『ランボー 最後の戦場』記者会見

オレの娘をデートに誘うヤツは、覚悟しておけ!?

#シルヴェスター・スタローン

シルヴェスター・スタローン

 オレの娘をデートに誘うヤツは、覚悟しておけ!?
  • シリーズ3作目の『ランボー3/怒りのアフガン』(88年)以来、20年ぶりの新作となった『ランボー 最後の戦場』。この映画を引っさげシルヴェスター・スタローンが来日。記者会見にのぞんだ。昨年公開の『ロッキー』シリーズ最終章『ロッキー・ザ・ファイナル』に続き、自身の出世作の続編を、立て続けに贈りだしたスタローン。かつて、我々を熱狂させたアクションスターが、今なぜ、続編なのか? その理由をはじめ、『ランボー』に対する熱い思いを、笑いを交えながら語ってくれた。
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  • まずは20年ぶりに『ランボー』の新作を作った理由と、舞台をミャンマーにした理由から
     
  • 「今回、もう1度『ランボー』を撮ろうと思った理由は、昨年の『ロッキー』と同じで、残念ながら前作のデキに満足していなかったから。それと、ミャンマーを舞台にしたのは、哀しいことに、今なお世界中の多くの人々が、ミャンマーの内戦を知らないからなんだ。特にアメリカ人はね」
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  • そう語るスタローンは、今回は主演のみならず、監督・脚本も担当。劇中には目を覆いたくなるほどに激しい殺戮シーンをふんだんに取り入れ、日本ではシリーズ初となるR-15(15歳未満入場不可)にも指定されている。
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  • 「これはタフで、見るのが少しつらい映画。それをあえて見てもらった結果、みなさんがミャンマーの現状に目を向けてくれ、ミャンマーの方々がこれまで、どれほど苦労してきたかを知ってもらえたことは、大変喜ばしいことだよ」
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  • 続いて、続編についての質問。「正直、考えてる」という応えたスタローンは、メキシコで実際に起こっている500人くらいの女性拉致事件をヒントに、行方不明になった女性をランボーが探しに行くという物語を構想中と明かす。
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  • 「個人的には次は、現代的なウェスタン(西部劇)として描きたいと思っているんだ。だけど、それはまだ頭の中だけのこと。実際には何も決まっちゃいいない。ただ、1つ言えるのは、次回作は戦争映画にはならないってことかな。なぜなら、戦いは彼のハートの中にあるからね」
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  • 激しい戦闘シーンが多いこの映画。撮影では困難を極めたという。中でも一番難しかったのが、拉致されたサラたちを救出するシーンだ。
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  • 「30日かかって夜のシーンを撮影したんだけど、毎晩雨が降って、寒くて、とても苦労したよ。それと、海賊を撃つシーン。このシーンには、ミャンマーのミュージシャン2人が海賊役で出てくれたんだけど、とても良い方なのに加え、俺はギタープレイヤーを撃つのがつらくてね。だから、とっても印象に残っているんだ」
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  • そう言ってニヤリと笑ったスタローンが、「最後に少し面白いお話をみなさんにしよう」と、あるエピソードを話し始めた。
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  • 「すごい爆破から、命からがらランボーが逃げるシーンがあって。その撮影が終わり『やっと終わった、オレも歳をとったな』なんて思いながら立とうとしたら、ちょうどそこに竹があって、頭をぶつけて気絶してしまったんだ。だからみなさん、覚えておいて。ランボーは、アフガニスタンの兵士にも、ロシアの兵士人にも、ミャンマーの兵士にも殺されなかったけど、竹に頭をぶつけて死んでしまったんだ、と(笑)」

     

    「それともう1つ、お話しておきたいのは、ミャンマー政府は、ミャンマー人がこの映画に出たら、例え10年間タイで暮らしている人でも、ミャンマーに残っているその人の家族を牢屋に入れると脅してきたんだ。それにも関わらず、何人ものミャンマー人が、この映画に出てくれた。それだけ、出る価値がある映画だと思ってくれたんだと思う。オレはそうした方々に対し、心から敬意を示したい」

     

    そう言って、記者会見を終えたスタローンは、その場で行われた次のセレモニー(劇中で使用したアーチェリーをチャリティーオークションに出品するためのサインタイムと、日比谷シャンテ前の広場に埋め込む手形を取るセレモニー)までの空き時間に、再び壇上に上がるや、会見場に飾られている巨大なパネルを見ながら喋りはじめた。そのパネルは、ランボーが機関銃をぶっ放す写真なのだが……

     

    「ぜひとも、このパネルをアメリカに持って帰りたいね。自宅の玄関に飾っておくから。というのも、娘がいて、最近、彼氏ができたみたいで、デートに誘われているようなんだ。だからその男に、まずはこのパネルを見せ、『それでもお前は、オレの娘を誘う気か』って言ってやりたいと思ってね(笑)」 


シルヴェスター・スタローン
シルヴェスター・スタローン
Sylvester Stallone

1946年7月6日生まれ、ニューヨークの危険地区ヘルズキッチンで生まれる。チャンスに恵まれず売れない俳優として極貧のなかで書き上げた自らの脚本をもとに主演した『ロッキー』(76年)が大ヒット。アカデミー賞作品賞、監督賞、編集賞に輝き一躍トップスターに。続編『ロッキー2』(79年)では監督も兼務し、アクションスタートしての地位を確立する。その後も『ランボー』シリーズ(82年〜08年)、『エクスペンダブルズ』シリーズ(10年、12年)をヒットさせる。