ロバート・デ・ニーロ、映画賞授賞式のスピーチで“政治的なコメント”が削除されたことに怒り「よくもあんなことをしたものだ」
#キラー・オブ・ザ・フラワームーン#ゴッサム・インディペンデント映画賞#ドナルド・トランプ#ロバート・デ・ニーロ
『キラー・オブ・ザ・フラワームーン』のスタジオ・アップルがスピーチの一部をカットしたことを非難
ロバート・デ・ニーロが27日(現地時間)、ニューヨークで開催された第33回ゴッサム・インディペンデント映画賞授賞式でプレゼンターを務めた際、スピーチ原稿を無断で削除されたことを暴露した。
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デ・ニーロは盟友マーティン・スコセッシ監督の最新作で、レオナルド・ディカプリオとリリー・グラッドストーンが主演し、自身も出演している『キラー・オブ・ザ・フラワームーン』の特別賞(歴史的アイコンおよびクリエイター・トリビュート)受賞のプレゼンターを務めた。
デ・ニーロは作品紹介のスピーチを始めてすぐ、テレプロンプター画面上の自分のコメントが編集されていることに気づいた。ドナルド・トランプ氏に関するものを含む政治的なコメントが削除されていたのだ。
「1つ言いたいことがある。私のスピーチの冒頭が知らないうちに削除されているが、私はそれを読みたいんだ」と手元のスマートフォンに入れてあったオリジナル原稿を読み始めた。
「歴史はもはや歴史ではない。真実は真実ではなく、事実でさえも、陰謀論や醜悪さに基づくもう一つの事実(alternative facts)に取って代わられている」とデ・ニーロは語った。
「フロリダでは若い学生たちが、奴隷は自身のために応用できる技術を身につけたと教えられている。エンターテインメント業界もこの病巣と無縁ではない。デュークと呼ばれたジョン・ウェインが、ネイティブ・アメリカンについて『この偉大な国を彼らから奪ったことを悪いことだとは思わない。新しい土地を必要とする大勢の人々がいたのにインディアンたちは利己的に自分たちのものにしようとしていたのだ』と言ったのは有名な話だ」。
そして「嘘はペテン師の武器庫にある道具の1つに過ぎなくなった。前大統領は在任中の4年間に3万回以上も嘘をつき、現在の報復キャンペーンでもそのペースを維持している」と続けたが、これはトランプ氏が2024年大統領選のキャンペーン中に「私はあなたたちの報復者だ」と発言したことを指している。
デ・ニーロはさらに「嘘ばかりついても、自分の魂を隠すことはできない。彼は弱者を攻撃し、自然の恵みを破壊し、ポカホンタスを中傷に使うなど、無礼な態度を示している」と、トランプがエリザベス・ウォーレン上院議員を揶揄する際に“ポカホンタス”と呼んだことを例に挙げた。
その後、デ・ニーロは『キラーズ〜』のスタジオであるアップルがスピーチの一部をカットしたことを非難した。
「私はこれから『アップル社に感謝してます』『ゴッサムに』とか言うけれど、彼らがやったことを思えば、実際は感謝したい気は全くない。よくもあんなことをしたものだ」と言い、会場は騒然となった。
アメリカの業界誌「Variety」によると、アップル社は映画製作サイドから「デ・ニーロの発言は映画を中心に据えてほしい」というフィードバックに応えたとしている。
スピーチの修正版は授賞式開始の10分前にテレプロンプターに届いたが、プロンプターのオペレーターに指示を出した女性はアップルの社員と名乗ったという。
「Variety」誌が指示メールのコピーで確認した修正版では、冒頭部分が「今日のニュースを見ていると」「我々はポスト真実の社会に生きていることがよくわかる」とされ、トランプ氏に言及する内容が省かれていた。
デ・ニーロの代理人は、デ・ニーロ本人はこの変更を見ていなかったと話している。
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