【鯉八の映画でもみるか。】『土を喰らう十二ヵ月』でも見るか

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鯉八の映画でもみるか。
【ムビコレ・コラム】落語家・瀧川鯉八の映画でもみるか。
(毎月15日に連載中)

【落語家・瀧川鯉八の映画でもみるか。/第32回(最終回)】

2022年秋公開予定の映画『土を喰らう十二ヵ月』に瀧川鯉八が出演させていただくことになりました。

感無量でございます。

映画にはまったく詳しくなく、詳しくなろうともせず、探究心も好奇心も全くなく、好きになった映画だけを繰り返し見るだけで、ああ面白かったなの感想しか持たないぼくがこうしてコラムを書かせていただき、そして出演までできるなんて夢のようです。

【鯉八の映画でもみるか。】毎日ヘトヘトだけど…「いま北欧ドラマが面白い!」

原案は大作家、水上勉さんの「土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―」。
主演が沢田研二さん。
監督・脚本は中江裕司さん。
料理を土井善晴さん。
松たか子さん。
西田尚美さん。
尾美としのりさん。
火野正平さん。
檀ふみさん。
奈良岡朋子さん。

という豪華フルコース。

水上勉さんのこの本は料理にまつわる名著として名高く、そこに土井善晴さんが深く関わるというのだから、きっと食にまつわる豊かな映画に決まってる。

中江監督作品『ナビィの恋』は邦画のなかでも異質な空気が漂っています。
暮らしのなかにある歓び哀しみに、一定の距離を保ちつつ、決して声を荒げることなく、どこか諦めにも似た態度で、でも愛と意思は強い。
世のあらゆる力には、ユーモアと愛と音楽と踊りとスマイルで対抗したいものです。

ぼくは2年前の夏の軽井沢で撮影しました。
沢田研二さんとお会いしました。
どこの馬の骨かわからないぼくにも90度のお辞儀をなさってくれました。
驚いたぼくのほうが会釈してしまったくらい。
本物の本物の本物のスターはクラゲのような浮遊感で、なんだかとっても素敵な方でした。
「ジュリー」とぼくが言うのは失礼なので、「ジュエリーさん」と勝手に心の中で呼んでいます。

あすは試写会。
とっても楽しみ。
ジュエリーさんはいらっしゃるのだろうか。
ジュエリーさんの静かでぽかぽかした輝きにまた包まれたいと思う今日この頃です。

どうぞ秋刀魚の季節に全国の劇場でお会いしましょう。
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

『土を喰らう十二ヵ月』

『土を喰らう十二ヵ月』は2022年秋に公開。 (C)2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会

プロフィール
瀧川鯉八(たきがわ・こいはち)
落語家。2006年瀧川鯉昇に入門。2010年8月二ツ目昇進、2020年5月真打昇進。落語芸術協会若手ユニット「成金」、創作話芸ユニット「ソーゾーシー」所属。2011年・15年NHK新人落語大賞ファイナリスト。第1回・第3回・第4回渋谷らくご大賞。映画監督アキ・カウリスマキが好きで、フィンランドでロケ地巡りをした経験も。