大後寿々花

若手演技派No.1が涙を流した理由とは…?

 

『女の子ものがたり』 大後寿々花インタビュー

映画『女の子ものがたり』大後寿々花インタビュー

 

無我夢中で、気が付いたら涙が流れていた

  •  『SAYURI』でチャン・ツィイー演じる主人公の少女時代を演じ、11歳でハリウッドデビューを果たした大後寿々花。若手演技派として高い評価を得る彼女が、等身大の女子高生を演じたのが『女の子ものがたり』。人気漫画家の西原理恵子の自伝的作品を、深津絵里主演で映画化した作品だ。この中で、主人公の高校生時代を演じた大後に、映画について、そして映画のテーマでもある「大人になること」の意味について話を聞いた。
     
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  • ──今回演じたのは同世代の女子高生で、まさに等身大の役柄ですが、演じた感想は?
  • 大後寿々花(以下、大後):私も学校で友だちと一緒に過ごしたり、休みの日に一緒に遊びに行ったりするので、演じていて共感できました。でも、銭湯の中に飛び込んだり、トラックの後ろに乗ったりするのは、絶対に経験できないことだったので、演じていてすごく楽しかったですね。
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  • ──おとなしかった主人公なつみが、友だちのきみこ(波瑠)やみさ(高山侑子)ととっくみ合いのケンカをするシーンが印象的でした。
  • 大後:友だちとのちょっとしたケンカなら経験がありますが、叩き合ったりしたことはないし、一人っ子なので兄妹ゲンカしたこともないので、最初はどうやって演じたらいいんだろうと思いました(笑)。
     撮影の前日にリハーサルをしたのですが、その時も、本番の想像がつかなくて……。でも、私が演じるなつみは、友だちに突き飛ばされるまでケンカが起きるとは想像していなかっただろうから、私も撮影が始まる前に色々考えたりせず、撮影してみて、思ったままに動いてみたら、それが一番自然に映るんじゃないかと思って。あまり深く考えないようにしました。
     撮影の時は無我夢中で、いつの間にか涙を流していましたね。そして、気が付いたら終わっていて……。すごく不思議な感覚でした。
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  • ──深津絵里さんが演じる主人公の高校生時代を演じたわけですが、役作りについて深津さんと相談したりはしたのでしょうか?
  • 大後:していません。撮影は深津さんが先でしたが、見たりもしませんでした。
     撮影時は、それぞれがどんな風につながるのか分からなかったのですが、原作と監督のイメージを合わせながら、大切に演じていけば、自然とひとつのキャラクターになるんじゃないかな、と思っていました。
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  • ──深津絵里さんの印象は?
  • 大後:『踊る大捜査線』シリーズが大好きで、よく見ていました。なので、あの作品の同じようなサバサバしたイメージを抱いていたのですが、実際にお会いしてみるとすっごく優しくて温かい感じの方で。撮影が終わった後も、深津さんの舞台などを見に行かせていただいたりして、本当に優しい方だな、と。
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  • ──原作者の西原さんが、うわさ好きの主婦役で出演していますが、お会いした印象は?
  • 大後:最初は、すっごい柔らかい感じの方だと思ったんですけど、実際にお話ししてみるとすごく芯があるというか、フンワリしている中にも、真っ直ぐな思いがある方で、もっともっとお話ししたいと思うような方でした。
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  • ──「大人になる」ということについて描いた作品ですが、大後さん自身は、早く大人になりたいと思ったりしますか?
  • 大後:小さい頃は、本当に早く大人になりたかった。大人になったらコーヒーが飲めるからとか、そういう小さな理由だったんですけど(笑)。今は、早く大人になりたいとは思わないですね。でも、ずっと子どものままでいたいとも思わないのですが……。今は、自分がどこにいるのか分からない。ちょうど、演じてきたなつみの高校時代みたいな感覚です。結婚とか将来のことも、まだあまり考えていません。
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  • ──大後さんと言えば、やはり『SAYURI』の印象が強いのですが、あの作品に出たことで変わった点はありますか?
  • 大後:小さい頃は、習い事のような感覚でお仕事をしていて、この先どうしようとかはまったく考えたことがなかったのですが、『SAYURI』に出させていただき、完成した作品を見たときに、初めてこのお仕事を続けたい、と思いました。それから、自分の今後について考えるようになりました。「女優」という仕事に対する意識や感覚も変わりましたね。
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  • ──今後も機会があれば、海外の作品に出てみたいですか?
  • 大後:そうですね。もう一度、挑戦してみたいです。
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  • ──最後に、映画を見た感想を教えてください。
  • 大後:原作は、今まで見たことのないような色づかいが印象的でした。それが、映画ではどう映るのかが楽しみだったのですが、原作と同じように印象的で、すごくきれいでした。
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(09/8/26)

映画『女の子ものがたり』大後寿々花インタビュー

おおご・すずか
1993年8月5日生まれ、神奈川県出身。子役としてドラマや映画で活躍。05年に行定勲監督の『北の零年』に出演。同年ハリウッド映画『SAYURI』に出演し、国内外の注目を集める。『グーグーだって猫である』(08)『おっぱいバレー』(09)やドラマ『セクシーボイス アンド ロボ』(07)などの話題作に出演。9月19日公開の『カムイ外伝』にも出演。

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 『女の子ものがたり』
8月29日より渋谷シネクイントほかにて全国公開

(C) 2009西原理恵子・小学館/「女の子ものがたり」製作委員会
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