『Life 線上の僕ら』ディレクターズカット版が10月23日公開

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LIFE線上の僕ら
(C)「Life 線上の僕ら」製作委員会 (C)常倉三矢/芳文社

“本当に泣けるBL”の実写ドラマがディレクターズカット版映画に!

“泣けるBL No1”と称される常倉三矢原作の「Life 線上の僕ら」。ドラマシリーズ化されて2020年6月に配信スタートした実写版の『Life 線上の僕ら』がディレクターズカット版の映画として2020年10月23日から先行公開される。

・『Life 線上の僕ら』白洲迅×楽駆インタビュー

原作コミックの「Life 線上の僕ら」は、ちるちるBLアワード2018「ベストコミック部門」で1位を獲得している名作。年間に何冊ものBLコミックを読むであろうBL好きのユーザーの多くがその年のベストコミックとして同作を選んでいるのだが、確かにこの作品は本当に泣ける! 実際に筆者も読むたびに泣かされてしまう。

男子高校生から大人になる2人の距離感にキュンキュン!

メインとなるのは違う高校だけれど偶然出会った2人の男子高校生。下校途中に白線上をはみ出さずに歩くという他愛もないひとり遊びをしていて出会った晃と夕希は、やがて会うのを楽しみにするように。ある日、限られた時間の別れがもどかしくて晃は思わず夕希にキスしてしまう。合わせる顔がなくて避けてしまう晃だったが、夕希は晃に会いに行って晃を受け入れる思いをまっすぐに伝えて……。

子どもっぽい遊びに夢中な彼らはお似合いで、男の子ってかわいいなぁ、と思える。そんな2人が大学生になり、心の距離も体の距離も縮めていくようすにキュンキュンが止まらない! 彼ららしく戸惑いながら照れながら、なところもいい。

社会人になった彼らは一緒に住むようになり、やがてロマンティストな夕希は脚本家に、現実的な晃はサラリーマンとしてキャリアを積んでいく。しかし、社会人となって年を重ねると世間の目や家族の希望が気になり、少しずつ心のズレが生じてきてしまうのは世の常だ。そんな現実も容赦なく描いてゆく。

人生をまるごと描いたBLに思わず感涙!

とはいえ、この作品が感動的なところはそこじゃない。もちろん、心のズレに直面してしまった2人を見ているのは切なくて辛い。でも、それはほかの作品でもよく描かれることだが、この作品の特筆すべき点は人生を描いているところ。タイトルにも“Life”とあるように人生そのものを描いているのだ。

17歳の出会いから始まり、19歳、21歳と数年ごとに節目節目を描いていく。ネタバレとなるので多くは語りたくないが、言わないとこの作品の良さは伝わらないのであえて言わせてもらうと、若い時だけではなくこの作品は彼らの人生をすべて描いているのだ。そして、読み終わった時には悲しい涙ではなく、爽やかな感動の涙が止まらなくなる!

恋愛を描いたコミックは数えきれないほどあるが、こんなに人生をまるごと描いている作品はあまりお目にかかったことがない。さまざまなタイプの作品が存在するBLだからこそこういった作品も存在するのだろう。これだからBLはやめられない。

実写化では生真面目な晃にはドラマシリーズ『僕はまだ君を愛さないことができる』などの白洲迅、無邪気な夕希には映画『最初の晩餐』などの楽駆がそれぞれ扮している。若手イケメン俳優たちが体現する感動を味わいたい方は『Life 線上の僕ら』ディレクターズカット版を劇場で堪能してみてはいかがだろう。(文:牧島史佳/ライター)

『Life 線上の僕ら』ディレクターズカット版は、2020年10月23日より先行公開、10月30日より順次公開