田中裕子主演、尾野真千子が共演する『千夜、一夜』が公開。ムビコレでは、尾野真千子のインタビューを掲載中だ。
出演の決め手は“映画らしい映画”に出られると思ったから
北の離島にある港町で、突然姿を消したままの夫を30年もの間待ち続けている登美子。愛する人の思い出にすがるようにずっと待つ日々を送る彼女のもとに、2年前に夫が失踪したという女性・奈美が現れる。彼女は自分の中で折り合いをつけるために夫が「いなくなった理由」を探していた。
田中が主人公・登美子を演じる本作で、愛する人を待ち続ける登美子が出会う、もう1人の待つ女・奈美を演じた尾野。出演を決めた理由を、「映画らしい映画」に出られると思ったから、と尾野は答える。「最近あまり見ないぐらいの地味さというか。みんな、派手なものが好きになってきているこの世の中で、ちゃんと考えさせられる」と、本作にピンときた理由をこう話した。
本作の監督を務めた久保田直は、ドキュメンタリー出身の監督。「ちゃんと私のやりたいこと、どうしたいかというのも聞いてくれるし、監督が私にやってほしいことも伝えてくれるので、やりがいはすごくありましたね」と久保田監督との仕事について話す尾野。
一方で、「本番前のテストがない」など、劇映画だけを作る監督とは違った部分もあったという。テストがないことについて、「恐怖です。正直いうと、やめてほしいぐらい(笑)」と尾野。
しかし、それでも久保田監督のやり方を受け入れた理由を、「監督がこういう映画にしたいと思っている中に居たいので。“尾野真千子”という自分が全面に出ることはしたくないというか、何かまた違ってくると思う」と尾野は語る。常に「この監督の組の中に自分がいるということを大切に」という信念で、撮影に臨んでいることを話してくれた。
田中との共演について尾野は、「あんなに“居る”だけで、そこに居るだけのお芝居であそこまで見せられるとは……すごいなって思いました。盗みたいところの1つだった。この人の口からどんな言葉がが出てくるんだろう?って、ずっと構えちゃうんですよね。何を話してくれて、何を教えてくれるんだろうって、いつもドキドキしてました」と振り返る。
また、「現場ではいつも世間話をいっぱいしてね。気を紛らわしてくれたり、優しい方でした」と撮影の合間の印象をこう語り、「ご飯を食べに行ったり、プライベートの時間になると、私が関西弁を喋るものですから、たまに一緒に関西弁をお話してくれたりとか、そういう時間はありました。心地よかったです」と関西出身同士、関西弁で話したエピソードについても語った。尾野真千子のインタビュー全文はこちらから!
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