4日(現地時間)、全米映画俳優組合(SAG)賞が発表になり、映画部門でNetflixオリジナルの『シカゴ7裁判』が、最高賞に当たるキャスト賞を受賞した。

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全米映画俳優組合会員の投票によって決まる同賞は、映画の出演者を対象にしたもので、アカデミー賞の作品賞に当たるのは、作品に出演したキャストを対象にしたキャスト賞になる。

1968年、アメリカ大統領選挙を控えたシカゴで開かれた民主党の全国大会の際、会場近くでベトナム戦争反対を訴える若者たちのデモ隊と警察が衝突した事件が発生。デモ隊のリーダー的存在だった7人を裁く法廷劇を、アーロン・ソーキン(『ソーシャル・ネットワーク』)が監督・脚本を務め描いた作品。ヤーヤー・アブドゥル=マティーン2世、サシャ・バロン・コーエン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、マイケル・キートン、フランク・ランジェラ、ジョン・キャロル・リンチ、エドワード・レッドメイン、マーク・ライランス、アレックス・シャープ、ジェレミー・ストロングがを受賞した。

ちなみに同作でラムゼイ・クラーク元司法長官役を演じたキートンは、2014年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と、翌15年の『スポットライト 世紀のスクープ』でも同賞を受賞しており、同賞史上初のキャスト賞3冠受賞俳優となった。

主演男優賞、主演女優賞は『マ・レイニーのブラックボトム』のチャドウィック・ボーズマンとヴィオラ・デイヴィスが受賞した。

ボーズマンは昨年、43歳の若さでガン闘病の末に亡くなったが、遺作となる『マ・レイニー〜』ではゴールデン・グローブ賞など多くの映画賞で主演男優賞に輝いている。

助演男優賞は『Judas and The Black Messiah(原題)』のダニエル・カルーヤが受賞。ブラックパンサーのリーダー、フレッド・ハンプトンとチャドウィック・ボーズマンに賞を捧げた。

助演女優賞を受賞したのは、韓国からアメリカに移住した一家を描く『ミナリ』で型破りな祖母を演じたユン・ヨジョン。映画部門ではアジア系女優初の受賞という栄誉に、「この気持ちをどう表現すればいいのかわかりません。私は西洋人に認められたのですね」と語り、共演者や映画俳優組合に感謝を述べると、「とても嬉しく、幸せです」と心境を語った。

コロナ禍で、授賞式は事前録画されたバーチャル開催でテレビ放映は1時間という短さになった。

SAG会員は、アカデミー賞の投票権を持つアカデミー会員で多数を占める俳優たちであり、SAG賞の結果はアカデミー賞の作品賞、各俳優賞の行方を占うものとして毎年注目されている。前哨戦で連勝続きの『ノマドランド』はSAG賞ではフランシス・マクドーマンドのみ主演女優賞にノミネートされたが、受賞は叶わなかった。

果たして4月25日(現地時間)発表の第93回アカデミー賞はどんな結果になるだろうか。

受賞結果は以下の通り。

●映画の部
キャスト賞:『シカゴ7裁判』
主演男優賞:チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
主演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
助演男優賞:ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah(原題)』
助演女優賞:ユン・ヨジョン『ミナリ』
スタント・アンサンブル賞:『ワンダーウーマン 1984』

●テレビの部
TV映画・リミテッドシリーズ部門
男優賞:マーク・ラファロ『ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー』
女優賞:アニャ・テイラー=ジョイ『クイーンズ・ギャンビット』

ドラマ部門
アンサンブル賞:『ザ・クラウン』
男優賞:ジェイソン・ベイトマン『オザークへようこそ』
女優賞:ジリアン・アンダーソン『ザ・クラウン』

コメディ部門
アンサンブル賞:『シッツ・クリーク』
男優賞:ジェイソン・サダイキス『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』
女優賞:キャサリン・オハラ『シッツ・クリーク』

スタント・アンサンブル賞(ドラマ部門 or コメディ部門):『マンダロリアン』

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