『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』加藤清史郎インタビュー

2年ぶりの乱太郎役では自らアクションもこなし、大活躍!

#加藤清史郎

同じ乱太郎役をできるのは、すごくうれしく感じました

2011年夏の実写版『忍たま乱太郎』公開から2年、再び乱太郎がスクリーンに帰ってきた。演じるのはもちろん、加藤清史郎。

夏休みを思いっきり遊んで過ごした乱太郎、きり丸、しんべヱの3人が、すっかり忘れていた宿題を片づけるために、手にした者が天下を制するという言い伝えの幻の妖刀の奪還に挑む。

現在小学6年生。身長も伸び、表情や語る言葉にもしっかりした成長がうかがえる清史郎くんに、夏の京都での撮影エピソードや演技の楽しさについて話を聞いた。

──2年ぶりに乱太郎を演じられたわけですが、出演のお話が来た時はどんな気持ちでした?

加藤:今回は前回のリメイクでも続編でもない、またほかの『忍たま乱太郎』です。同じ題材っていうのかな? 物語のなかで、同じ乱太郎役をできるっていうのは、すごくうれしく感じました。

──続編というつもりで臨んだのではないんですね?

加藤:そうですね。完璧に続編ではないですね。前回の夏休みが終わって、今回も夏休みなので、続編じゃないです。また別のものです。

──今回は田竜太監督ですが、前回の三池崇史監督の現場とは雰囲気も違いましたか?
加藤清史郎

加藤:やっぱり違いますね。三池監督はとても面白い方で、休みのときも笑わせてくれたりしましたが、田監督はとてもクールな方だなと思いました。今回は、その後にミュージカルの地方公演が控えていて短期間で撮ったので、一緒にいる時間が三池監督のときと比べて短かったこともあるかもしれないです。
 田監督は、『仮面ライダー』シリーズとか、アクションをやっている方なので、アクションシーンを撮るときは、本当にスラスラッと進む感じでした。爆破のシーンとか、すごかったでしょ。あれは上の方にこういう線があって、そこにカメラがぶら下がって、サーッと動かして撮ったりとか……(と身振り手振りをまじえて再現)。

──それを見て、「あ、こうやって撮るんだ」って、新しい発見があったりしましたか?

加藤:ありましたね! アクションも前回よりもまたグレードアップしていて、スタントの方にお願いするんじゃなくて本人でやっているので。「すごいな!」と思いました。乱太郎たちは殺陣(たて)はないんですけど、ほかの俳優さんたちが殺陣をしている間を走るのはすごく楽しかったです。

神月朱理くんは、演じなくてもしんべヱだったんです(笑)
加藤清史郎

──彦根城の城壁を命綱なしで登ったそうですが、怖くなかったですか?

加藤:怖くなかったです。7メートルか10メートルぐらいあったと思うんですけど、それをどんどん登っていって、「カット!」って声がかかって、降りようと思ったら結構高くて(笑)。「降りれる? 清史郎」と言われて、「大丈夫です、降りれますー」って(笑)。怖いってわけじゃなく、「そんなに上まで進んでいたんだ」とは思いました。

──やっているときは夢中で行っちゃうんですね?

加藤:そうです。本当に登りました。

加藤清史郎

──しんべヱ役の神月朱理くんは、これが映画初出演だそうですが、先輩として、いろいろ教えてあげたりしたんですか?

加藤:朱理くんは劇団に入ってからも6ヵ月くらいだったので、セリフもあんまり覚えられないし、撮影の手順もまだよく分かってなくて。あとは……コケちゃったりとか、コケちゃったりとか(笑)。朱理くん自身が「しんべヱ」だったんですよね。演じなくてもしんべヱだったんです(笑)。なので、きり丸役の林遼威くんと僕とで全力でサポートしました。

──それはそれは……(笑)。

加藤:(笑)。本当に「しんべヱ」でした。きり丸と僕と、休みの間に勉強しているんですけど、その隣でゲーム機をいじってたり(笑)。

──夏の京都での撮影はいかがでしたか?

加藤:やっぱり暑かったです。真夏の京都で山の上で撮れば、太陽にも近いし。僕、虫嫌いなのに、虫がたくさんいるし……(笑)。スタジオのなかは40度を超えることもあったけど、外も30度超えで、どっちにいても暑い、みたいな(笑)。氷のうとか携帯の扇風機とか、あとはスタッフさんがうちわであおいでくれたりして、しのぎました。

無理してるんじゃないかと思われることもあるけど、むしろ楽しくてやっています
──『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』は乱太郎たちが夏休みの宿題を終わらせようと奮闘するお話ですが、清史郎くんは宿題は早くやるほうですか?
加藤清史郎

加藤:計算とかドリルとかは、先生から「毎日コツコツとやってきなさい」とか言われない限りは、早めに終わらせちゃいたいタイプ。自由研究とかはじっくりやりたいんですけど、読書感想文は、苦手で苦手で苦手で。

──3回続きましたね(笑)。

加藤:苦手なんですよ。読書感想文はじっくり時間をかけます。

──清史郎くんの場合、夏休みはお仕事しているので、あんまり休みらしくないんじゃないかと思っちゃうんですけど。

加藤:いや、ちゃんと夏休みは夏休みです。去年は……どうだったかな(笑)? 『忍たま』の撮影と、1日が移動で、2日オフだったのかな(と、しばし記憶をたどる)。そこは怒涛だったんですけど。でも、本当にお仕事が楽しいです。自分がやりたくて、好きなようにやっているというか。無理してるんじゃないかと思われることもあるけど、僕はむしろ楽しくてやっています。

──今年の夏休みで、楽しみにしていることは何かありますか?

加藤:今年は、1ヵ月間博多で「レ・ミゼラブル」の地方公演です。ガブローシュというパリの浮浪児の役ですが、劇場で演じることをすごく楽しみにしています。ミュージカルで歌もあるし、失敗することを考えると怖いんですけど、それも恐れないでやる、僕のガブローシュを見てもらおう、と考えています。

──お話を聞いていると、演じるということをとても大切にしていると感じます。もっと小さかった頃のインタビューでは、将来なりたいものはと聞かれると、そのたびに変わっていたような気がしますが、今は?
加藤清史郎

加藤:今は野球の選手か俳優さんなんです。野球は本当に大好きなので、中学生になっても、部活で野球やりたいと思う一方、俳優さんのお仕事もやりたい。どちらもそう簡単になれるものじゃないんですけど……、まだ迷っています。

──まだまだ考える時間はたっぷりあると思うので、大いに迷ってください。

加藤:はい、迷います(笑)!

(text=冨永由紀)

加藤清史郎
加藤清史郎
かとう・せいしろう

2001年8月4日生まれ、神奈川県出身。NHK大河ドラマ「天地人」(09年)の樋口与六役で一躍人気者になり、「任侠ヘルパー」(09年)、「ヤマトナデシコ七変化♥」(10年)、「11人もいる!」(11年)など数多くのドラマやCMに出演。映画出演は『桜田門外ノ変』(10年)、『忍たまらん太郎』(11年)、『愛と誠』(12年)など。「レ・ミゼラブル」(11年、13年)や「エリザベート」(12年)など、舞台でも活躍している。

加藤清史郎
忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段
2013年7月6日より全国公開
[監督]田崎竜太
[原作]尼子騒兵衛
[出演]加藤清史郎、林遼威、神月朱理
[DATA]東映

(C) 2013「忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段」製作委員会