松村北斗&今田美桜が東野圭吾原作への思いと見どころを熱弁 『白鳥とコウモリ』完成披露
#三浦友和#中村芝翫#井川遥#今田美桜#前原滉#岸善幸#東野圭吾#松村北斗#柄本佑#白鳥とコウモリ
納豆トークで会場も爆笑、終始和やかな舞台挨拶に
映画『白鳥とコウモリ』の完成披露試写会が8月2日に丸の内ピカデリーにて開催され、ダブル主演を務める松村北斗と今田美桜をはじめ、柄本佑、前原滉、中村芝翫、井川遥、三浦友和、そして岸善幸監督が登壇。本作を初めて観客へ届ける喜びや、撮影時のエピソード、作品に込めた思いをたっぷりと語った。
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・松村北斗が背負う“容疑者の息子”という宿命 『白鳥とコウモリ』で交錯するそれぞれの正義
本作は、善良な弁護士・白石健介が刺殺された事件をめぐり、事件の犯人として自供した男の息子・倉木和真と、殺害された被害者の娘・白石美令が、それぞれの父親の言動に違和感を抱き、ともに事件の真相を追い始める物語。出会うはずのなかった<容疑者の息子>と<被害者の娘>による“禁断のバディ”を通して、事件の謎を追うミステリーと、それぞれの葛藤や人間模様を重厚に描き出す。

完成披露試写会に先駆け、本作の世界観を表現したオープニングセレモニーが実施された。音楽が流れる中、容疑者の息子・倉木和真役の松村北斗を皮切りに、被害者の娘・白石美令役の今田美桜、事件を追う刑事・五代努役の柄本佑、所轄刑事・中町役の前原滉、殺害された弁護士・白石健介役の中村芝翫、浅羽織恵役の井川遥、殺人事件の犯人であることを自供する倉木達郎役の三浦友和、岸善幸監督がエスカレーターから一人ずつ登場。豪華キャストが次々と姿を現すドラマチックな幕開けに、大きな拍手が送られた。
全員がステージにそろうと、松村を皮切りに一人ずつ挨拶。松村は「一生懸命、魅力をお伝えしますので、どうか力を貸していただけたらと思います」と呼びかけ、今田も「今日は皆様と一緒に映画の魅力をたくさんお伝えできるよう頑張ります」と笑顔で意気込みを語った。
柄本は「短い時間ではありますが、『白鳥とコウモリ』を皆さんと盛り上げていけたらと思います」と挨拶し、前原も「この映画の魅力を、限られた時間ではありますがお伝えできたらと思います」と続く。
中村は「僕が多くを語るとネタバレになってしまうと思うので、とにかく多くの方にこの映画をご覧いただきたいです」と期待を込め、井川は「ミステリーでありながら、とても重厚な人間ドラマでもあると思います。たくさんの方に見ていただけるよう、皆さんと一緒に盛り上げていきたいです」とコメント。
三浦は「本当に素晴らしいミステリー作品になっていますので、どうぞお楽しみください」と呼びかけ、最後に岸監督が「楽しんでいっていただければうれしいです」と締めくくった。

続いて、本作の完成を記念した特別演出が行われる。白鳥とコウモリの羽ばたきの音を合図に、黒と白の羽が一斉に舞い上がり、黒を基調としていたステージは鮮やかな白へと姿を変える。『白鳥とコウモリ』のタイトルにも通じる、光と闇のコントラストを印象的に表現した幻想的な空間が広がった。
オープニングセレモニーの最後には、岸監督と主演の松村、今田が、本作の完成を迎えた思いとともに、原作者・東野圭吾への思いを語った。
岸監督は「東野先生が『白鳥とコウモリ』で描かれたのは、人間の複雑な感情や、生きることの悲しさ、厳しさ、そして生きるために必要な希望だと思います」とコメント。「ミステリーとして斬新な設定がありながら、その本質は人間ドラマを描くことにある。その思いを大切に、スタッフ、キャストの皆さんと話し合いながら作ってきました」と振り返り、本作を観客へ披露できる喜びを語った。
今田は、美令を演じた時間を振り返りながら、「拭いきれない疑問を前に、様々な思いと葛藤を抱えながらも、強く真実を追い求める姿に、とても心を動かされました」とコメント。「東野圭吾先生の極上のミステリーを、『白鳥とコウモリ』出演者の一人として、大切に届けてまいりたいと思います」と思いを込めた。
松村は東野作品について、「登場人物や、読者の心に、深く寄り添ってくださる方という印象があります」と語り、「事件や真実には白黒がついても、人の心は完全に100と0で白黒をつけられるものではない。そのことが、僕にとっては救いでもありました」と本作から受け取ったものを明かすとともに、「東野先生の思いを受け取り、受け継いで、多くの方へ届けていけたらと思います」と力強く語った。
その後、登壇者たちは凛とした佇まいのまま会場を後にし、オープニングセレモニーは作品の世界観とキャスト陣の思いを印象づけながら、余韻を残して締めくくられた。
続いて、完成披露試写会が実施され、MCの呼びかけとともにキャスト・監督らが客席後方の扉から登場すると、会場からは温かな拍手が送られた。登壇者たちは客席通路をゆっくりと進み、落ち着いた空気の中、ステージに姿をそろえた。
会場の期待が高まる中、タイトルやポスタービジュアルでも象徴的に描かれている“白と黒”“光と闇”にちなみ、「身近に感じている、白黒はっきりさせたいこと」をテーマにトークセッションがスタート。

松村が挙げたのは「納豆の食べ方」。「納豆は混ぜてからタレを入れるのか、タレを入れてから混ぜるのか。毎朝どちらが正しいのか分からず、間抜けな気持ちになっています」と真剣な表情で打ち明けると、今田は「私はタレを先に入れた方が、全体的に混ざると思います」と回答。
柄本は「混ぜてから5分くらい置いた方が味がなじむ気がします」と独自の食べ方を披露し、松村から「今の話、全然関係ないですよね?」とツッコミが入る。さらに井川が「冷蔵庫から出してしばらく置いて、菌を一度元気にしてから食べると聞きました」と紹介すると、松村は「納豆って食べるまでにそんなに時間がかかるんですか?」と驚き、会場は笑いに包まれた。
今田は、納豆の上に乗っているフィルムの扱い方が気になると告白。「私はふたの裏にくっつけるタイプです」と明かすと、松村は「ふたを少し閉じて、フィルムを引き抜いてから裏に貼りつけます」と細かな手順を説明。予想外に広がっていく納豆トークに、岸監督も「もう井川さんが答えを出してくれていると思います」とまとめに入り、和気あいあいとした掛け合いが繰り広げられた。
また、作品の見どころや撮影時の共演者とのエピソード、岸監督ならではの演出、物語の舞台となった愛知県常滑市での撮影についてもトークが展開された。
本作の見どころについて、松村は、容疑者の息子と被害者の娘が手を組むという設定に触れ、「2人が父親についての言葉をこぼし合い、バディというものを超えて、純粋に言葉をこぼせる相手になる瞬間の温度感が、この作品の中で特殊だと思います」と説明。特に二人がカフェで語り合う場面を挙げ、「そこだけ時間の流れ方が変わるように感じる。そういう感覚的な見方をしても面白いと思います」と語った。
今田も「ミステリーとして見逃せない部分がたくさんあり、本当にあっという間」と太鼓判を押す。「登場人物たちの思いや、今考えていることが交差し、一つの真実にたどり着く過程が見応え抜群です」と紹介し、松村が挙げたカフェの場面について「和真と美令が“禁断のバディ”として一歩を踏み出し、打ち解ける瞬間は、私も好きなシーンです」とも明かした。
三浦は「被害者と加害者、それぞれの親を持つ2人が、ミステリーの謎を解いていく。通常であれば刑事が謎を解いていくところを、そうではない二人が追っていくところが見どころです」と、本作の斬新さを語った。

一方、刑事としてもう一つのバディを演じた柄本と前原。柄本は「五代と中町は、仕事の部分とパーソナルな部分を非常に分けた芝居を、お互いにしていたと思います。そこも裏の楽しみの一つです」とコメント。前原も「中町として、五代さんを通して事件を見ている感覚がありました。五代さんが五代さんとして存在しているから中町も中町としてそこにいられた」と共演シーンを振り返った。
井川は「親の世代と若い2人の時間が交差し、人の思いは白か黒かでは分けられない。どの役にもつらさや切ない動機がありますが、最後には少し希望をもたらしてくれる作品だと思います」と語った。
中村は「東野先生の頭の構造はどうなっているのだろうと思うほど、台本を読むうちに物語がどんどん立体的に浮かび上がり、加害者と被害者の娘と息子が手を組むという、通常ならあってはいけないような関係の中に、人間の心のひだや、それを超えた深いものが描かれている」と本作の魅力を熱弁した。
続いて、岸監督との撮影について話題が及ぶと、松村は「岸さんはご自身のやるべきことにはすごくストイックですが、それを周囲に強いることはなく、常に周りを気にかけてくださる方」と説明。「お芝居について直接指示されていないのに、話しているうちに『次はこうしてみよう』と自然に湧き出てくる。深い解釈に導いてくださる方で、大好きです」と告白すると、岸監督も「僕も大好きです」と即答。松村が「成立です」と笑顔を見せ、会場からも笑いが起こった。
今田も「カットがかかった後、岸監督が駆け寄ってきて、にこっと笑いながら『よかったです』と言ってくださる。その笑顔が見たくて、美令を頑張っていました」と明かした。
キャストから次々と温かな言葉を送られた岸監督は、「皆さん本当に力のある俳優さんで、現場でお芝居を見ることが楽しかった。これだけ楽しい現場はなかったと思います」と感謝。役作りでは、原作に描かれていない人物の背景まで想像し、和真と達郎、美令と健介が、それまでどのような親子の時間を過ごしてきたのかといった細かな設定をキャストへ伝えたことを明かした。
三浦は「撮影前に、達郎がどのように生まれ育ち、どんな人生を歩んできたのか、原作にはない部分までA4用紙3枚ほどにまとめていただきました。僕にとってはとてもありがたかった」と感謝し、中村は岸監督について「とても優しく、こちらが恐縮するほど。でも、その優しさがかえって役者へのプレッシャーになる。優しいながらも、現場をぴしっと引き締める監督だと思います」と表現した。

井川も、風吹ジュン演じる母・洋子との、劇中には描かれていない過去までともに考えたといい、「今の織恵が置かれた状況を一つひとつ確認し、不安がないように導いてくださったことに感謝しています」と語った。
また、物語の重要な舞台となった愛知県常滑市での撮影についても話題に。松村は、現地の人々がエキストラとして参加した撮影を振り返り、「皆さんのお芝居が本当に上手で、今田さんと『仕込みなんじゃないか』と話していたくらい圧倒されました」と驚きを告白。「現地へ行き、その土地のものや人々と撮影することが、映画に特別な力を注ぐのだと感じさせてくれた街でした」と語った。
今田も「皆さん常滑の方言で自然に話してくださり、『常滑ってすごすぎない?』と松村さんと驚いていました。とても印象深いです」と笑顔を見せ、土地に根差した人々のリアルな空気感が作品にさらなる深みを与えたことをうかがわせた。
イベントの最後には、岸監督とW主演の松村、今田から、会場の観客、そして全国で公開を楽しみに待つ人々へ向けてメッセージが送られた。
岸監督は、台湾出身の撮影監督ウェイン・ローについて触れ、「人間ドラマを大切にするため、光や影にもさまざまな工夫を施し、とても繊細で美しい映像を撮っていただきました。そこにも注目していただけたらと思います」と呼びかけた。
今田は「映像も最初から最後までとにかく美しく、いろいろな角度から感情移入できる、最高のエンターテインメント作品になっています」と作品をアピール。
松村は「事件の真相をめぐるミステリーとしての面白さと、人間関係が移り変わっていく面白さ。そのバランスがとても素晴らしい映画が完成しました」と自信をにじませた。さらにタイトルにちなみ、「事件や真相には白と黒がついても、それによって人がどんな感情や考えを抱くのかは、必ずしも真っ白、真っ黒ではないと思います。そのグレーのあり方は、きっと誰とも重ならないものだと思います」とコメント。「そんなことも頭の片隅に置きながら、一つのエンターテインメント作品として純粋に楽しんでいただけたらと思います」と締めくくった。
『白鳥とコウモリ』は2026年9月4日より全国公開。
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