ゲイであるために母に捨てられ、16歳でホームレスになった青年が生きるために選んだ道とは!?

#A24#LGBTQ#インスペクション ここで生きる#エレガンス・ブラットン#ケイ#ジェレミー・ポープ#映画

『インスペクション ここで生きる』
(C)2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.
『インスペクション ここで生きる』
『インスペクション ここで生きる』

自らのアイデンティティを貫く青年の姿が胸を打つヒューマンドラマ

A24が新たに贈る新鋭監督の実話をもとにした映画『The Inspection』が、邦題『インスペクション ここで生きる』として、8月4日より全国公開されることが決定した。本作より予告編とポスタービジュアルを紹介する。

・[動画]ゲイであることで母に捨てらた青年の生きる道は軍しかなかった『インスペクション ここで生きる』予告編

・処刑者は14万人…男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと、愛する自由を求め続けた男の闘いとは?

『ムーンライト』(16年)『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22年)などの革新的な作品を次々と送り出してきた映画会社A24に見出された本作は、監督自身の体験を描き、世界で絶賛された心揺さぶるヒューマンドラマだ。

イラク戦争が長期化する2005年のアメリカ。ゲイであることで母に捨てられ、生きるためにすがるような想いで海兵隊に志願した青年。しかし、彼を待ち受けていたのは、軍という閉鎖社会に吹き荒れる差別と憎悪の嵐だった。

海兵隊に在職中の20代で初めてカメラを手にし、そこから映像記録担当としてキャリアを始めたエレガンス・ブラットン監督の長編デビューにして、彼の体験にもとづく実話である本作。社会から疎外され、“透明だと思っていた”自分を癒すために映画を撮ろうと決意した監督は、「この映画で主人公が感じる欲望、恐れ、そして最終的に抱く目標まで、すべて本物です」と語る。

主人公エリス・フレンチを演じるのは、俳優、そして歌手としても活動するジェレミー・ポープ。本作で第80回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(映画・ドラマ部門)にノミネートされたほか、世界各国で高い評価を受けた。また、「21世紀の最重要バンド」と評されるアニマル・コレクティヴが音楽を担当する。

予告編では、ゲイであることで母親に捨てられ、ホームレスとして生きてきた主人公・フレンチが、自身の出生証明書を貰おうと母親の家を訪れるシーンから始まる。母親は「私が産んだ“息子”として戻らないなら、この証明書は無意味よ」と吐き捨て、息子との間に厚い心の壁があることを感じさせる。

出生証明書を得たフレンチが向かったのは、海兵隊のブートキャンプだった。バスから降りた瞬間、教官たちから罵声を浴びせられ、洗礼と言わんばかりに「お前は同性愛者か?」と問われるが、全く表情を変えずにフレンチは「いいえ教官!」と大きな声で答えてみせる。まさに『inspection(インスペクション)』というタイトルの通り、セクシャリティの“点検”を受ける様子が衝撃的に切り取られている。

ゲイであることから社会に除外されてきたフレンチにとって、海兵隊は生きるために選んだ唯一の道だった。罵詈雑言とともに過酷な訓練が繰り返されるその場所で、フレンチは教官だけでなく、本来は切磋琢磨するはずの仲間たちからも激しい差別を受け続ける。

「お前のような奴がなぜここに?」と教官から問われたフレンチは、刑務所に追いやられ、命を落としていったかつての仲間たちを想う。「外の暮らしじゃいつか死ぬ」「でも軍服姿で死ねば」「こんな俺でも誰かの英雄になれる」──。涙を流し心の奥底から絞り出した一言が、彼の人生の壮絶さを感じさせる。孤立を恐れず、同時に決して他者を見限らない彼の信念は、周囲にどのような変化をもたらすのか。

『インスペクション ここで生きる』

ポスタービジュアルは、雑踏の中で強いまなざしをこちらに向けるフレンチの姿が印象的だ。「自分を諦めない―」というコピーと相まって、彼の力強い意思が伝わるデザインに仕上がっている。

『インスペクション ここで生きる』は8月4日より全国公開。

INTERVIEW