週末シネマ/女子高生とパンツという組み合わせの妙で話題の『むすんでひらいて』が問いかける深いテーマ

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『むすんでひらいて』
『むすんでひらいて』

【週末シネマ】なぜ人はパンツを穿くのだろう? 丸出しで歩いているなら話は別だが、衣類で覆われていれば誰にも分からない。穿きたければパンツを穿けばいいし、穿きたくないのなら無理強いする必要はないのかもしれない。それも自由というものなのではないか。とある女子高生を主人公にした『むすんでひらいて』を見ながら、そんな思いを巡らせた。

55万回超で話題沸騰の学生映画『むすんでひらいて』予告編

この『むすんでひらいて』は、2021年の第32回東京学生映画祭に出品されるも無冠に終わった青春映画だ。だが、無名監督による学生映画にも関わらず、予告編動画がわずか1ヵ月で55万回視聴を突破し話題を呼んでいる(7月26日17時現在)。

「女子高生」と「パンツ」という組み合わせへの、ちょっと下心を含んだ好奇心もあるだろうが、誰もが息苦しさを感じる時代の中で、自分らしさとは何か、自由とは何かを問いかける内容に共感する人が多いように思う。YouTubeのコメント欄には「自己の個性とそれに係る尊厳をパンツを履かない事で表現するとは…(原文ママ)」という書き込みも。

幼い頃から、穿きたい時だけパンツを穿くという生活を送っている高校1年生の主人公は、一見、どこにでもいる女子高生。パンツを穿かないことを誇示することもなく、かといって恥ずかしがるわけでもない。世の人々が気分によって黒い服を着たり白い服を着たりするように、パンツを穿くも穿かないも自然体だ。友人からパンツを穿かないことについて尋ねられれば、ごくごく当たり前のように穿いていないと明かす。だが、そのことを重く受け止めてしまった親友が、主人公をなんとか理解しようとし始めることから物語は回り出す。

自己をしっかりと持ちながらも気負うことのない主人公に、密かな憧れを抱いていた親友。自らもノーパンで過ごしてみたり、級友たちに働きかけてパンツをシュシュやキャップとしてあしらってみたり、アクセサリー代わりに手首に巻いてみたり。だが主人公は、親友の善意からの行動に戸惑ってもいるようで……。

洗練されているとは言いがたい、荒削りなストーリーと映像。なのになぜか心に深い余韻を残す本作は、7月30日にBS松竹東急[真夏のミライ映画フェス 2022]で放送予定だ。また、同日には裏番組として本作の吉野綾香監督をはじめ気鋭若手監督らを招いてのトーク番組「週末ミライ裏トーク」も配信される。(文:ムビコレ編集部)

清水崇監督が『むすんでひらいて』吉野監督を激励!?「真夏のミライ映画フェス 2022」

[真夏のミライ映画フェス 2022]

●週末ミライシアター「若手クリエイターと出会おう 真夏のミライ映画フェス」
7月30日(土)/深夜0時30分(※)よりBS松竹東急(BS260ch)にて無料放送。

「週末ミライ裏トーク」
7月30日(土)/深夜0時15分(※)より、YouTube/ムビコレチャンネルで配信
https://bit.ly/3zz56LT
[参加監督]
・第31回東京学生映画祭 グランプリ受賞作『冬のほつれまで』多持大輔監督青根智紗(キャスト)、北崎杏佳(キャスト)
・第31回東京学生映画祭 グランプリ(短編)受賞作品『忘れたくないのに定かじゃない』藤丸踏子監督
・「あなたのいいね!で若手クリエイターを応援しようキャンペーン」第1位作品『むすんでひらいて』吉野綾香監督
・「あなたのいいね!で若手クリエイターを応援しようキャンペーン」第2位作品『こわす。』後藤みずほ監督
[ゲスト監督]清水崇監督

※30日〜31日にかけての深夜帯