オメガバースBL『めぐみとつぐみ』3巻発売! おすすめオメガバも紹介!

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めぐみとつぐみ
『めぐみとつぐみ(3)』S井ミツル:著 竹書房
2121年2月17日発売

そもそもオメガバースって? 特殊な世界観をざっくり解説

大人気オメガバースBLの『めぐみとつぐみ』の3巻が2021年2月17日に発売される。そこで、「オメガバ」ことオメガバースに親しんでもらおうと、おすすめオメガバをご紹介!

オメガバはおそらく海外発祥のもので、男性も妊娠・出産できる特殊な世界観のBLだ。悲壮感あってエロ重視の傾向のイメージがあり、数年前までは商業BLには少なくて少数派のジャンルだった。

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それがだんだんと受け入れられるようになり、人気作家の腰乃がオメガバの『滅法矢鱈と弱気にキス』を手がけるなど今ではメジャーなジャンルに。さらに読者も作品も増えるにつれて、一言でオメガバと言ってもさまざまな作品が生み出されるようになった。

オメガバといえばたいてい作品の冒頭にオメガバについての説明が数ページあり、それが学術書のように堅苦しくて読むのが面倒くさくて敷居が高いという人もいるように思う。そこで筆者のざっくりとしたオメガバの解釈を噛み砕いて言うと…。

○人間に男女とは別にα、β、Ωの3つの性別がある。
○女性だけでなく男性Ωも妊娠・出産できる。
○Ωには発情期があり、社会的に蔑視されていて、Ωの発情にはエリートとされているαが強く反応する。
○Ωとαは番(つがい)になれる。

これだけ踏まえていれば、なんとな~くオメガバが読めるはず!

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でも、これさえも理解するのがめんどくさい人には、S井ミツル原作の『めぐつぐ』こと『めぐみとつぐみ』を読んで欲しい。しちめんど臭いことは取っ払ってゆるっと読めるオメガバとして人気爆破したのが『めぐつぐ』なのだ。そこで、『めぐつぐ』をはじめ、筆者のおすすめのオメガバースBLを紹介しよう。

●『めぐみとつぐみ』原作/S井ミツル

前述したオメガバに付き物の説明ページもない、良い意味で“なんちゃってオメガバ”と言いたい高校生同士のコミカルなオメガバ。正統派オメガバじゃないが、逆にビギナーは入りやすいんじゃないだろうか。ヤンキーでΩのつぐみとエリートのαのめぐみのケンカップルを描いている。弱くて繊細で不憫で…というΩのイメージを覆す、「発情期は気合いで乗り切る!」という喧嘩っ早くてアホっぽいつぐみのキャラが面白かわいい。デレたときはギャップ萌え!

●『ロマンチック上等』原作/森世

筆者がオメガバを読みはじめた頃に読んだ正統派と言えるオメガバ。主人公はハイスペックなαとの玉の輿を狙っているΩの計で、発情期は幼馴染みでβの次継に相手をしてもらっている。ある日、合コンで理想通りの超絶エリートでイケメンの駅人と出会い、初デートで番になってくれるように言われるが……。計算高い計だけど小さい頃から差別を受けてた彼が切なく、無表情な次継が熱い感情を持ってて男らしくて一途! 読むたびにウルウルしてしまう。

●『さよならアルファ』原作/市梨きみ

タイトルと表紙からメリバだったら嫌だなぁと恐る恐る読んだら、コミカルでキュンキュン萌えること請け合いのポップな作品だ。オメガバの設定にある、強烈に惹かれ合うαとΩの“運命の番”を生かしたストーリー。有能な生徒会長の千夏は自他ともにαだと思い込んでいたが実はΩであり、ある日“運命の番”と出会って発情してしまう。その相手のαはなんと! いたいけな小学生だった! 相手は子どもだから当然ガマンしなくてはならず、切ないけどお互い健気でキュンとする! そして攻めの成長にさらにキュン!!

●『リバース』原作/麻生ミツ晃

ストーリーテラーとして定評のある麻生によるドラマチックなサスペンス。所轄に異動した初日にΩを狙ったレイプ事件を担当することとなった警察官の吐木(はばき)と、番のいるΩの象徴であるうなじに歯型がついた、彼の同居人の円を描いている。次第に明かされる吐木と円の過去、ひた隠しに隠されている事実、それぞれの思惑、そして不穏な事件。いくつもの要素が絡み合い、麻生の繊細な絵で紡がれていくミステリアスな物語に引き込まれること間違いなし!

●『ご指導のほど』原作/やみと

表紙を見て、ドSなα上司とドジっ子のΩというありがちなパターンかぁとスルーしてたら、なんとその逆と知って筆者が飛びついたオメガバだ。周囲は当然αだと信じ込んで憧れている、仕事のできる高慢な上司が実はΩなのだ! 会社で発情抑制剤が切れてしまうと、ドジで仕事のできない部下が実はαで煽られてしまい…!? ギャグも盛りだくさんで楽しいオメガバ! 高慢Ω上司がエロになるとメス堕ちしてエロいし、ちゃんと愛と絆も結ばれるのがいい。

●『運命じゃなくても』/由元千子

コミックスの約半分ほどの中編ではあるが、筆者のお気に入りのオメガバ。主人公は実家が営むスーパーの手伝いをしているβの大学生・小春。配達先で出会った発情抑制剤の効かないΩの初方との出会いを描いている。由元はいわゆる少女漫画的なキラキラ絵柄の作家ではないけど、由元の描くくたびれたおじさんは妙に色っぽく可愛げがあり、この初方も魅力的! 発情期のせいで身を隠して生きる初方と平凡なβの小春の運命的ではない、ひっそりとしたカップルに魅せられる一作。

オメガバースは世界観が特殊だし難しそうと敬遠している方も、ぜひチャレンジして欲しい。(文:牧島史佳/ライター)

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