井浦新、主演・恒那を絶賛「大物になる」 在日コリアンのひとつの“今”『トロフィー』公開記念舞台挨拶
250人超のオーディション突破、朝鮮舞踊に号泣の日々
現代を生きる在日コリアンのひとつの“今”を描いた映画『トロフィー』が公開中だ。公開翌日の7月11日にはテアトル新宿にて公開記念舞台挨拶が実施され、主演の恒那、共演の井浦新、市川実和⼦、ちすん、そして孫明雅監督が登壇し、日本公開を迎えた心境や作品に込めた思い、そして役づくりや撮影秘話などを語った。
・在日コリアン少女の揺れる青春を描く『トロフィー』公開へ 孫明雅監督の鮮烈デビュー作
本作は公開初週から好調なスタートを切り、映画レビューサービス「Filmarks」の初日満足度ランキングで第1位(★4.03/7月13日時点)を獲得。公開記念舞台あいさつは全8劇場でチケットが完売し、通常上映も満席が続出している。SNSでは「今年一番の作品」「家族愛に涙」「踊りの美しさに大感動」といった感想が相次ぎ、「見終わったあと誰かと話したくなる」と口コミが広がるなど、大きな反響を呼んでいる。
7月11日にテアトル新宿にて開催された公開記念舞台挨拶も満員御礼。主人公・ソヒの葛藤や成長、さらに朝鮮舞踊までを見事に演じ切った恒那は、「本日はお越しいただきありがとうございます。本日は短い時間ですが宜しくお願いします!」と笑顔で挨拶。
250人を超えるオーディションを勝ち抜いて大抜擢されたが、「舞踊がだいぶ難しくて、撮影中は『代役使おうか』『整体に行け』『オーディションで一番下手』とたくさん言われましたけれど(笑)、舞踊部の子たちとも一緒にレッスンを受けるようになって徐々に踊ることが楽しくなりました。最後は終わるのが寂しくて号泣しました」と振り返った。

孫監督はそんな恒那について、「1次面接の時に良いなと思って、2次の芝居のオーディションでは、この子が良い!と思いましたが、3次の踊りのオーディションでは…(笑)」と絶句し、会場の笑いを誘った。
また、恒那はソヒの母親・ミリョン役の市川について、「撮影の合間にずっと話しかけてくださって、そのお陰で緊張がほぐれて楽しく撮影することができました」と気配りに感謝。
ソヒの父親・サンジュ役の井浦については、「喧嘩するシーンで私が『やめて!』というセリフを言うタイミングを間違えて落ち込んでいたら、『それは自分の感情で出たものだから失敗じゃない。自分の感情で自分のやりたいようにお芝居をしていい』と仰っていただいた」とアドバイスに感激した。一方の井浦は、「…全然覚えていない」と照れ隠しでとぼけ、会場を沸かせた。

市川は恒那について、「見た目とは裏腹にどっしりしっかりしている。なかなか肝が据わっている。浮いているところがなくて現場でも自然にいる。言い方は悪いけれど…中身はオッサン!(笑)」と評し、「いい女優さんって中身が大体オッサン」と持論を披露。井浦もそれに納得し、「大物になる」と期待の新人にエールを送った。
また、是枝裕和監督の門下生である孫監督からのオファーについて、井浦は「僕も是枝監督の下で俳優デビューした御縁もあるので、孫監督と一緒に映画を作りたいと思いました。台本を読んで受けた印象以上にキラキラと美しくたくましい映画になったと思うし、参加して良かった」としみじみ語った。
これに対し孫監督は、「社会のために俳優としてできることをする井浦さんは、まさに、遠くを見ているサンジュそのものだと思った」と起用理由を明かした。
朝鮮舞踊部の先生役を演じたちすんは、「私は学校の部活で9年間朝鮮舞踊をやっていたので、私にとって朝鮮舞踊は青春そのもの。このような形で映画として描いていただき、たくさんの方々に見ていただけるのは本当に感慨深い」と喜びを語った。

同じ朝鮮学校出身の孫監督は、「学生時代から朝鮮舞踊が上手いレジェンド級の人がいると聞かされていて、その方こそちすんさんだった。そんな方に先生を演じてもらえてとても嬉しかった」と不思議な縁を明かした。
朝鮮学校や朝鮮舞踊をテーマに本作で長編映画監督デビューを果たした孫監督は、「北朝鮮のミサイルのニュースの背景に朝鮮舞踊が使用されることで、朝鮮舞踊という本来美しいものが変な見方をされてしまうことに疑問があった」と、本作を制作するきっかけを語った。
最後に孫監督は、「朝鮮学校や朝鮮舞踊を知ってもらいたいと思って作った映画です。作品を少しでもいいなと思っていただけたら、皆さんの口コミで周りの方にも作品のことを広めていただけたら嬉しいです」と呼びかけた。
井浦も、「この作品は、強く世の中の不条理を訴えるような作品とは一味違った、キラキラとした青春映画であり家族の物語です。その中には強い芯があって、自分や家族と重ね合わせて見ることができると思います。見て感じたことをたくさんの方々に伝えてください」と大ヒットを祈願。
主演の恒那は、「本日はたくさんの方々に見ていただけてとっても嬉しいです。見た人たちの心の中に残るような作品になっていたら良いなと思っています」と締めくくり、舞台あいさつは終始和やかな雰囲気の中で幕を閉じた。
『トロフィー』は現在公開中。
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