糸井重里「うれしいことも、探せばちゃんとあるものだ」3.11がきっかけで生まれた民宿「つなかん」映画化を語る

#ドキュメンタリー#伊達みきお#糸井重里#ただいま、つなかん

『ただいま、つなかん』より。震災から5年後に全国から集まった元ボランティアとの記念撮影
(C)2023 bunkakobo
『ただいま、つなかん』より。震災から5年後に全国から集まった元ボランティアとの記念撮影
(C)2023 bunkakobo

ドキュメンタリー映画『ただいま、つなかん』が、2月下旬より東京・仙台を幕開けに全国順次公開する。今回はコピーライターの糸井重里やサンドウィッチマンの伊達みきおからメッセージが到着した。

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“3.11”からコロナ禍まで10年以上に及ぶ歳月を追いかけたテレビ報道発のドキュメンタリー映画

同作は、宮城県気仙沼市唐桑半島にある「民宿つなかん」と仲間たちの“3.11”からコロナ禍まで、10年以上に及ぶ歳月を追いかけたテレビ報道発のドキュメンタリー映画。100年続く牡蠣の養殖業を営む菅野和享さんと一代さん夫妻は、東日本大震災当時、津波により浸水した自宅を補修し、学生ボランティアの拠点として開放、半年間で延べ500人を受け入れてきた。若者たちに「つなかん」と呼ばれたその場所は夫妻の「皆がいつでも帰ってこられるように」との思いから、2013年の秋に民宿に生まれ変わる。

女将となった一代さんは、自慢の牡蠣やワカメを振る舞い、土地の魅力を自ら発信。そんな「つなかん」に引き寄せられるかのように、次々とこの地に移り住む元ボランティアの若者たち。彼らは海を豊かにする森を育てたり、漁師のための早朝食堂を営んだり、移住者のサポート体制を整えたりと、地域に根ざしたまちづくりに取り組み始める。

復興のその先を見つめる一代さんと若者たち。そんなある日、海難事故が発生。養殖業を廃業し、閉じこもりがちになった一代さんを思い、全国各地から「つなかん」に集まってくる元ボランティアや仲間たち。涙なみだの時を経て、民宿は再開。いつしか若き移住者たちは新しい命を授かり、地域を担う立場となっていく。そして、コロナ禍による民宿存続の危機の中で迎えた2021年3月11日。震災から10年という節目を機に、一代さんは大きな一歩を踏み出そうとしていた…、というストーリーが展開される。震災から12年目を迎える3.11に向けて、1月24日現在、全国39館で公開が決定している。

今回は、震災直後から気仙沼と深く関わり、毎年3月11日には「つなかん」を訪れるなど、公私ともに「つなかん」や一代さんを支え続けている糸井から「幸せのことを考えた」というタイトルのコメントが到着。「生きていると、うれしいことばかりに出会うわけにはいかないけれど、うれしいことも、探せばちゃんとあるものだ。そして、それをいっしょによろこんでくれる人も、たくさんいるもので。うれしいことの数を、ちょっと多めにできる人が幸せな人なんだろうなと思う。気仙沼の仲間たち、唐桑の友だちは、みんなそういう人たちだ。みんなと知りあえて、ほんとによかったよ。一代ちゃん、ぼくら、もういっそ長生きしちゃおうや。うれしいことの数を、もうちょっと増やしたりするためにさ。みんな分も、じぶんの分も」と語っている。

また、気仙沼で被災したことをきっかけに現地の方々やつなかんとのつながりが生まれた伊達は「震災以降、現地でたくさんの被災した皆さんとお会いし、お話をさせて頂きました。そんな中、素敵な笑顔と底抜けな明るさで印象的だったのが菅野一代さんでした。我々も、当日気仙沼で被災したという事もあり、特に震災以降は気仙沼の状況が常に気掛かりでした。たくさんの、優しい学生ボランティアの皆さん、気仙沼・唐桑の地で人生を歩む決断をした若い方々。震災を通じての出会い、人生をも変えるきっかけとなった時間が凝縮された映画だと思います。きっと、この映画を観たら唐桑・つなかんに行きたくなるし、一代さんに会いたくなるでしょう。僕は、そうなりました。唐桑、良い所ですよ」と話している。

『ただいま、つなかん』は2月24日よりフォーラム仙台にて、翌25日より全国順次公開。