犬飼貴丈&飯島寛騎『僕らの食卓』は原作のほんわかムードそのままの魅力!

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僕らの食卓
『僕らの食卓』
(C)三田織/幻冬舎コミックス (C)「僕らの食卓」製作委員会

癒しの人気コミックを旬の俳優で実写化

犬飼貴丈と飯島寛騎がW主演を務めるドラマシリーズ『僕らの食卓』(毎週木曜夜11:00からBS-TBSにて放送中、翌日正午からTVerにて配信)を紹介しよう。同作は三田織の同名人気コミックを実写化したハートフルドラマ。

『僕らの食卓』犬飼貴丈&飯島寛騎インタビュー

育った環境の影響で誰かと一緒に食事をするのが苦手な会社員・豊は、ある日、公園で年の離れた兄弟・穣と種に出会う。豊が作ったおにぎりを種が気に入り、おにぎりの作り方を豊は教えることに。それ以来、豊たちは一緒に食卓を囲み食事をすることが増え、やがて豊と穣の距離も次第に縮まっていく…。

原作コミックはほんわかと優しいイラストで、物語もゆっくりと進んで優しいタッチ。といってもただただほんわかするだけの話じゃなく、豊は過去にトラウマがあって心の傷を抱えている。穣は母を亡くして幼い弟の面倒を見ているが、自分の時間が削られて、弟思いなゆえに葛藤している。2人とも感受性豊かだからこそ悩んでいるのがわかるし、作者が彼らの心に寄り添って見守っている視線を感じてジーンと温かい涙がこみ上げてくる。

「配役が逆では?」と感じたものの始まってみたら!

ドラマでも犬飼も飯島もこまやかな演技で2人の心情を表現し、彼らの辛さが伝わってくる。同時に相手の存在が大切なこと、大切と思われるのが嬉しいことが原作コミックと同様に感じられて、見ているほうも嬉しくなってくる。ゆっくりゆっくり彼らのペースで、恐る恐るながらも相手に近づきたい思いで距離を近づけていっているようすにも心が温まる。

豊がちょっと天然なところがある可愛らしさも犬飼がハマり役で演じ、穣が強面でぶっきらぼうに見えて実は思いやりに溢れていて優しいところも飯島が低音イケボを活かして好演。キャストが発表されたときは実は逆のように感じたが、やっぱりこれが正解と思えてくる。

それと忘れちゃいけないのが幼い弟・種の存在! 無邪気で天真爛漫でとにかくかわいい!種くんを見ているだけでいろんなものがふわっと溶けて救われる気持ちになる。ドラマで演じているのは、前山くうが。彼は原作の種より少し年齢が高いイメージだけど、元気でピュアでかわいい! 見る者を笑顔にするパワーを持っている。

僕らの食卓

飯テロの魅力はドラマならでは

そんなふうに原作の持ち味を活かして実写化しているが、原作そのままではないドラマならではのアレンジも。原作は料理シーンにスポットが当てられた料理マンガではないが、ドラマでは基本的に毎回お料理とご飯のシーンが入る。でも、手軽にできる料理なのが豊や穣たちのキャラクターにあってていい。手の込んだ難しい料理ではなく料理もユルいところが癒やし系な本作に合っている。簡単に作れるところがまた、飯テロドラマの思うツボにハマっていて悔しいくらいだ。

さらに、動物園に行くために豊がお弁当を作るなど、ドラマのオリジナルエピソードもある。それも作品の世界観を壊さずに、原作のムードそのまま。三田のイラストで情景が思い浮かぶほどにしっくりとなじんでいる。原作の魅力を実写で再現してくれるだけでもファンにとっては嬉しいものだが、オリジナル要素を入れてもその魅力を損なわずにさらに幅を広げてくれるとは、もう推すしかない。これからの後半の放送もしっかりと見守っていきたい。

優しいタッチの原作もぜひ読んでほしい

また、ドラマが気に入った方にはぜひ原作コミックを読んで欲しいし、三田作品に触れて欲しい。作品数は多くないけれどどれも優しいタッチで、最新コミックス『ライオンハーツ』は先月末に発売されたばかり。こちらも2人を応援したくなる物語で、繊細でほんわかしつつもキュッと胸が苦しくなる三田作品らしさが健在なことを証明してくれる。本作の原作コミックはもちろん、他作品もチェックしてみてはいかがだろう。(文:牧島史佳/BLライター)

『僕らの食卓』毎週木曜日夜11:00からBS-TBSにて放送中

犬飼貴丈が飯島寛騎の「大人の色気」を語る/ドラマ『僕らの食卓』インタビュー