『金持を喰いちぎれ』

モーターヘッドのレミー、ポーグスのシェインらミュージシャンが大挙カメオ出演!

1987年の初公開時、あまりの過激さゆえに誰にも理解されず映画史上空前の空振りを記録した英国産社会派ブラック・コメディ『金持を喰いちぎれ』が、デジタルリマスターにより息を吹き返し、7月14日よりリバイバル公開されることが決定した。本作より日本版ビジュアルを紹介する。

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ロンドンの金持ちが集まる高級レストラン「バスターズ」でウェイターとして働くアレックスは、いけ好かない客やマネーャーにいびられクビになり、身寄りも友人も家もなく社会の最下層に沈んだ。一方、乱暴で下品だが実行力のある上流階級の権力者、超タカ派内務大臣ノッシュは、ソ連のスパイである英国情報部司令長官が仕掛けた女性スキャンダルの罠にはまるが、送り込まれた高級コールガールを一発ではらませる。

底辺部隊を組成するアレックス。「イート・ザ・リッチ」と改名されたその高級レストランでミンチ肉料理に舌鼓を打つ金持ちたち。社会の最上位と最底辺の対決のときが迫る。

1980年代、社会保障カットとフォークランド戦争で大英帝国を再建した剛腕サッチャー政権下、生活苦に耐えきれなくなったイギリス国民がついに立ち上がった。海外のキャッチコピーは、「おまえが食べているのはおまえだ!」。人種差別、性差別、階級差別、選民主義、権威主義に怒りを爆発させ、反旗をひるがえす大貧民たちが、大金持ちしか入れない超高級レストラン「バスターズ」を乗っ取り、「イート・ザ・リッチ」と改名して金持ちを血祭りに上げる。

イギリスの社会風刺コメディ番組『ザ・コミック・ストリップ』でポスト・モンティ・パイソンとして注目を浴びたピーター・リチャードソン監督が、パイソンズ以上に強烈な風刺を利かせ、ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」やビートルズの楽曲「Piggies」のテーマにも通じる社会批判を展開。初公開時には、その猛毒に誰もついて行けず、映画史上空前の空振りを記録した。

近年の英国媒体による「映画史上最大の失敗・愚行TOP50」では、歴史的超大作が軒並み名を連ねるなか、インディペンデント低予算映画にもかかわらず第49位にランクイン。今なお凄まじい存在感を発揮している。

製作総指揮を務めるのは、『ロッキー・ホラー・ショー』(75年)や、ポリス、XTC、ディーヴォらが出演した音楽映画『Urgh! A Music War』(81年)のマイケル・ホワイト。主演にはジェンダーのボーダーを飛び越え、舞台、映画、テレビ、ラジオ、音楽など様々に活躍するラナー・ペレー。元ヘヴィ級プロ・ボクサーであり、007シリーズのスタントを務めたノッシャー・パウエルが上流階級の内務大臣を演じる。

また、暴走ロックンロールの帝王モーターヘッドが、サウンドトラックを担当。劇中に唐突なライヴシーンが差し込まれ、フロントマンの極悪レミーが台詞を含めた演技を披露する。そしてポール・マッカートニー、アンジー・ボウイ、サンディ・ショー、クー・スターク、ミランダ・リチャードソン、シェイン・マガウアン(ポーグス)、ヒュー・コーンウェル(ストラングラーズ)、ビル・ワイマン(ローリング・ストーンズ)ら超豪華ミュージシャン、俳優、モデル、作家、アーティストが大挙カメオ出演する。

紹介するポスタービジュアルは、日本初公開当時のデザインをベースに新たに作成されたもの。「金と権力があるからといって、おまえらに権利はない!」というメッセージ性の強いコピーとともに、お皿のまわりに多彩な出演者、豪華ゲストを配し、センターに本国ビジュアルでも使用されている強烈上流階級権力者キャラ“ノッシュ”が足を喰っているイラストが使用されている。その腹には本作のサントラを手掛け、出演も果たしているモーターヘッドの有名なロゴ“War Pig”が燦然と輝く。

『金持を喰いちぎれ』は7月14日より劇場公開。

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