前売り券100万枚突破!『妖怪ウォッチ』人気はいつまで続く?『ポケモン』との違いは?(中編)

#元ネタ比較

『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』
(C)LEVEL-5/映画『妖怪ウォッチ』プロジェクト2014
『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』
(C)LEVEL-5/映画『妖怪ウォッチ』プロジェクト2014

『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』

ポケモンより人間に近しい妖怪に親近感

(前編より続く)子どもから火が付き、大人も巻き込んで社会現象となった「妖怪ウォッチ」が映画版『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』が公開される。中だるみせず、子どもの付き添いで仕方なく劇場に出向いた大人もそこそこ楽しめるデキだ。

(前編)前売り券100万枚突破!『妖怪ウォッチ』人気はいつまで続く?『ポケモン』との違いは?

そもそも、「妖怪ウォッチ」はゲームソフトではあるが、コミック連載のほうが先にスタートしている。それぐらいドラマとしても成立しているコンテンツだ。どうしても比較されてしまう「ポケットモンスター」はどうかというと、ゲームソフト発売のほうが先で、ストーリー性はどうしても薄い。

両者とも、ゲームとしては妖怪やポケモンをコレクターアイテムとしたRPGというざっくりとしたカテゴリーとしては変わらない。ただ、「妖怪ウォッチ」は歌でも“友達大事!”というように、“妖怪とお友だちになる”という設定で、それだけ妖怪が人間に関わりを持ってくる。“ようかいのせいなのね”という歌詞もあるように、人間の行動は妖怪の仕業なのだという設定もあり、妖怪は人間に近しい存在なのだ。まぁそこが、寝坊するのもケンカするのも子どもたちが全部妖怪のせいにしてしまい、世のお母さんたちを困らせている要因なのだが。

それに対して「ポケモン」はゲットしてバトルさせて強くして……と基本的にはストーリーの起伏は少なく、パートナーとなるポケモンとトレーナーの絆を強調してはいるものの、基本的に野良ポケモンは人間と同じ世界に共存はしているが、人間に絡んでくるわけではない。だいたいニャースなんてのもいるが、ポケモンは人間の言葉をしゃべらないわけだし。

ピカチュウは“ピカチュウ”をアレンジした鳴き声だけでがんばって感情を表しているが、「妖怪ウォッチ」のウィスパーはベラベラしゃべって“執事妖怪”と名乗って主人公のケータの世話を焼いてくれるのだ。あ、そうそう、主人公のパートナーであるポケモンにおけるピカチュウのポジションを、妖怪ウォッチでは赤い猫のジバニャンだと勘違いしてる人も少なくないようだが、オバQの唇が紫になったような、マリオのゲッソーのようなビジュアルの妖怪・ウィスパーのほうなのでお間違いなきよう。また、ジバニャンは自動車事故にあった飼い猫の地縛霊ということで“ジバニャン”なのだからして、そこからもストーリー性が高いことをわかっていただけるだろう。(後編へ続く)(文:入江奈々/ライター)

『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』は12月20日より全国公開される。

(後編)前売り券100万枚突破!『妖怪ウォッチ』人気はいつまで続く?『ポケモン』との違いは?

【関連記事】
原作の凄さはいずこへ? 上滑りして感情移入できない凡作『寄生獣』
子ども向け映画シリーズの長寿の秘密
卑しくて情けない人間のもがき苦しみ、怒涛の後半から涙が止まらず『捨てがたき人々』