深イイ話満載! クラシック音楽に敷居の高さを感じている人に見てほしい/前編

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『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』
『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』

名門オーケストラの世界ツアーに迫った
『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』

『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』は、オランダ・アムステルダムにあるコンセルトヘボウ(オランダ語でコンサートホールの意)に拠点を置く王立オーケストラのワールドツアーを追ったドキュメンタリーだ。演奏会そのものを収めたライヴ作品ではなく、ワールドツアーで訪れるさまざまな国での聴衆と楽団の触れ合いを中心に据えており、クラシック音楽に敷居の高さを感じている人にこそおすすめしたい秀逸なドキュメンタリーに仕上がっている。

ウィーン・フィルやベルリン・フィルと並んで世界三大オーケストラに数えられるロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)は、創立100周年となった1988年に“ロイヤル”の称号を受け、正式に王室御用達の楽団に。マーラーやストラヴィンスキー、シュトラウスといった作曲家が指揮者に就任していたこともあり、楽団員は20以上の国から選ばれた120人で構成されている。創立125周年を迎えた2013年に行なわれた世界30都市・計48公演という大規模なワールドツアーに密着した本作は、RCO初の公式記録映画となる。

監督は『メタル&メランコリー』や『アンダーグラウンド・オーケストラ』など数々の名作ドキュメンタリーを手がけてきたエディ・ホニグマン。本作で監督は、名門オーケストラによる演奏活動が一方的なものではなく、聴衆があって初めて成立する双方向的な行為であること、熱心な聴衆と同じように、演奏者も音楽がなくては生きていけない種類の人間であることを、いくつかのエピソードからていねいに描き出していく。(後編へ続く…)(文:伊藤隆剛/ライター)

【映画を聴く】深イイ話満載! クラシック音楽に敷居の高さを感じている人に見てほしい/後編

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