“ロクデナシ”演じた伊藤健太郎に、余貴美子は「力むことなく、ずっと優しく穏やか」

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冬薔薇
(C)2022「冬薔薇(ふゆそうび)」FILM PARTNERS
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『冬薔薇』豪華キャストの面々が明らかに

阪本順治監督がオリジナル脚本で描く最新作『冬薔薇』が6月3日に全国公開される。このたび、主演・伊藤健太郎を取り巻くキャストの顔ぶれが発表された。

・「今はもう、失うものは何もない」伊藤健太郎に当て書きされた人間の業を紡ぐ物語

 

冬薔薇

伊藤健太郎は、ロクデナシな青年・渡口淳を演じる。

その淳の父親で、日本の高度成長期を支えたガット船「渡口丸」の船長・渡口義一を演じるのは、名優・小林薫。忙しさにかまけて息子と向き合わず、埋めようのない溝を作ってしまった男の弱さと哀しみ、内に秘めた思いを、これ以上ないほどの愛情を持って体現する。

小林は、「ふとコレは俺のことなんじゃないかという思いが湧いてきました。もちろん、淳の人生と似ていると云う意味ではなく、若い時の出口のない袋小路って、みなの中にもあるンじゃないのかな。ボクはたまたまと云うか、役者業の道に入りましたけど、別の道を歩んでいたらと思うと、淳たちが遠いところの住人でもなく、とっても身近な存在に思えてきました」と物語に共感した。

その妻で、会社の事務を取り仕切る渡口道子役に、余貴美子。生来のバイタリティーと、長い結婚生活で染み付いた徒労感──。相反する要素が自然に溶け合った佇まいが、見る者を捉えて離さない。

余は、伊藤の印象を「役どころとは裏腹に力むことなく、ずっと優しく穏やか。母親役の私の息子としてリアルに存在していて有難い」と語る。

また、本作品については、「冬薔薇というタイトル! とても切なくて儚い感じだが、冬に薔薇が咲くのは、間違いなのか? 勘違いなのか? でも夏の薔薇のように、北風にも負けずスックと花は咲く。全員がちょっとずつ誤解しながら生きている、そんな人たちの物語」と解説した。

その他にも、豪華な顔ぶれが並ぶ。

失業して「渡口丸」に雇ってもらう淳の叔父・中本裕治役に、眞木蔵人。淳が所属する不良グループのリーダー・美崎輝役に、若手のホープである永山絢斗。不良グループのメンバー・君原玄役に毎熊克哉。淳のいとこ・中本貴史役に坂東龍汰。美崎の妹・智花役に河合優実。淳の学友・友利洋之役に佐久本宝。淳に好意を寄せる澤地多恵子役に和田光沙。「渡口丸」の甲板員・近藤次郎役に笠松伴助。

そして、「渡口丸」航海士・永原健三役に伊武雅刀。最年長の機関長・沖島達雄役に石橋蓮司が出演する。

阪本組常連から若手注目株まで、日本を代表する俳優が集結。それぞれに葛藤を抱えた寄る辺なき者たちのアンサンブルが実現した。

後継者不足に悩むある港町で起こった事件の真相は…?

本作品の舞台は、ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳(伊藤)。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親の義一(小林)道子(余)は埋立て用の土砂をガット船と呼ばれる船で運ぶ海運業を営むが、時代と共に仕事が減り、後継者不足に頭を悩ませながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は、思いも寄らぬものだった……。

『冬薔薇』は、6月3日に全国公開される。

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