映画『海辺の彼女たち』を手がけた藤元明緒監督が、新藤兼人賞・金賞を受賞することが分かった。
藤元明緒監督「背筋が伸びる思い」新藤兼人賞・金賞受賞の心境語る
本作は、今年5月1日より全国で順次公開され、3ヵ月のロングラン上映を達成し、現在まで延べ全国60館にて順次上映が続く社会映画。来日したベトナム人女性労働者たちの過酷な現実と闘う姿を描く。
新藤兼人賞は、日本映画の独立プロによって組織される日本映画製作者協会に所属するプロデューサーたちが「この監督と組んで仕事をしてみたい」「今後この監督に映画を作らせてみたい」という観点から、その年の最もすぐれた新人監督を選ぶ映画賞。26回を迎えた今回は160作品が選考対象となり、将来性のある新人監督と優秀なプロデューサーに授与される2021年度の新藤兼人賞・金賞に藤元監督が選出された。
在日外国人労働者や移民に目を向けて作品づくりを行い、国際的な評価を得ている藤元監督。今回の受賞について「受賞の知らせを聞いた時、全く期待をしていなかったので頭が真っ白になりました。審査していただいた現役のプロデューサーが通常業務の傍ら膨大な数の作品を鑑賞することは、作品づくりだけでも手が回らない僕にとって想像を絶します。その映画愛にあふれた行為のもと、この度の賞を贈っていただいたことに心から感謝を申し上げます。『映画を作りたい』と上京してちょうど10年。これまでの作品づくりを通して痛感するのは『映画監督』とは僕1人がなりたいと言ってなれるものではなく、スタッフ・キャスト、スポンサー、協力者、映画館、観客のみなさんから監督として認識されて初めてなれるものだということです。監督としてのアイデンティティを形成させてくれた全ての方々とこの喜びを共有できることを嬉しく思います。同時に、新藤兼人監督が紡いでくれた大きな文脈からさらに、僕も次につなげなければと背筋が伸びる思いです」とコメントしている。
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