YouTubeの時代、企業のPR動画はどう変わっていくのか?

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話題になったヌートバー選手出演CM

こちらは、ご存知ラーズ・ヌートバー選手が出演する「Zoff」のCM。侍ジャパン初の日系人メンバーで、日本中を沸かせたWBC優勝の余韻もさめやらぬ4月後半に掲載されたこともあって、その人気はすさまじく、ムビコレのYouTubeチャンネルにアップしたこのCM動画は4月中に100万回再生を突破した。

通常、番組内で取り上げられない限り、テレビではCM本編のみがオンエアされる。一方、YouTubeではインタビューやメイキング映像も一緒に掲載されることが増えた。「Zoff」のCMもインタビューやメイキング映像を見ることができ、インタビューでは「3年後にまたチームに戻ってみんなとプレーをしたい」と話し、メイキングではWBCで見せてくれたハッスルプレーそのままに、明るく現場を盛り上げながらも、真摯に撮影に取り組む姿が映し出されており好評だ。

では今、企業はYouTubeをどのように活用しているのだろうか? 第1弾として今回は、企業動画の「現在地」について見ていこう。

YouTubeは企業が利用者と動画でつながった最初のツール

YouTubeは企業や個人がテレビなどの既存メディアを介することなく、はじめて「動画」で自ら情報を発信し、利用者と直接つながることができるようになったツールだ。これまでだったら企業は新商品や新サービスを展開する際に、映像を利用しようと思えば、テレビに広告出稿するしか手がなかった。それが、YouTubeの登場によって、はじめて直接ユーザーとつながることができるようになったわけだ。

YouTube時代、変化する企業動画3つのポイント

では、テレビではなくYouTubeで動画を見てもらえるようになって、動画はどう変わったのか? そこには3つのポイントがある。

1つ目が、これまでテレビでは見ることができなかった動画が見られるようになったこと。冒頭のヌートバー選手のところでも触れたように、例えばCMなら、そのメイキングやインタビュー動画が見られるようになったわけだ。こうしたメイキングやインタビュー動画は、以前なら、例え撮影したとしても記録用の意味合いが強く、人目に触れる機会は少なかった。それがYouTubeが普及し誰もがネットで動画を見る時代になったことで、逆にネットならではの動画として、テレビ放映と差別化できるキーアイテムになってきている。

2つ目が、長めのCMが作られるようになったこと。1つ目にも関連するが、テレビでは通常、15秒、30秒のCMが主流となる。それを超えたもの、例えば2分のCMは、仮に制作されたとしても、目にする機会は少ないだろう。だが、YouTubeという動画インフラの登場により、その状況に変化が起こった。1分や2分、あるいはもっと長い動画ですら作られるようになったのだ。

この手の動画で、よく目にする1つが、音楽を1曲フルに使ったCM。企業がテレビ用に15秒、30秒CMを制作する際に、丸々1曲を使ったフルバージョンも制作。このフルバージョンはテレビでオンエアされることはまずないが、YouTubeでは視聴でき、その曲が好きな人にはたまらないコンテンツとなる。ほかにも、ドラマ仕立てになっているCMの長尺版など、15秒や30秒という枠組みを超えることで、商品の魅力やCMの魅力を高めることが可能となり、テレビとの差別化も図れることになる。

ちなみに、この1つ目と2つ目、似ているようだが違いは明白だ。1つ目がメイキングなどといったCMの裏側が新たにコンテンツの1つとして加わったことを意味しているのに対し、2つ目は、CMそのものの長さを変えることで、より表現の幅を広げるという考え方。どちらも、枠に収まりにくいため、テレビでは流せないものの、その分、差別化も図れるというわけだ。

そして、3つ目として挙げられるのが、最初からネットでの掲載を目的にした動画制作。1つ目、2つ目が、ともすると、テレビで放映するから「そのついで」的に見えてしまうのに対し、こちらは最初からYouTubeでの掲載を意識して作られている。ジャンルも幅広く、普通のCMっぽいものからドラマ仕立て、情報番組風の動画にショート動画など、枚挙にいとまない。そして、おそらく、今後もっとも増えていき、幅が広がっていくのもこのタイプのPR動画だろう。

参加費無料のイベントも開催

なお、登録者数180万人のYouTubeチャンネル「moviecollectionjp」を運営しているムビコレでは、これまで培ってきた知見を生かし、それをみなさんと共有することを目的としたイベント「映画メディア編集長が語る!流行をつくる『動画』考」を月1回程度で開催中。前述したような内容を含め、実際にYouTubeに掲載されている動画を見、時にアナリティクスをチェックしながら、YouTube動画の「現在地」をガイドするといった内容だ。

場所はムビコレ編集部のある赤坂。参加費は無料。好きなドリンクを飲みながら考え語る、ゆるいイベントになっている。次回は7月27日18:30〜開催予定。ご興味のある方は、以下のページでご確認ください。

【第四回:映画メディア編集長が語る!流行をつくる「動画」考】
■日時:2023年7月27日(木)18:30〜
■場所:赤坂のオフィス
■参加費:無料

■開催概要ページ
https://peatix.com/event/3648849/view
■イベント参加のエントリーフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSec26qpRZA_-uDJTSOn2DassrShRuGlmVjO25EwfMT2m5lNDQ/viewform
■ムビコレへの問い合わせフォーム
https://www.moviecollection.jp/contact/

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