックはワーナー・ブラザースとグループ企業にあたるため、DCコミックの全作品をワーナーが映画化している。マーベルのように映画製作の権利が会社によって異なることがないため、スーパーマン、バットマンというDCコミックの2大ヒーローを軸に映画製作しやすい環境にある。マーベルに後れを取っていたものの、製作体制がようやく整ってきたようで、DCコミックも2016年から年2本のペースで公開すると発表している(公開日は全て米国でのもの)。

【DCコミック関連作品の公開日リスト】
16年3月25日『バットマンVSスーパーマン:ドーン・オブ・ジャスティス』
   8月25日『スーサイド・スクワッド』
17年6月23日(タイトル未定で、公開日のみ発表)
   11月17日(タイトル未定で、公開日のみ発表)
18年3月23日(タイトル未定で、公開日のみ発表)
   7月27日(タイトル未定で、公開日のみ発表)
19年4月5日(タイトル未定で、公開日のみ発表)
   6月14日(タイトル未定で、公開日のみ発表)
20年4月3日(タイトル未定で、公開日のみ発表)
   6月19日(タイトル未定で、公開日のみ発表)

マーベルのヒーローがそろい踏みするのは『アベンジャーズ』だが、DCコミックでは『ジャスティス・リーグ』と呼んでいる。16年公開でバットマンとスーパーマンが登場する『バットマンVSスーパーマン:ドーン・オブ・ジャスティス』は、タイトルの「ドーン(夜明け)・オブ・ジャスティス」から推測すると『ジャスティス・リーグ』の“序章”的な内容になるとみられ、事実、DCコミックのヒーローであるワンダーウーマンとアクアマンの登場が発表されている。

テレビシリーズでは『ARROW/アロー』と『ザ・フラッシュ』が放映されているので、この2人が登場する可能性もある。また悪役ではスーパーマンのレックス・ルーサーが登場する(演じるのはジェシー・アイゼンバーグ)。

一方ヒーローではなく悪役がそろい踏みするのが『スーサイド・スクワッド』だ。同作は、DCコミックの悪役たちが自らの罪を償うために自殺行為に等しい困難なミッションを引き受ける特殊部隊「スーサイド・スクワッド」を結成するというストーリーで、デビッド・エアーが監督。リーダーのリック・フラッグ役はジョエル・キナマン、殺し屋デッドショット役はウィル・スミス、バットマンの宿敵ジョーカー役はジャレッド・レト、ジョーカーの恋人ハーレイ・クイン役はマーゴット・ロビー、キャプテン・ブーメラン役はジェイ・コートニー、魔術師エンチャントレス役はカーラ・デルビーニュ、スーサイド・スクワッドの指揮官アマンダ・ウォーラー役はビオラ・デイビスという豪華なキャスティングだ。ジョーカーが三度復活したり、殺し屋デッドショット役を人気スターのウィル・スミスが演じており、他のDC作品にも引き続き登場する可能性は十分だ。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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