犠牲者7万3000人、大半が民間人――兵士たちの告発があぶり出す国家が生み出した「虐殺のシステム」の正体

#NAZA ナザ#ジョナサン・グレイザー#ドキュメンタリー

(C)The Guardian 2026
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攻撃は「ゲームだった」兵士・諜報員24名による衝撃的証言

『関心領域』(23年)監督ジョナサン・グレイザー製作総指揮、第97回アカデミー賞受賞作『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』(24年)イスラエル監督チームにより制作されたドキュメンタリー『NAZA ナザ』の緊急公開が決定。上映に先駆けて、今回本編映像が解禁された。

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2023年10月7日のハマスの襲撃をきっかけに始まったイスラエルによるガザへの攻撃で、犠牲者は7万3000人以上にのぼった。その大半は民間人だ。イスラエル軍は表向きには「民間人の犠牲は最小限に努めている」と主張するが、実際は民間人に被害が及ぶことを、組織的に承認したうえで大規模攻撃を遂行していた――。

本作は、夜の暗闇の中、テルアビブのとある建物の屋上でイスラエル人ジャーナリストのユヴァル・アブラハームとラヘル・ショールがイスラエル軍の兵士や諜報員24名に極秘インタビューを行い、ガザで行われている民間人虐殺について「どのような指令を受けたのか?」「何をしたのか?」と証言を引き出していくドキュメンタリー。

ガザ地区の監視や遠隔攻撃に直接関与した経験を持つ証言者たちは、イスラエル当局に特定されれば報復を受ける危険があるため、匿名でインタビューに応じた。彼らがどのようにして何万人もの民間人の殺害に加担したのか、なぜそれができてしまったのか——その背後にある、イスラエル国家が組織的に作り上げた<虐殺のシステム>が、ひとりひとりの言葉から浮かび上がる。

今回解禁された本編映像では、民間人への攻撃に関与した兵士による、あまりにショッキングな証言を収められている。高層ビルが建ち並ぶ先進都市テルアビブの屋上で、人目に付かない暗闇の中、向かい合う監督ユヴァル・アブラハームと証言者。彼はイスラエル軍の兵士であり、ガザでパレスチナ人に対する遠隔攻撃に関与したという。「ゲームだった」という耳を疑うような言葉から始まり、ガザの人々が食料を求めて橋を渡り、配給所へ向かうところを狙撃手が狙っていたという事例を淡々と語っていく。

画面越しにその光景を見ていたと語る彼の言葉からは心を痛める様子はうかがえず、「ひとりの人間が命を奪われている」という感覚はすでに麻痺していることが伝わってくる。それほどに、イスラエル軍の兵士たちは感情を無にして任務を遂行できるようにシステムによって“慣らされている”のだ。

私は

(C)ガーディアン 2026

本作では、紙に手で図を描きながら説明するという原始的な方法を用いて証言を促していく。その方法を選んだ理由として、監督ふたりは「他者を殺害するには、相手の人間性から目を逸らす必要があります。相手を数字や統計、あるいは画面上の『点』として捉えたり、ヘブライ語の軍事用語で『付随的被害(巻き添え被害)』を意味する婉曲表現『NAZA』として位置づけたりすることは、その人から人間性を奪うためにしていることです。兵士たちに手で描いてもらうことで、その仕組みに関する重要な知見が得られるだけでなく、遠隔地からの大量殺戮に関与した個人が犠牲者をどのように捉え、そして表現するのかという、加害者の視線についての洞察も得られると考えたのです」と語っている。

公開初日である10月24日のシアター・イメージフォーラムでは、1回目の上映後に、本作の監督ユヴァル・アブラハーム&ラヘル・ショール、製作総指揮を務めた『関心領域』監督のジョナサン・グレイザー、プロデューサーらの計5名による、ロンドンで行われた質疑応答イベントの映像が特別上映されることが急遽決定した。

10月15日に実施されたばかりのこの質疑応答イベントでは、映画制作の経緯や撮影背景、監督たちの決意をはじめ、イスラエル政府から激しい非難を浴びる彼らが今現在どのような状況に置かれているのかなどが、自身の口から語られている。刻一刻と変化する本作の状況を日本でもリアルタイムで知ることができるようにと、急遽上映が決定した。現時点で本映像は、オンラインなどで公開される予定はないため、この貴重な機会にぜひ劇場で鑑賞してほしい。

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『NAZA ナザ』は現在公開中。

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