『急に具合が悪くなる』日仏動員50万人突破! 濱口竜介×三宅唱×三浦哲哉が語る“演出”の舞台裏

#三宅唱#三浦哲哉#急に具合が悪くなる#濱口竜介

『急に具合が悪くなる』
© 2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners
『急に具合が悪くなる』
『急に具合が悪くなる』
『急に具合が悪くなる』
『急に具合が悪くなる』
『急に具合が悪くなる』

予定調和ではない、偶然に左右されながらつくられた映画

第79回カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞(ヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒)を共同受賞し、第99回アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表にも選出された濱口竜介監督の最新作『急に具合が悪くなる』。日本とフランスでの観客動員数が合計で50万人を突破し、日本ではロングラン上映中の本作の特別鼎談イベントが9月5日にBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて開催された。

濱口竜介『急に具合が悪くなる』第99回アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に決定

・『急に具合が悪くなる』特別鼎談イベントの写真はこちら

登壇したのは濱口竜介監督、映画監督の三宅唱、映画研究者の三浦哲哉。これまで「映画の演出」について対話を重ねてきた3人が集結し、作品に隠された演出の秘密や映画制作への想いを熱く語り合った。

『急に具合が悪くなる』

イベントでは、満席の客席から温かな拍手が送られるなか、これまで「映画の演出」について対話を重ねてきた3人ならではの息の合ったトークがスタート。

シナリオも読んでいる三宅と三浦から、マリー=ルー(ヴィルジニー・エフィラ)と智樹(黒崎煌代)が雨宿りをする公園のシーンについて質問が飛ぶと、濱口監督は「数日前から雨予報だったため雨と晴れの2パターンを準備し、雨雲の動きを見ながら撮影を進めるなかでセリフを加えた」と明かした。予定調和に頼らず、偶然の要素を柔軟に巻き込みながら作られた背景を明かした。

また、作中で描かれる“涙”について三宅から問いかけられると、濱口監督は「感情を無理に操作するのではなく、登場人物たちの姿勢や態度を見たら自然とこみ上げてくるものにしたかった」と回答。プロフェッショナルでありながら人目をはばからず泣いてしまうマリー=ルーの人間性に触れ、キャラクター造形について語った。

リアリズムとは違う、フィクションとしての強度

編集時に自身も思わず泣いてしまったという濱口監督。三浦が印象的なシーンとして挙げた、真理(岡本多緒)の傍らで吾朗(長塚京三)が語りかけるロングテイクの撮影手法に話題が及ぶと、「人工的な光の推移を作り出し、芝居と合わせて変化させました」と解説。

濱口監督は「実際の時間経過とは異なる光の変化であっても、フィクションとしての強度が求められる場面がある。中心にある長塚さんの素晴らしい演技と、信じられる俳優の存在があったからこそ成り立った」と語り、三宅や三浦もシーンの魅力に言及した。

『急に具合が悪くなる』

(C)2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners

さらに話題は「映画づくりの資金や環境」にも広がり、濱口監督は「1日を過ごし、休んで回復するサイクルが根本的になくてはならない。今作では制作体制も含めてそれを果たそうと取り組んだ」と、映画制作に携わる人々の働く環境への意識を語る場面もあった。

最後には客席からの質問にも直接答え、映画における“声”の重要性や次回作へのアイデアまで飛び出すなど、映画への深い洞察と笑いが交錯する、充実したトークイベントとなった。

『急に具合が悪くなる』は現在公開中。