飛鳥凛の堂々たる脱ぎっぷりに目が釘付け! いびつな愛描く王道映画

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飛鳥凛
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【映画を聴く】『ホワイトリリー』/前編
中田秀夫監督の静かに燃えたぎる情念が飛び散る!

2016年に45周年を迎えた日活ロマンポルノ。それを記念して昨年11月からスタートした「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の第5弾にして最終作の中田秀夫監督『ホワイトリリー』が先週末に公開された。

女の生々しさ描いた作品で新境地!『ホワイトリリー』飛鳥凛インタビュー

テーマはレズビアン。“先生”と呼ばれる40代の陶芸家と、ある出来事をきっかけに彼女の家で暮らすようになった25歳の女。お互いの辛い過去を慰め合いながら生きる2人と、彼女たちの間に突然割って入ってきたひとりの男のいびつな関係を描く。

園子温監督の『ANTIPORNO アンチポルノ』がロマンポルノのコンセプトを換骨奪胎した異色作とするなら、中田監督の『ホワイトリリー』は、ロマンポルノのマナーをていねいにトレースした王道中の王道。“ロマンポルノ”の“ロマン”の部分に寄りかかった仕上がりで、女どうしのラブシーンをどこまでも美しく、エモーショナルに見せる。『仮面ライダーW』で知られる飛鳥凛が初めてヌードにチャレンジしたことが大きな話題だが、初めてとは思えない堂々たる脱ぎっぷりで、山口香緒里の演じる“先生”との絡みは今回のリブート・プロジェクト5作の中でも随一。すべてが物語と深く濃密に結びつき、必然性を帯びているのが素晴らしい。

タイトルになっているホワイトリリー(白百合)をところどころで暗喩的に使うあたりは、ロマンポルノの名匠・小沼勝監督の助監督時代の経験が生きているのかもしれない。『リング』や『仄暗い水の底から』『クロユリ団地』といったホラー作品にはない、中田監督の静かに燃えたぎる情念がそこかしこで飛び散るのを感じ取ることができる。

後編「飛鳥凛と山口香緒里の激しい絡み〜」に続く…