第85回アカデミー賞レポート/作品賞は『アルゴ』、最多受賞は『ライフ・オブ・パイ』

『アルゴ』の製作・監督・主演を兼務したベン・アフレック
『アルゴ』の製作・監督・主演を兼務したベン・アフレック
『アルゴ』の製作・監督・主演を兼務したベン・アフレック
『リンカーン』で大統領を演じたダニエル・デイ=ルイス

第85回アカデミー賞が2月24日(現地時間)、ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、前哨戦の数々を制覇してきたベン・アフレック監督・主演の『アルゴ』が作品賞を受賞した。最多12部門ノミネート作『リンカーン』は主演男優賞と美術賞を受賞。

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製作費4450万ドルとハリウッド・メジャーの作品としては低予算の部類ながら、公開と同時に世界中の映画ファンの支持を得て、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞、全米製作者組合賞や全米監督組合賞などを軒並み受賞。ところが、オスカーでは監督賞の候補からベンが外れるという事態に、ライバル候補作との賞レースの行方が注目されていた。

『アルゴ』はこのほか編集賞と脚色賞受賞の3冠。最多受賞作は11部門で候補となり、監督賞、撮影賞、視覚効果賞、作曲賞に輝いた『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』。また、『レ・ミゼラブル』もアン・ハサウェイの助演女優賞をはじめ3部門を受賞した。

史上初となる主演男優賞3度目の受賞者となったダニエル・デイ=ルイス。ハリウッドの超大物、ジャック・ニコルソンでさえなし得ていない栄誉に感極まった面持ちでステージに上がったが、いまにも泣き出しそうな表情でプレゼンターのメリル・ストリープを見ながら、「本当は、(ストリープが以前演じた、元英国首相の)サッチャーを演じるはずだったんです」とジョークを繰り出し、場内は爆笑という一幕も。

主演女優賞は『世界にひとつのプレイブック』のジェニファー・ローレンス、助演男優賞はクエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』のクリストフ・ヴァルツ。2009年に同じくタランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』で同賞を受賞して以来、2度目の受賞となった。

そしてタランティーノは今回オリジナル脚本賞を受賞。外国語映画賞は、作品賞や主演女優賞、監督賞などでも候補となった『愛、アムール』が受賞した。

受賞結果は以下の通り。

■作品賞 『アルゴ』

■監督賞 アン・リー(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)

■主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス(『リンカーン』)
  
■主演女優賞 ジェニファー・ローレンス(『世界にひとつのプレイブック』)

■助演男優賞 クリストフ・ヴァルツ(『ジャンゴ 繋がれざる者』)

■助演女優賞 アン・ハサウェイ(『レ・ミゼラブル』)

■オリジナル脚本賞 クエンティン・タランティーノ(『ジャンゴ 繋がれざる者』)

■脚色賞 クリス・テリオ(『アルゴ』)

■撮影賞 クラウディオ・ミランダ(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)

■編集賞 『アルゴ』

■美術賞 『リンカーン』
 
■衣装デザイン賞 『アンナ・カレーニナ』

■メイクアップ賞 『レ・ミゼラブル』

■視覚効果賞 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

■録音賞 『レ・ミゼラブル』

■音響編集賞 『ゼロ・ダーク・サーティ』『007/スカイフォール』

■作曲賞 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

■長編アニメーション賞 『メリダとおそろしの森』

■外国語映画賞 『愛、アムール』

■長編ドキュメンタリー賞 『シュガーマン 奇跡に愛された男』

■短編ドキュメンタリー賞 『Inocent(原題)』

■短編実写映画賞 『リッチーとの一日』

■短編アニメ賞 『紙ひこうき』

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