呉監督、宮崎あおいと大竹しのぶ相手に「背筋がすっと伸びるような感覚」

舞台挨拶中の呉美保監督。脚本も書ける若手の注目株だ
舞台挨拶中の呉美保監督。脚本も書ける若手の注目株だ

第3回日本ラブストーリー大賞ニフティ/ココログ賞受賞の咲野月音の小説「さくら色 オカンの嫁入り」が、宮崎あおい、大竹しのぶの初共演で映画化。この作品の完成披露試写会が6月4日にスペースFS汐留で開かれ、上映前に呉美保(お・みぽ)監督が舞台挨拶に登壇した。

呉監督はデビュー作『酒井家のしあわせ』でサンダンス・NHK国際映像作家賞2005日本部門を受賞。業界内でも注目を浴びている若手監督の1人だ。今回は、そんな監督にとってデビュー2作目。「『この原作を映画化してみないか』というお話を頂いた時に『オカンの嫁入り』というタイトルを聞いて『何それ、そういう映画があったら私は見てみたい』と、まず思いました」と当時の状況を語る。

さらに、「本を読ませて頂いて、あっという間に、スッと入り込んで読むことができた」と話す呉監督は、「自分がこの本を映画化するにあたって、大事にしたいなと思ったのは、本の最後のところ。『ニ度とつながらへん時間をつなぎ合せて……、ニ度と戻らへん時間をつなぎ合せて誰もが生きていく……』というフレーズで、私は当たり前の日常がすぐ先に無くなってしまうかもしれないと常に考えているので、それをテーマとした映画にしたいと思いました」と話していた。

また、宮崎あおいと大竹しのぶという演技派女優2人との仕事については、「すごく嬉しいのと同時に、背筋がすっと伸びるような感覚だった」と呉監督。「現場では毎日、今回の母と娘の関係について、いろいろと話し合いを重ねた。すごく濃い時間を過ごせた」とも語る。

最後に呉監督は、「私は今までもこれからもずっと、家族の形というものを描いていきたい」と抱負を口にすると、「10人いれば10通りの家族の形があって、今回は母子家庭という家族を描かせて頂いた。大阪の下町が舞台ということで、母と娘の2人だけではなく、いろいろな人たちが出てくる。映画を見た方に、ご自身の家族のことを少し頭のなかに巡らせてもらえる、そんな作品に出来あがったかなと思っています」と、本作に託した思いを語っていた。

『オカンの嫁入り』は9月4日より角川シネマ新宿ほかにて全国公開される。

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