世界中から非難されるクジラの食文化 絶滅寸前の食文化について考えるドキュメンタリー『鯨のレストラン』

#八木景子

『鯨のレストラン』
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シン・ゴジラ樋口真嗣も登場、鯨食を語る

『ビハインド・ザ・コーヴ』(15年)八木景子監督の最新作『鯨のレストラン』が、9月2日より劇場公開されることが決定した。本作よりポスタービジュアルと場面写真を紹介する。

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本作は、クジラの料理としての魅力だけではなく、環境問題にも触れ、科学的な見地から現代におけるヴィーガンブーム、森林伐採、「タンパク源」のバランス問題にも向き合うドキュメンタリー映画。自然資源のルールを決める国際会議とは無縁の「クジラ専門店」の大将と、国際会議の主要人物の証言を記録したものである。

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『鯨のレストラン』

クジラ専門店「一乃谷」の大将・谷光男。現在、国内のクジラ専門店は手で数えるほどに減ってしまったが、「一乃谷」は全国のクジラ店から一目おかれ尊敬されている有名店だ。大将の谷が東北から上京し、東京・神田に「一乃谷」を構えたのは、宮城県・石巻市で東日本大震災が起こる1年前の2010年のことだった。石巻市は、国内では最大の捕鯨基地である。

現在は全盛期の1%にまでに衰退したクジラ産業。そんな苦境下で「一乃谷」の大将・谷光男は、あえて「クジラ専門店」を運営している。日本の高度成長期時代、日本人のタンパク源のトップはクジラだった。牛や豚、鳥よりもクジラが多く食されていた。今では輸入に依存しているがクジラだが、かつては「輸出」までしていた。

『鯨のレストラン』

和歌山県・太地町のイルカ追い込み漁を批判的に描き、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『ザ・コーヴ』(09年)は、日本公開時に上映反対運動が起こるなど物議を醸した。『鯨のレストラン』は、『ザ・コーヴ』に反論するかたちで製作された『ビハインド・ザ・コーヴ』の八木景子監督による最新作である。

もともと八木監督は、クジラとは縁もゆかりもなかった。映画製作の経験すらなかった2011年、彼女は東日本大震災時に石巻市でボランティアに参加していた。2014年に和歌山県・太地町で処女作『ビハインド・ザ・コーヴ』を撮影中、初めて石巻市が「日本最大の捕鯨基地」と知って驚愕したという。

『鯨のレストラン』

撮影中には多くの偶然が起きた。八木は人生の転換期に、ひょんなことからクジラの問題に関わることとなった。「今、伝えなくてはいけない」という使命感を持って、さまざまな苦境を乗り越えて本作を完成させた。

映画『鯨のレストラン』は9月2日より劇場公開。

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