津田寛治が“人生ベスト5に入る幸せな時間”にあげたこととは?

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『ONODA 一万夜を越えて』
映画『ONODA 一万夜を越えて』公開初日舞台あいさつの様子
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俳優の遠藤雄弥、津田寛治が10月8日、都内で実施されたW主演映画『ONODA 一万夜を越えて』の公開初日舞台あいさつに共演の仲野太賀、井之脇海、イッセー尾形と共に登壇。それぞれが本作にまつわるトークを展開し、会場を盛り上げた。

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日本兵演じた遠藤・津田・井之脇、カンボジア撮影に苦戦苦闘

本作はフランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、日本による合作映画。実在の人物である小野田寛郎旧陸軍少尉(遠藤・津田)が、太平洋戦争の終わりを迎えた後も任務解除の命令を受けられないまま、フィリピン・ルバング島にて約30年間の孤独な日々を過ごした実話をもとに、彼が生き抜いた孤独と壮絶な日々を描かれる。

青年期の小野田を演じた遠藤は、日本凱旋公開が実現したことに「胸がいっぱい!」と感無量。成年期の小野田を演じた津田は「昨夜大きな地震が来たときは『どうなってしまうんだ』とドキドキでしたが、今日こんなにたくさんの方にきていただき嬉しい。(作品は)若手俳優陣の格闘技にも似た共演が見どころ。特に太賀君の目に注目して!」と先日の地震に触れつつ、若手に花を持たせた。小野田に特殊訓練を施す教官・谷口義美役のイッセーは「映画は3時間と長尺ですが、体感的には1時間!」と作品への没入感に胸を張っていた。

日本兵を演じた遠藤、津田、井之脇の3人が撮影時に悩まされたのは、カンボジアという異国の環境。遠藤が「お水だけが体に合わず、みんな熱を出しながら満身創痍の撮影だった」と打ち明けると、井之脇は「減量のために食を制限すると水分に癒しを求める。でもその水が現地では手ごわかった」と苦笑い。

さらに井之脇が「遠藤さんの宿泊先のホテルの天井が雨水で崩壊。部屋も荷物も全部びしょ濡れだった」とハプニングを暴露すると、被害を被った遠藤は「撮影を終えて部屋に戻ったら部屋中水浸し。天井を見上げたら夜空が見えた。水は恐ろしい」とカンボジアでの水難続きに驚いていた。

もしも俳優以外の人生を歩んでいたら?

映画の内容にちなんで「俳優以外の人生を歩んでいたら?」という質問に遠藤は「俳優でなければ、プロレスラーになりたかった。幼少期から格闘技を見るのが好きで、プロレスラーの武藤敬司選手に憧れていました。子供時代に見ていたプロレス番組が俳優としてのアクション芝居に活かされていると思う」と意外な願望を告白。

津田は俳優にならなければ「漫画家を目指していたはず」と告白。「子供時代はよく漫画を描いていて、それを冊子にして友達に見せていました。その行為が自分の人生の中での幸せな時間ベスト5に入る」と懐かしそう。

イッセーは「宮大工になりたかった。カンナやノコギリで木を切るのが好きで、名もない壊れそうな寺を直してみたい。乱暴な言い方かもしれないけれど、建物を建築することは映画作りにも似ている。棟梁と呼んで!」とクリエイター気質の横顔を見せた。

仲野太賀と井之脇海がどうしても行きたかった場所は?

小野田の帰国を成功させた鈴木紀夫役の仲野は、役柄にちなんで「どうしても行きたかった場所」を聞かれると「カンヌ国際映画祭」を挙げて「深田晃司監督の『淵に立つ』がカンヌに出品されたとき、僕はドラマの撮影スケジュールの都合で現地に参加できなかった。でも運よくスケジュールが数日空いたので、マネジャーの制止を振り切って強引にカンヌに行きました。レッドカーペットを歩くことはできなかったけれど、行くことに意味があったし、行ってよかった」と映画人憧れの聖地への巡礼を回想した。

小野田と行動を共にする赤津勇一役の井之脇は、どうしても行きたかった場所として「カンボジアロケからの帰国直後に行ったお寿司屋さん」を挙げた。「役作りでの減量が大変で、帰国したら美味しいものが食べたかった。回転寿司ではなく、高いお寿司屋さんに行きました」と照れながら報告。津田から「何を食べたの?」と尋ねられると「えんがわです。大好きで五貫くらい頼みました」と明かして笑わせた。

イベント終盤には、日本公開を祝してアルチュール・アラリ監督から送られたカンヌ産のワインがキャストを代表して遠藤に贈呈された。アラリ監督からの「参加してくれた俳優、スタッフに敬意を表します」などというビデオメッセージも受け取った遠藤は「本来ならばみんなでカンヌに行って監督と一緒に喜びを分かち合いたかった。いつか必ずみんなでフランスに行きたい。監督に会う際は小野田さんの故郷である和歌山県の地酒をお返しで持っていきたい」とフランスでの再会に意気込み。最後は津田による発声で観客を巻き込んだ一丁締めを行い、撮影から長い航海を経て会場全体で『ONODA 一万夜を越えて』の大ヒットを祈願した。

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