『チャイルド44 森に消えた子供たち』トム・ハーディ インタビュー

ワイルドな魅力で人気急上昇! 作品が目白押しの注目俳優を直撃

#トム・ハーディ

この映画は刺激的な経験になるだろうと感じた

『インセプション』『ダークナイト ライジング』で注目を浴び、主演作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がヒット中のトム・ハーディ。ハリウッドの新たなトップスターとして乗りに乗っている彼の次なる作品が、『チャイルド44 森に消えた子供たち』だ。

1953年、スターリン政権下のソ連を舞台に、「理想国家」と現実とのギャップを描いた問題作で、ハーディは主人公の秘密警察捜査官を演じている。犯罪が存在しないはずの「楽園」で起きた子供たちの連続殺人事件を描いた原作はロシアでは発禁本となったという。そんな本作の見どころについてハーディーに語ってもらった。

──本作のどんなところに魅力を感じましたか?

ハーディ:2つある。まずストーリーが気に入った。それに、制作チームの顔ぶれが魅力的だったんだ。(製作会社の)ライオンズゲートとは『ウォーリアー』で一緒に仕事をしたことがあったが、その時は素晴らしい経験をさせてもらった。本当に楽しい撮影だったんだよ。ストーリーに関して言えば、『チャイルド44 森に消えた子供たち』はアクションも満載だが、歴史ドラマでもある。キャラクターに導かれて展開する自然主義的なストーリーは、僕にとって身近だが刺激的な分野なんだ。

妻ライーサを演じたノオミ・ラパス
『チャイルド44 森に消えた子供たち』
7月3日より公開
2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

──出演が決まった経緯を教えてください。

ハーディ:(主人公の妻役を演じた)ノオミ・ラパスと僕と(監督の)ダニエル・エスピノーサ、そして(製作の)リドリー・スコットと話し合っているうちに決まったんだ。『The Drop』で共演後、ノオミと僕はまた一緒に仕事ができるプロジェクトを探していた。そんな時、ノオミが『チャイルド44 森に消えた子供たち』とダニエルのことを聞きつけてきてね。僕たちは話し合いの場を設けて、企画について大いに語り合った。僕たち全員にとって刺激的な経験になるだろうと感じられたから、企画を実行することにしたんだ。

──ノオミ・ラパスとの再共演はいかがでしたか?

ハーディ:ノオミは自分がやりたい企画を見つけると、それを実現するためにがむしゃらに努力するタイプの人間だ。撮影現場に立つと、110%の力を注いで演技する。僕が出会った中でも最高の役者の1人だよ。彼女に企画を持ちかけられたら、無視したり適当にあしらったりできるものじゃない。彼女が僕と同じように仕事を愛していることを知っているからね。この作品でダニエル・エスピノーサとの仲を取り持ち、関係を築いたのは彼女だ。それから企画が実を結ぶまで、ひたすら懸命に努力を続けていたよ。

ゲイリー・オールドマンは史上、最も優れた性格俳優の1人だ
ゲイリー・オールドマン(左)とトム・ハーディ(右)
『チャイルド44 森に消えた子供たち』
7月3日より公開
2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

──ダニエル・エスピノーサ監督はいかがでしたか? スウェーデンからハリウッドに進出、『デンジャラス・ラン』をヒットさせて今や引っ張りだこですね。

ハーディ:ダニエルもノオミと同じくらい熱心に情熱的に仕事に取り組む。一緒に仕事をしたいと思わせる人だね。彼らは時間を無駄にしない。心から仕事を愛していて、どんな努力も厭わない。限界に挑戦し、可能な限りベストな映画を作るためなら何でもするんだ。。

──秘密警察のエリート捜査官レオを演じていますが、演じた感想は?

ハーディ:僕にとって刺激的で興味深かったのは、レオが複雑な人物だという点だ。だが映画で演じる際にはシンプルにしなくてはいけない。まずシルエットを描いて、それから命を吹き込む。レオは太陽に近づきすぎたイカロスのような人物なんだよ。彼には悲劇的な側面がある。少年時代は親がいなくて何一つ持っていなかった。そこから這い上がり、一度はすべてを手にするが、また何もかも失ってしまう。でも前に進むために人生を立て直そうとする。分かりやすい軌道を描いている人生だね。

──偉大なアンサンブルの一部でもありますね。
ネステロフ将軍を演じたゲイリー・オールドマン
『チャイルド44 森に消えた子供たち』
7月3日より公開
2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

ハーディ:夢のようなアンサンブルだね。ソビエト連邦やスターリン政権下の共産主義という舞台背景もあるし、そんな状況で連続殺人事件の捜査が行われるのも面白い。

──ストーリーもスリリングですね。

ハーディ:そうだね。戦争の英雄で今は秘密警察で働く男がいる。彼は孤児から身を起こし、スターリン政権下のロシアで象徴的な存在になった。究極的には共産主義そのものの象徴だ。だがそれに裏切られる。親友の息子が殺されたことを否定するよう強要され、心から愛している女性(ノオミ・ラパスが演じるライーサ)は自分のことを愛していないという事実を突きつけられる。愛する人たちから怪物のように見なされても、彼が生きている政治的環境の中では何もできない。そこが生きる場所であるばかりか、秘密警察の一員として、その体制の先導的役割を担う存在だからね。

──どこで撮影したのですか?

ハーディ:撮影はチェコ共和国で行った。スタッフは素晴らしかったよ。高い水準を保って撮影を遂行し、無駄は一切、なかった。仕事をするには最高の国だね。みんなが真剣に仕事をする現場で働けたのは素晴らしい経験だった。彼らはみんな真剣だが、深刻になりすぎることもない。

──ゲイリー・オールドマンが、レオに捜査協力する警察署長を演じています。過去も共演されていますが、今回共演した感想は?

ハーディ:『欲望のバージニア』、『裏切りのサーカス』、『ダークナイト ライジング』そして本作で4度目だね。ゲイリー・オールドマンは史上、最も優れた性格俳優の1人だ。こんなことを言うのは僕だけじゃないよ。彼は大作映画でもインディペンデント系映画でも舞台でも、常に最高レベルの演技を見せる。本当に優れた才能の持ち主だ。どんな作品でも、いつも変わらず高水準の名演技を続けているんだよ。ゲイリーのような人と共演すると自分の演技も磨かれるし、最高レベルの真剣さとプロ意識で仕事が成されるという安心感がある。彼は記憶に残るキャラクターを次から次へと演じては、絶え間なく、その力量を証明し続けているんだ。そんな人と共演できたのは、いろんな意味で、夢のようだったよ。

トム・ハーディ
トム・ハーディ
Tom Hardy

1977年9月15日生まれ、イギリスのロンドン出身。『ブロンソン』(08年/未)で注目を浴び、クリストファー・ノーラン監督『インセプション』(10年)、『ダークナイト ライジング』(12年)、『裏切りのサーカス』(11年)などで人気を博す。ヒット作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15年)に主演。その他『欲望のバージニア』(12年)などに出演。現在、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督レオナルド・ディカプリオ共演『The Revenant』を撮影中。

トム・ハーディ
チャイルド44 森に消えた子供たち