サイタマノ『ニュー・シネマ・パラダイス』!? 実力派監督が、幼い日の恩人の引退を撮った『館長、最後の日』にホロリ

#ドキュメンタリー#入江悠

『館長、最後の日』
『館長、最後の日』©BROCCO FILMS
『館長、最後の日』
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
館長、最後の日
入江悠監督

少年に映画を観せてくれた“映写オジサン”

『あんのこと』『SR サイタマノラッパー』などで知られる入江悠監督が、初めて手がけたドキュメンタリー映画『館長、最後の日』が、2027年1月9日よりポレポレ東中野、1月17日より深谷シネマほかで全国順次公開される。このたび、本作の予告編が解禁された。

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本作が見つめるのは、埼玉県深谷市にある小さな映画館「深谷シネマ」を市民とともにゼロからつくり、育ててきた館長・竹石研二が引退するまでの日々。深谷で育った入江監督にとって、竹石は少年時代に初めて映画を観せてくれた人でもある。

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竹石は、映写機とスクリーンを持って子どもたちに映画を観せに来ていた“映写オジサン”だった。その後「街に映画館を作ろう」と決意し、市民とともに上映活動を続けて深谷シネマをつくりあげた。入江監督の『SR サイタマノラッパー』にも出演するなど、ふたりの交流はその後も続いてきた。竹石が館長を引退すると聞いた入江監督は、自らカメラを手に撮影を開始。監督・撮影・録音・編集・プロデュース・配給のすべてを自身で担った。ナレーションも、テロップも、音楽もない。人と場所の時間を見つめることで、映画館という「居場所」と、そこに集う人々の関係を浮かび上がらせる。

映写室で筋トレをし、お客さんとランチを食べ、劇場の外へ上映活動に出かけ、仲間と酒を酌み交わす竹石館長。映画を観なくても、館長と話すためだけに訪れる人もいる。そんな「みんなの居場所」に、館長引退の知らせが届く。引き継ぎは? 退職金は? 深谷シネマはこれからどうなる?――。解禁された予告編は、変わらず続く日常のなかで少しずつ近づいてくる「最後の日」と、ひとりの館長が去ることで浮かび上がる、人と人、人と場所のつながりを映し出している。

入江監督は、「子どもの頃、学童保育でよく映画を観せてくれた映写オジサンがいて、それが竹石さんでした」と振り返る。出会ったとき監督は6歳、竹石は37歳。深谷シネマができたとき監督は20歳、竹石は51歳。そして京都で時代劇を撮って地元に戻り、竹石の引退を聞いたとき、監督は45歳、竹石は76歳になっていたという。「竹石さんが働く最後の日々を記録したいと思い、カメラで撮りつづけました。そして、気づきました。竹石さんはずっと『みんなの居場所』を作ってたんだ、と」とコメントを寄せている。

入江悠監督

入江悠監督

一方の竹石元館長は、ある朝、深谷シネマに着くとカメラを持った入江監督がいて、「館長を撮るんですよ!」と告げられたと撮影の始まりを明かす。完成した作品を恐る恐る観てみると、「淡々とした日々の自分の姿の恥じらいを通り越して、『映画館』に集う人たちの日常と愉しみが愛おしく映っていた」と語り、「入江監督、ありがとう!」と感謝を述べた。

出演は竹石研二、深谷シネマの皆さんのほか、塚本晋也、塚尾桜雅、駒木根隆介。本作は第27回東京フィルメックス特別招待部門の正式招待作品にも選ばれている。

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